広瀬章人九段が、王座戦第2局の大逆転について自身のブログで振り返りました。伊藤匠王座が放った▲5三香不成。あの劇的な29手詰を迎える直前、広瀬九段には何が見えていたのでしょうか。
広瀬九段が見落とした▲5三香不成
広瀬九段は9月17日更新の「広瀬章人の一喜一憂ブログ」で、111手目の▲5三香不成について「完全にうっかり」と明かしています。
最終盤では複数の勝ち筋が浮かび、どれを選ぶか迷っていたとのこと。しかも、自玉には見た目以上の危険があり、変化を整理しきれなかったことがうかがえます。勝てそうな手がいくつも見えるからこそ、最後の選択が難しくなる――実戦の恐ろしさを感じる振り返りです。
△9八飛ではなく、△8八飛だったら?
広瀬九段は、△9八飛から銀を使う二つの順には勝ちがあったと説明。そのうえで、次の手順が最も分かりやすかったという趣旨を記しています。
△8八飛 ▲7九玉 △7七桂成
ポイントは、飛車を8筋に残して守りにも働かせること。相手に角を受けで使わせることへ意識が向く一方、自陣への利きが重要だったという振り返りでした。詳しい変化は、ぜひ上記の広瀬九段の原文もご覧ください。
アユムの解説動画:衝撃の29手詰
私の解説動画では、△9八飛に代えて△8八飛と自陣に利かせる順や、△7七歩に代えて△7七銀~△7八飛成と角を取り、角合いを用意する順を紹介しています。
そして本譜の▲5三香不成! 成らずに残した香が働く、驚きの妙手でした。シチュエーション的にはトン死なのですが、その一言で片付けるには憚られるほど、見事な29手詰です。盤上で何が起きたのか、動画でご覧ください。
王座戦第二局ハイライト まさかの大逆転!衝撃の29手詰が炸裂 伊藤匠王座―広瀬章人九段
終盤の一手を楽しむ将棋本4選
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五番勝負は1勝1敗に
第1局は広瀬九段、第2局は伊藤王座が勝利し、五番勝負は1勝1敗のタイとなりました。広瀬九段はブログで、次の第3局へ向けて体調を整えて臨む考えもつづっています。
王座戦 五番勝負
横にスクロールすると日程が見られます →
| 対局者 | 勝敗 | 第1局 | 第2局 | 第3局 | 第4局 | 第5局 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 9/2(水) | 9/15(火) | 10/2(金) | 10/14(水) | 10/27(火) | ||
| 伊藤匠王座 | 1-1 | ● | ○ | |||
| 広瀬章人九段 | 1-1 | ○ | ● | |||
元奨アユム
難解な最終盤を当事者の言葉とともに振り返ると、勝敗の数字だけでは伝わらない将棋の奥深さが見えてきます。1勝1敗からの第3局も楽しみです。