藤井聡太四段デビュー26連勝!ハイライトと今後の予定等 VS 瀬川晶司五段  順位戦C2

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藤井聡太四段のこれまでの公式戦・非公式戦における
対戦成績は こちら

先手:瀬川晶司五段(24位)
後手:藤井聡太四段(45位)

本局のハイライト動画は こちら

【22時53分】
互角の素晴らしい競り合いが続いていたが、1分将棋に入った瀬川五段の一失を捉えた藤井四段が優位に立つと、持ち前の圧倒的な終盤力で一気に突き離しにかかる。瀬川五段も粘ろうとするが藤井四段の指し手は正確無比であっという間に勝勢を掴んでしまった。そして互角~瀬川五段持ちと思われた局面から僅か1時間。気がつけば当然のように藤井四段が勝利を手にしていた。その姿は最早貫禄すら感じさせる。
これで26連勝。歴代1位がハッキリと見えてきた。ただし、
次の相手:藤岡隼太アマ(東大1年)
28戦目:澤田真吾六段(プロ間実力レーティング10番台)
29戦目:増田康宏四段(昨年新人王。プロ間実力レーティングは間もなく10番台)
と強敵が続く。特に澤田六段は前局、リードしながら終盤の一失を捉えられて敗勢まで追い込まれた難敵だ。増田四段もまだ19歳の急成長中の若手。新人王戦優勝、竜王戦5組優勝と既に実績は申し分ない。勝つのは容易ではないだろう。また、藤岡アマも不気味だ。最近ではアマもソフトにより非常に深いところまで研究が出来るので、トップアマになると中堅プロと互角かそれ以上レベルと考えた方が良いだろう。茨の道になると思うが、何とか歴代単独1位までたどり着いて欲しいと心から願う。

【21時20分】
残り時間
先手:34分
後手:1時間30分
ソフトに読ませると藤井四段に鋭く踏み込む決め手級の手順があったが、実戦心理としてそれを指すのはかなり難しかったようだ。形勢は依然として微差で藤井四段が有利ながら変化が多く、何が起こってもおかしくない状況が続いている。瀬川五段が上手く粘っている印象だ。
21時26分、藤井四段にとうとう疑問手が出たようだ。評価値が一気に後手持ちから先手に振れた。瀬川五段がこのチャンスを生かせれば、26連勝に黄信号となりそうだ。

【22時47分】
残り時間
先手:なし(1分将棋)
後手:41分
形勢は後手勝勢。藤井四段が26連勝に大きく近づいている。

【20時】
残り時間
先手:1時間40分
後手:1時間49分
藤井四段がこのまますんなり押し切るかと思われたが、瀬川五段の壮絶な粘りにより差が縮まった模様。瀬川五段は奨励会三段で無念の退会をし、アマチュアに戻っても諦めずに這い上がってプロの座を掴み取った執念の男。いかに藤井聡太と言えども簡単には振り切れないようだ。どちらが勝つにせよ、決着までの道のりはまだまだ長そうだ。

 

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【当日17時半時点での観戦記】
難解な中盤から藤井四段が抜けだし、現局面でははっきり優勢になった。
26連勝が大きく近づいてきた。時間もまだまだある。
残り時間は
先手:2時間35分
後手:2時間41分

【当日15時までの観戦記】
戦型:角換わり
先手の瀬川五段がまさにこの日のために用意してきたような速攻を見せた。
それに対しては藤井四段が思わず大長考に沈み、応手にプロ入り後最長となる1時間16分を費やした。指したのは先手の歩突きを取らずに自陣角を打つという受けの好手。この手以外なら一気にもっていかれそうというところで出た、流石の一着だった。対して瀬川五段も41分の長考に入り、残り時間も形勢もがっぷり四つのいい勝負が続いている。

【勝敗予想】
実力レーティング的には瀬川五段は90位程度、藤井四段は低く見積もっても10番以内ということで藤井四段の期待勝率は数学的な面だけを考慮すると90%超えか。持ち時間の長い長丁場ということも藤井四段に有利に作用しそうだ。
ただ、瀬川五段としてもこのまま26連勝の踏み台になる気はさらさら無いだろう。アマチュア時代には当時現役A級だった久保利明王将(当時は八段)を撃破している。プロ入りしてからも実力レーティング10番台の強豪を度々破るなど
藤井四段としても全く気は抜けない相手だと思う。ましてやもともと先後の決まっている順位戦。瀬川五段が対藤井四段用の特別な作戦を用意してきてもおかしくない。
 

