藤井聡太王位の7連覇が決まるのか、それとも伊藤匠二冠が最終第7局へ持ち込むのか。第67期王位戦七番勝負第6局が、9月8日(火)・9日(水)、神奈川県秦野市の「元湯陣屋」で行われます。藤井王位が3勝2敗と防衛に王手をかけて迎える一戦です。
今年度勝率は藤井0.813、伊藤0.458
| 比較項目 | 藤井聡太王位 | 伊藤匠二冠 |
|---|---|---|
| 今年度成績 | 13勝3敗 | 11勝13敗 |
| 今年度勝率 | 0.813 | 0.458 |
| 直近10局 | 7勝3敗 | 3勝7敗 |
| 直近10局の勝率 | 0.700 | 0.300 |
| 今シリーズ | 3勝2敗 | 2勝3敗 |
成績は第6局開始前のものです。勝率は小数点以下3桁で表示しています。
両者の最近の調子は?
直近10局では藤井王位が7勝3敗、伊藤二冠が3勝7敗。ただし直近5局に絞ると、両者とも3勝2敗です。10局単位では藤井王位の安定感が目立ちますが、ごく最近の勝敗だけなら大きな差はありません。
藤井王位は王座戦の広瀬章人九段戦、王位戦第4局の伊藤二冠戦と連敗した後、第5局で伊藤二冠に勝利しました。直前の一局で連敗を止め、防衛に王手をかけて第6局を迎えます。「負けなしの絶好調」というより、苦しい時期を挟みながらも大事な一局を取り切った状態と見るのがよさそうです。
伊藤二冠は大橋貴洸七段、藤井王位、西田拓也六段に3連勝した後、王位戦第5局と王座戦第1局で連敗しています。したがって、直近10局の負け越しだけで一方的な不調と判断するのは適切ではありません。藤井王位に勝った第4局の実績もあり、第6局は直前の連敗を止めて流れを引き戻せるかが焦点です。
勝敗から見る総合的な安定感では藤井王位を上に見ますが、直近5局は互角。調子を成績だけで断定せず、伊藤二冠の巻き返しにも注目したいところです。
数字では藤井王位を有力視。ただし楽な一戦ではない
今年度成績でも直近10局でも藤井王位が上回っています。この二つの指標から展望するなら、藤井王位の勝利を有力と見るのが自然でしょう。タイトル防衛まであと1勝という状況もあり、陣屋で決め切れるかに注目です。
ただし、今年度勝率0.813は「第6局に81.3%の確率で勝つ」という意味ではありません。対戦相手や棋戦、先後、持ち時間の違う対局をまとめた実績であり、そのまま一局の勝率予測にはできません。
伊藤二冠は今年度こそ負け越していますが、今シリーズでは藤井王位からすでに2勝を挙げています。直近10局にも、王位戦第4局での藤井王位戦、棋王戦の大橋貴洸七段戦、王将リーグの西田拓也六段戦の勝利があります。通期の数字だけで「勝負にならない」と見るのは早計です。
藤井王位にとっては勝てば防衛、伊藤二冠にとっては負ければ挑戦が終わる一局。数字上の優勢と、盤上の形勢は別です。伊藤二冠がどのような準備で難しい勝負へ持ち込むかも見逃せません。
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対戦成績は藤井18勝、伊藤8勝、1持将棋
| 棋士 | 勝ち | 負け | 対戦勝率 |
|---|---|---|---|
| 藤井聡太王位 | 18 | 8 | 0.692 |
| 伊藤匠二冠 | 8 | 18 | 0.308 |
このほかに持将棋が1局あります。勝敗がついた26局では藤井王位が69.2%、伊藤二冠が30.8%。持将棋は勝率計算から除いています。
通算では藤井王位が大きく勝ち越す一方、今回の王位戦だけに絞れば3対2の接戦です。伊藤二冠は第1局と第4局に勝ち、藤井王位は第2・3・5局に勝利しています。第6局で伊藤二冠が勝てば3勝3敗となり、タイトルの行方は最終局へ持ち越されます。
直近10局の勝敗を比較
上から新しい順です。○は勝ち、●は負け。二日制対局の日付は初日を記載しています。
藤井王位:7勝3敗
| 日付 | 勝敗・相手 | 棋戦 |
|---|---|---|
| 8/26 | ○伊藤匠 | 王位⑤ |
| 8/18 | ●伊藤匠 | 王位④ |
| 8/5 | ●広瀬章人 | 王座 |
| 7/29 | ○伊藤匠 | 王位③ |
| 7/24 | ○丸山忠久 | 王座 |
| 7/15 | ○伊藤匠 | 王位② |
| 7/4 | ●伊藤匠 | 王位① |
| 7/1 | ○服部慎一郎 | 棋聖③ |
| 6/26 | ○佐藤天彦 | 王座 |
| 6/19 | ○服部慎一郎 | 棋聖② |
伊藤二冠:3勝7敗
| 日付 | 勝敗・相手 | 棋戦 |
|---|---|---|
| 9/2 | ●広瀬章人 | 王座① |
| 8/26 | ●藤井聡太 | 王位⑤ |
| 8/21 | ○西田拓也 | 王将 |
| 8/18 | ○藤井聡太 | 王位④ |
| 8/10 | ○大橋貴洸 | 棋王 |
| 8/8 | ●斎藤慎太郎 | JT杯 |
| 7/29 | ●藤井聡太 | 王位③ |
| 7/21 | ●増田康宏 | 竜王 |
| 7/15 | ●藤井聡太 | 王位② |
| 7/10 | ●永瀬拓矢 | 順位戦 |
会場は元湯陣屋。昼食・おやつ・封じ手の時刻
対局場は神奈川県秦野市「元湯陣屋」。持ち時間は各8時間の二日制です。立会人は青野照市九段、副立会人は豊川孝弘七段、記録係は山城正樹三段が務めます。
| 時刻 | 予定 |
|---|---|
| 9:00 | 1日目は対局開始/2日目は再開 |
| 10:00 | 午前のおやつ |
| 12:30~13:30 | 昼食休憩 |
| 15:00 | 午後のおやつ |
| 18:00 | 1日目の封じ手 |
封じ手は1日目の18時に手番を持つ棋士が、次の一手を封筒に封じるものです。2日目は9時に再開予定。18時が対局全体の終了予定時刻というわけではありません。
将棋の内容に加え、両対局者が選ぶ昼食やおやつも二日制タイトル戦の楽しみです。注文内容は発表後の公式中継でご確認ください。
防衛か、フルセットか。陣屋の二日間に注目
今年度成績、直近10局、通算対戦成績は、いずれも藤井王位を支持する数字です。それでも伊藤二冠には今シリーズで2勝を挙げた実績があります。藤井王位が7連覇を達成するのか、伊藤二冠が踏みとどまるのか。第6局は七番勝負の大きな分岐点になります。