西山朋佳女流四冠が、棋士になる決断をしました。2026年10月26日の記者会見で、白玲通算5期によって得た棋士編入資格を行使する意向を表明。2027年4月1日付でフリークラス四段に編入され、女性初の「棋士」となる予定です。
今回の動画では、この歴史的な決断を取り上げます。記事では、解説用に用意した資料から5枚を掲載し、資格獲得につながった白玲戦、三段リーグ14勝4敗、編入試験2勝3敗の歩みを振り返ります。
動画:【速報】西山朋佳女流が「棋士」になると決断!
女性初の棋士誕生へ――編入は2027年4月1日付
将棋界には、男女を問わない「棋士」と、女性を対象とする「女流棋士」という別々のプロ資格があります。今回の決断は、西山女流四冠が新たに「棋士」の資格を得るというものです。会見当日に四段となったわけではなく、編入日は来年4月1日となります。
会見では、より強い相手と戦い、上を目指したいという思いを大切にして権利行使を決めたことを説明。女流棋戦への出場も希望しています。

白玲を4勝1敗で防衛、通算5期で資格を獲得
西山白玲は第6期白玲戦七番勝負で福間香奈女流四冠を4勝1敗で破り、10月10日に防衛を決めました。これにより白玲獲得は通算5期となり、2025年に導入された制度による棋士編入資格を獲得しました。
防衛直後には判断を保留していましたが、改めて考える時間を経て、今回の会見で権利を行使する意向を明らかにしました。

三段リーグ14勝4敗――順位の差で届かなかった四段
西山女流四冠は、奨励会時代にも四段昇段の目前まで迫りました。2019年度後期の第66回三段リーグでは14勝4敗。服部慎一郎三段、谷合廣紀三段と勝敗で並びながら、期首順位の差で3位となり、次点にとどまりました。
同じ14勝4敗でも昇段に届かなかった、あの惜しい成績は、多くのファンの記憶に残っています。

棋士編入試験は2勝3敗――最後まで続いた挑戦
2024年から2025年にかけて挑んだ棋士編入試験では、新人棋士5人を相手に3勝を目指しました。第1局を勝利した後に2連敗。第4局を制して2勝2敗に戻しましたが、最終第5局で敗れ、通算2勝3敗で合格には届きませんでした。


フリークラスから順位戦C級2組へ進むには
フリークラスでは順位戦に参加しません。C級2組への昇級には、次の4条件のうち、いずれか一つを満たす必要があります。
- 年間で「参加棋戦数+8」以上の勝利を挙げ、かつ勝率6割以上。
- 良い所取りで30局以上の勝率が6割5分以上。
- 年間の対局数が「(参加棋戦数+1)×3」局以上。
- 全棋士参加棋戦で優勝、またはタイトル戦に挑戦。
例えば20勝10敗なら勝率は約0.667となり、2番目の条件を満たします。年間の集計は4月から翌年3月。同じ棋戦の当期・次期は1棋戦として数えます。一般規定では在籍期限も定められており、編入後は順位戦への昇級が次の大きな目標になります。
これまでの歩みを踏まえ、新たな挑戦を応援したい
ここからは私個人の考察です。棋士総会で賛成多数で白玲5期でフリークラス編入案が通った背景に、三段リーグ14勝4敗、編入試験2勝3敗の惜しい成績があったことが大きかったと推測されます。これは制度決定の理由として確認された事実ではなく、これまでの挑戦を踏まえた私の見方です。
制度についてさまざまな意見があることと、西山女流四冠自身の挑戦は分けて考えたいと思います。決められた制度のもとで自ら選んだ道ですから、負い目を感じることなく、思い切り将棋に向き合ってほしいです。
棋士と女流棋士の二つの舞台で戦う場合、対局だけでなく研究や移動の負担もあります。今後どのような活動方針になるのか、そしてフリークラスから順位戦への道をどう切り開くのか。ファンとして、これからの挑戦を応援していきたいと思います。
ぜひ動画とあわせてご覧ください。
おすすめ将棋本4選
PR:Amazon・楽天のアフィリエイト広告