 

 

 

名人戦第6局2日目、佐藤天彦名人 VS 稲葉陽八段

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書き始めたのが15時。丁度おやつの時間なので両対局者のおやつを記載しておく。
稲葉:モンブラン + ホットコーヒー+オレンジジュース
佐藤:苺のショートケーキ + りんごジュース

15時現在、局面は第1図まで進んだ。

ここで1、△同銀と2、△62桂!に分かれる。
62桂は屋敷九段が推奨している手。
1、△同銀は以下
▲65桂△同桂▲同桂△64角▲75銀△同角▲73桂成(第2図)と火の出るような攻め合いが予想される。

先手は桂馬を成りこめたが後手の角の利きも急所。これはいい勝負。ソフトはごく僅かに先手持ち。
2.△62桂は面白い手。対しては▲65桂打△同桂▲同桂△42角▲76桂と進んで一見先手がうまくやったようだが、そこで△61桂(第3図)と受けるのが好手で僅かに後手が指せる流れか。

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おやつタイムで糖分補給を終えてますます冴えわたる両者の頭脳の激突から目が離せない。

進んで下図(第2図と書いていますが第4図です)。2、の変化で▲76桂まで同様に進み後手が△83飛と受ける進行になった。ここが大きな分岐点だった。


本譜は上図で▲74歩と取り込んだがこれが悪手。△65歩と桂が取られて名人がはっきり優勢になった。
ここは▲53銀と打ち込む勝負手があった。△65歩なら▲42銀成~▲57銀で次の角打ちを楽しみにして先手が互角以上に戦える形勢だ。


17時29分、第5図まで進んだ。ELMOによるとここで△63桂と打てば先手がしびれているようだ。受けの強い名人なら自然と手が行きそうな手だ。挑戦者はこの苦境を跳ね返してタイに持ち込むことができるだろうか。

 

プロ棋士の凄さを他のスポーツで例える

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プロ棋士の凄さ、強さというのは将棋をやっていない人には中々伝わりづらい。「AIの方が強いんだから意味ないんじゃないの?」なんていう人もいるくらいだ。
なので、どれ位凄いのか、他のスポーツ等に例えて自分が思いつく限りの表現で伝えてみようと思う。まずは理屈抜きで見てもらいたい。

【将棋のタイトルホルダーの凄さを他のスポーツでの能力に例えると】
【野球】
・常時150キロ超の球を投げる
・150キロ超のをヒットにする
・落差の凄いフォークを投げる
【陸上】
・100メートルを9秒台で駆け抜ける
・砲丸投げで80メートル投げる
【フィギュア】
・4回転ジャンプを飛ぶ
【体操】
・F難度の技を次々と決める
【サッカー】
・ドリブルで3~4人抜く
・オーバーヘッドを決める
・30Mくらいの距離からシュートを決める
・PKで枠内ぎりぎりに行った弾丸シュートを止める
【卓球】
・超高速ラリーができる
・相手が一歩も反応できないスマッシュを決める
・アマチュア相手に11点先取のゲームをラブゲームで勝つ
【麻雀】
・安めの倍満を蹴って数え役満をアガり切る

こんな感じだろうか。ネタが乏しくて申し訳ないが、とにかく凄いということが少しでも伝わればいい。将来的には持ち時間を思い切り短くして(3分切れ負けなど)、スポーツ風の実況をつけてトップ棋士が対局するような棋戦も現れるかもしれない。

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20連勝なるか?藤井聡太四段 VS 澤田真吾六段

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大型連勝中ということもあり、タイトル戦以上に注目されるこの将棋は千日手を挟んで第4図の局面になった。千日手局はまた後で並べていきたい。


