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王位戦第6局は名局賞を取れるのか?

王位戦第6局の終盤と名局賞候補を考える解説

王位戦第6局は、今年度の名局賞を取れるのでしょうか?伊藤匠二冠が築いた優位、藤井聡太王位の驚異的な粘り、そして1分将棋で繰り出された終盤の構想。大逆転という結末だけでは語り尽くせない一局でした。

今回はアユムの動画とともに、王位戦第5局、名人戦第3局、叡王戦第5局というライバル3局を振り返ります。ここで挙げるのは当ブログで比較する候補で、公式に発表された候補一覧ではありません。

動画|王位戦第6局は名局賞を取れるのか?

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王位戦第6局の強みは「逆転」だけではない

9月8・9日に行われた第67期王位戦七番勝負第6局は、藤井王位が140手で勝利。シリーズを4勝2敗で制し、王位7連覇を決めました。

しかし、結果だけを見れば藤井王位の勝利でも、その道のりは平坦ではありませんでした。伊藤二冠が勝利に迫り、109手目▲2四歩を境に流れが大きく変化。藤井王位は110手目△1三桂、112手目△3六銀と、チャンスを逃さず攻めをつなげました。

特に印象的なのが122手目△2八角成です。馬を作って終わりではなく、その馬を相手に取らせる展開まで含めて勝ちに結び付ける構想。さらに128手目△1二玉という、攻め合いの中で自玉の安全を見極める一手も現れました。

名局として振り返りたいのは、単に評価値が逆転した瞬間ではありません。「なぜその手で勝てるのか」を何度も盤に並べて考えたくなるところです。敗れた伊藤二冠がそれまで見せた指し回しも含め、両者の強さが凝縮された一局だったと思います。

王位戦第6局の終盤。△2八角成からの構想と△1二玉が大きな見どころ。
王位戦第6局の終盤。△2八角成からの構想と△1二玉が大きな見どころ。

渡辺明九段も、自身の名局投票リストに

渡辺明九段は終局後、Xで王位戦第6局を自身の名局投票リストに入る大熱戦と評価。△2八角成から馬を取らせる組み立てを、1分将棋で選べることに驚きを示しました。

伊藤二冠の▲2四歩についても、それまで難解な将棋を勝勢へ導いた実力を踏まえ、強者同士の勝負ならではの機微として捉えています。トップ棋士が具体的な手を挙げて感嘆している点も、この将棋を振り返りたくなる理由です。

渡辺明九段のポスト渡辺九段の感想とファンの反応をまとめた記事

ライバル① 王位戦第5局|藤井聡太王位―伊藤匠二冠

まずは同じ七番勝負の第5局です。2勝2敗で迎えた重要な一局で、藤井王位が勝ち、防衛まであと1勝としました。第6局ばかりに注目が集まりがちですが、比較するなら、この第5局も外せません。

解説画像の63手目では評価値が「互角(132)」と表示されています。盤上には互いの角がなく、持ち駒の角をどこで使うか、玉形と攻撃陣をどう評価するかが気になる局面です。一手の派手さだけでなく、拮抗した局面でどんな構想を選ぶかという視点で見比べたい一局です。

王位戦第5局・63手目の解説画面。画像内の期数は第65期となっていますが、今回取り上げるのは第67期です。
王位戦第5局・63手目の解説画面。画像内の期数は第65期となっていますが、今回取り上げるのは第67期です。

ライバル② 名人戦第3局|糸谷哲郎九段―藤井聡太名人

第84期名人戦七番勝負第3局も比較したい一局です。先手が糸谷九段、後手が藤井名人で、結果は藤井名人の勝利でした。

解説画像では82手目が「互角(64)」、102手目が「後手勝勢(-2330)」という表示。均衡した局面から、どのように後手が勝ちを引き寄せたのかが見どころになります。

王位戦第6局と共通して注目したいのは、終盤で藤井名人がどう勝ち筋を組み立てたか。評価値の数字だけでなく、相手の攻めをどう受け止め、どのタイミングで踏み込んだかを追うと、比較がより面白くなります。

名人戦第3局・102手目。解説画面では後手勝勢の表示。
名人戦第3局・102手目。解説画面では後手勝勢の表示。

ライバル③ 叡王戦第5局|伊藤匠叡王―斎藤慎太郎八段

第11期叡王戦五番勝負第5局は、タイトルの行方が決まる最終局。5月31日に行われ、伊藤叡王が勝って3勝2敗で防衛しました。

解説画像では101手目が「先手有利(690)」、105手目が「先手有利(644)」。伊藤叡王が有利という表示でも、その数字だけでは実戦で勝ち切る難しさまでは分かりません。両玉の危険度や持ち駒を見ながら、攻めを続けるか、守りに手を戻すか。タイトルが懸かる最終局での判断を味わいたいところです。

王位戦第6局では惜しくも敗れた伊藤二冠ですが、この叡王戦最終局では防衛を果たした側です。勝った将棋と敗れた将棋の両方を並べることで、伊藤二冠の充実ぶりも改めて感じられます。

叡王戦第5局・105手目。伊藤叡王がタイトル防衛を果たした最終局。
叡王戦第5局・105手目。伊藤叡王がタイトル防衛を果たした最終局。

局面の評価値は提供された解説画像の表示です。解析条件によって変わるため、名局の順位を決める点数ではありません。結果確認:日本将棋連盟・2026年5月の対局結果

結論|王位戦第6局は有力な一局。ただし、ライバルも強い

私は、王位戦第6局は名局賞を期待したくなる一局だと思います。伊藤二冠が優位を築くまでの過程、藤井王位の逆転、△2八角成からの勝ち方。観戦中の驚きと、終局後に調べ直したくなる深さの両方がありました。

一方で、王位戦第5局、名人戦第3局、叡王戦第5局にも、それぞれ違う魅力があります。「最も劇的だった将棋」と「最も内容が充実していた将棋」が、必ず同じになるとは限りません。まだ年度の途中でもあり、これから生まれる熱戦も楽しみです。

皆さんなら、この4局の中からどの一局を選びますか? ぜひ動画と局面を見比べてみてください。

王位戦の七番勝負結果・棋戦進行状況はこちら

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