第4図から▲45歩△同歩▲同銀と先手が仕掛ける。▲同銀では▲同桂と桂損覚悟で踏み込む手や、▲35歩を絡める手など色々あったところ。
対して△44歩だと作戦負けになる後手は△86歩▲同歩(▲同銀△65歩▲57角という展開もあった)△85歩▲同歩△95歩と強く反撃して第5図。


上図以下は▲同歩に
1、単に△85桂で変化を許さず一本道へ
2、△75歩を入れて攻め味を広げる
に分岐して、ソフトは何れも「ほぼ互角ながら後手がややリード」という見解。
澤田六段としても、後手番で攻勢をとれているのでここまでは上手くやったという感じか。後手は2の△75歩を選択。本筋の一着だ。藤井四段は形勢はともかくしばらく辛抱が続きそうだ。

 66手目(△75歩)まで残り時間
藤井聡太:2時間40分
澤田真吾:1時間18分

局面は△75歩▲同歩から△65歩と後手がもう一回リズミカルな突きを入れて第6図。後手好調の流れに見えたが、ここで天才が信じられない手を放つ。


上図から▲76角!が凄まじい手。実はエルモの検討で第一候補に挙がった手だったが、まさか指さないだろうと思っていた。恐らくは▲86銀か▲76銀(それでも後手ペースながらいい勝負)と進行していくのだろうと。
実際、棋士室の誰もが予想しておらず、更にこの手を見た澤田六段が残り時間が少ないにも関わらず長考に入ったところを見ると、完全に意表を突かれたのではないだろうか。恐ろしい、恐ろしすぎる。藤井聡太。
▲76角に対しては△85桂▲86銀△47歩▲58金△38角というこれまた人間が選ばなそうな手順で「ほぼ互角」とエルモは示していたが、少なくとも実戦でこの順をじっくり読み、「ほぼ互角」になるという結論に辿り着くのは至難の業だと思う。実戦は▲76角に△52金▲86銀△66歩(第7図)と進んだが

角筋が通ったため▲68歩と受けておけば先手十分なようだ。
と思っていたら実戦は▲77桂。更に手厚くした手だが、これは果たしてどうなるのか。後手の選択肢としては
1、△44歩でいったん銀を追い払う
2、△67角とカチ込んでいく
といったところ。ソフト評価値はほぼ互角に戻った。

実戦は△44歩▲56銀△35歩▲同歩△85桂▲同桂(ソフトによると▲同角△36歩▲45桂△同歩▲87玉!という変態的手順も有力だったようだが流石にほとんどの人は指さないだろう)△36歩(第8図)と澤田の猛攻が始まった。次に桂を取って△64桂があるがおしゃれな受けがあった。

ここで▲45桂!△同歩▲64歩としたのが洒落た手順。45に捨てることによってのちの▲45銀を可能にしている。ここで澤田は△72桂(第9図)と打つ手に本局の命運を託した。先手の指し手はほぼ2択。1、▲63歩成か2、▲65銀か。


1、の▲63歩成は以下A、△同金なら▲43角成△同金▲52銀で変化はあるものの先手やや良しか。B、△84桂▲65角△63金も▲34桂と攻めあって、これも先手がいけそうな感じだ。

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2、の▲65銀には△46角!と打つのが好手で、次の△37歩成と△55角~△67歩成の筋を見せてこれは後手がやや指せるようだ。
藤井四段の選択やいかに。18時24分。
持ち時間
藤井聡太:2時間10分
澤田真吾:0時間08分
 
藤井四段、ここから果敢に▲63歩成。対して1のAの変化になっていくわけだが、▲52銀打に澤田六段渾身の勝負手が襲い掛かる。それが第10図。


この△76角が藤井四段の思考回路を狂わせたか。まだたっぷり時間が残っていたが、▲77金と指した手が致命傷になりかねない悪手で、△87歩▲同金(▲78玉なら△67角打▲同銀△同歩成▲同金△88歩成▲68玉△87角成で後手良し。第11H図)


△67角打!(第11図)が渾身の逆転打。一気に後手が優勢を掴み取った。第10図では▲68桂と受けておけば、以下△62金と引くくらいしかなく、▲76桂△52金に▲74角!が好打(△63銀なら取って52銀だし42金なら▲63角成)で先手が良かった。▲77金は△87歩と打たれる厳しさを見落としたのだろうか。藤井四段らしからぬミスだったが、△76角と打った澤田六段がそれだけ凄かったということだろう。

本譜は以下▲67銀△87角成▲同玉△67歩成と一気に後手が優勢~勝勢の局面を築いていく。第12図までとなって鮮やかな一手があった。

上図から△67銀!が決め手級の一着。流石に万事休したと思われたが
藤井四段も▲同角から▲33成銀△同玉▲34銀△44玉▲22角と劣勢ながらも鋭く迫る。そして第13図。とうとう後手が逃げ切ったかに見えたが。


上図から▲76桂!が魔手。澤田六段も頭が真っ白になったことだろう。△75玉と逃げれば勝ちだった(澤田六段は▲77角成△同と▲66銀△同玉▲67銀△75玉・・・と追われて詰まされると思ったとのこと。実際はそんなことはなかった。藤井四段の終盤力や▲76桂の魔力、1分将棋という状況が澤田六段を狂わせたのかもしれない・・・)
本譜は△同金▲67歩(第14図)となって、

上図で△85飛ならまだ後手が良かった(▲65銀~▲66金で76の金を取りつつ馬を作ることは出来るが、駒が足りない)ようだが、△46角と攻防風に打った手が致命的な悪手となってしまった。▲57銀と受けられ、△85飛には▲46銀△同歩▲65銀!△同玉▲66金で先手が勝つ。以下、第15図となって先手はっきり優勢だが、澤田六段が最後の勝負手を放つ。


上図から△78銀!が最後の勝負手。以下▲同玉△67桂成▲同銀△87飛成と大迫力の追い込みだが、▲79玉△67金(第16図)で藤井が決め手を放つ。


上図から▲55角成△75玉▲65金△85玉に▲77桂!(△同金なら▲96銀△同竜▲77馬)△76玉に▲75金!△同玉▲65馬から竜を抜いて先手勝勢に。
以下、第18図となって華麗な即詰みがあった。


上図から▲81飛△83桂▲85歩△73玉に▲74歩までで後手投了。
以下は△同玉なら▲56角で詰みだし、△同金も▲82角△62玉▲63歩△同玉▲61飛成~▲52銀で詰む。
澤田六段にしては非常に珍しい大逆転劇だったが、上に書いた藤井四段の「魔力」がそうさせた可能性は高い。
ともあれこれで20連勝。何とかあと9つ勝って、連勝数歴代1位を獲得してほしい。今後は毎回のようにタイトルホルダーやタイトル戦の常連組レベルと当たるようになるため、29連勝は今回が最初で最後のチャンスになるだろう。

 

 

第88期棋聖戦 羽生善治棋聖 VS 斎藤慎太郎七段 【第1局】昼食まで

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第88期棋聖戦は47歳の羽生と24歳の斎藤の戦いになった。
羽生はこの年齢で未だに三冠と、衰えぬ力を見せつけている。86期は豊島、87期は永瀬とイキのいい若手を向こうに回して防衛を果たしてきた。
斎藤は2015年度、2016年度と連続で勝率1位に輝いており、この若さにして既にB1昇級も決めている。私の予想では、斎藤が互角以上の戦いをするだろうとみている。

さて、第1図。何気ない局面だが早くも後手の分岐点。ソフトの将棋だと
△85歩~△74歩とする急戦調の指し方が多いところ。
もしかしたら、将棋を突き詰めていくとそれが最善手なのかもしれない・・・と思うとちょっとゾッとしてしまう。


本譜は△42銀といわゆる「普通」の指し方だった。なんだか「普通」な進行も
最近では逆に目新しい気がする。ソフトの進化は将棋を変えてしまったなあ・・・とつくづく思う。もちろん決して悪いことではないが、たまには昔の定跡も見てみたくなるのが人情だろう
 
【午前のおやつ】
羽生:ホットコーヒー
斎藤:カットフルーツとアイスコーヒー


昔ながらの急戦矢倉という感じで、少し嬉しくなった。
以下▲25歩△73桂▲78金△85歩と進行していく。△85歩は桂の行き場を無くすデメリットと、飛先を突いて攻撃力を増すメリットを天秤にかけて選択する手。
この形では突いた方が得になる変化が多いようだ。


そして第3図。いかにもレトロな矢倉戦という感じでワクワクする。
ここから▲88玉△65歩▲同歩△同桂▲66銀△64銀が予想される進行で、
いい勝負といったところ。火の出るような攻め合いになりそうだ。ソフト評価値はごく僅かに先手持ちだが形勢は完全に互角とみてよいだろう。
 。

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【昼食】
羽生:きつねうどん
斎藤:淡路島牛丼(おいしそう)

 

 

 

藤井聡太四段、伝説の△15歩についてお詫び

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第1図は藤井聡太四段の公式戦デビュー18連勝目、
加古川清流戦の竹内雄悟四段戦の終盤。1分将棋にも関わらず、ここから「藤井マジック」ともいうべき手順が炸裂した。


金で取るか銀で取るかだがソフトはどちらかと言うと△同銀を支持。以下
I、▲54歩には△22玉と早逃げして難解ながらやや後手良し、
Ⅱ、▲44角成の詰めろ竜取りには△22角と切り返し、以下▲66馬△同角▲63歩成(第2図)に面白い手がある。


図から△84角打が好打。次の△58金等の攻めを狙う。ただし先手も▲57歩が「大駒は近づけて受けよ」の好手で局面は難解。
この変化も十分考えられたところだが、藤井四段は第1図から△同金を選んだ。(第3図)


これも角を44に成らせない意味で有力な手。先手は空いた後手玉の脇腹に向かって▲61飛と打ち込み、後手はがっちり△41金打。そこで角を逃げても仕方ないので▲42角成と切り△同銀に▲52金打と食らいついて第4図。ここが一番のハイライトだった。


上図からは△51歩が自然で、大盤解説の屋敷九段と深浦九段も基本的にその線で解説を進めていた。が、なんと藤井四段はここで△15歩!(第5図)これには解説の二人の先生もかなり驚いていた。別所で井上九段も「勢いがあるけど危険だなあ」と否定的なニュアンス。ソフト評価値も瞬間的に先手に大きく振れた。私自身1分将棋ということもあり、「藤井四段が珍しく終盤で悪手を指してしまった」ということで10秒程度検討して片づけてしまった。これがいけなかった。60秒程度しっかり読ませると、ちゃんと「難解」という評価に戻った。


上図から▲41金△同銀▲52金△51歩▲41金△同玉▲22金(第6図)で先手良し、というのが当初のソフトの読みだった。

第6図は▲32銀~▲63飛成の詰めろなので何か受ける一手だが、△31金だと▲63歩成△22金に▲52とと竜を抜いて、これは先手優勢。私は動画内でそう解説して打ち切ってしまった。ところが、△31金のところで△54角(第7図)という絶妙手があって難解だった。これについては心からお詫びしたい。


以下
A:▲63歩成△同角▲53歩には△43銀で難解ながら僅かに後手持ち
B:▲53歩△同銀▲63歩成△16歩!(詰めろ)▲18歩△63竜▲43銀(第8図)


と進み、一見決まったようだが以下△72竜がぎりぎりの受けで
やはり難解(僅かに後手持ち)なようだ。

1分将棋の中、藤井四段がどこまで読み切って△15歩を指したのかは分からない。しかし恐ろしい量の読みが入っていたこと、解説のA級棋士二人だけでなくソフトまで驚かせた手だったことは間違いない。これからは藤井四段の手はたとえ秒読みの最中の手でも「パっと見悪手」と決めつけて短時間で検討を打ち切ってはいけない、と肝に銘じたい。

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藤井四段 VS 竹内四段の 対局棋譜並べ動画はこちら

 

 

 

 

 

 

藤井聡太四段が対局時に食べた食事まとめ(5月26日版、随時更新)

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藤井聡太 デビューからの全記録(随時更新中) は こちら

この記事の動画版は こちら

最近、「長手数の詰将棋とソフトでの将棋研究を頑張れば自分も藤井聡太に近づけるのではないか?」という夢を見ながら楽しく頑張っているが、やはり人間の細胞を形成するものは何と言っても勉強よりもメシだ。藤井聡太に近づきたければ、同じものを食べることだ。
ということで、「藤井メシ」をわかる範囲で全部調べてみました。

12・24:加藤一二三九段
竜王戦6組
昼飯
加藤:特上寿司(千寿司)
藤井:味噌煮込みうどん(みろく庵) 
おやつ:チョコレート、レモンティ

01・26:豊川孝弘  七段
棋王戦予選
豊川:ごまみそうどんとサラダ
藤井:肉ぶっかけそば

○:02・09:浦野真彦  八段:竜王戦6組
浦野:あんかけそば(きざみあげトッピング)
藤井:黒毛和牛カレーうどん 
※両者とも小雀弥

○:03・10:大橋貴洸  四段:新人王戦
大橋:きつねうどん
藤井:カレーうどん

○:03・16:所司和晴  七段:竜王戦6組
所司:たぬきうどん
藤井:つけとろろそば

○:03・23:大橋貴洸  四段:棋王戦予選
大橋:きつねそば
藤井:天盛りそば

○:04・04:小林裕士  七段:王将戦予選
小林:なし
藤井:天丼

○:04・13:星野良生  四段:竜王戦6組
星野:中華弁当
藤井:汁なし坦々麺(からそう・・)

○:04・26:平藤眞吾  七段:棋王戦予選
平藤:なし
藤井:エビフライ&クリームコロッケの盛り合わせ
(サービスランチ)

○:05・01:金井恒太  六段:竜王戦6組準決勝
昼食
金井:うな重・梅(ふじもと)
藤井:カレーライス(ほそ島や)

夕食
金井:ヒレカツ定食・ライト(ふじもと)
備考:金井、夕食を食べられなかった
藤井:若鳥唐揚定食(みろく庵)

○:05・04:横山大樹  アマ:新人王戦
横山アマ:ハイカラうどん
藤井:冷たいぶっかけそば

○:05・12:西川和宏  六段:王将戦1次予選
西川:そば定食 やまがそば
藤井:うどん定食(特製たまごかけご飯) 小雀弥

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○:05・25:近藤誠也  五段:竜王戦6組決勝
昼飯
近藤:冷中華・大(ほそ島や)
藤井:五目やきそば(紫金飯店)

夕食
近藤:つけとろろそば(みろく庵)
藤井:チャーシューメン(ほそ島や)

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棋譜並べのやり方

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以前、初心者~初段 まで強くなる方法と初段~六段まで強くなる方法という記事を書きました。
ブログ記事は こちら 
動画版は こちら です。

が「棋譜並べ」について述べていなかったので追記します。

棋譜並べ:詰将棋、必死問題、次の一手、手筋、定跡等が複雑に絡み合っているので実戦かそれ以上に難しい。早くても二段位から始めればいいと思います。

現代版棋譜並べのやり方

1、自分が好きな棋士や、自分が指したいと思う戦法の棋譜をネットで検索(今はいいサイトいっぱいありますが、昔は棋譜を探すのすら大変でした…)
2、まずは自力で並べる(30~1時間程度かけてじっくりと。ここは昔と一緒です)。で、疑問点や感心した手などをメモしておく。

3、ソフトで解析して、答え合わせ。棋譜並べしていて「これ凄いな」と思った手や、ソフト解析で自分が思いもしなかったような凄い手が見つかった場合はスクリーンショット(できない人はスマホで写真撮りましょう)してフォルダに入れておく
ソフトは、有料版を購入できる余裕があれば
 マイナビ 将棋レボリューション 激指14 
がおすすめです。5月28日現在、7000円台で購入可能です。棋譜並べ以外でも秒読み付でソフトと戦えたり、駒落ちや強さ設定が出来たりしていい感じです。フリーソフトと違って導入や設定で躓くこともありません。
参考記事:エルモと激指14の違い

※昔はソフトなんてなかったので、強い人に恐る恐る聞くしかありませんでした。それでも正しい答えが返ってくるとは限らず…聞いたら何かお礼しなければならず…非常にかったるかったです。今は本当に、本当にいい時代ですね。

4、もう一度何も見ずに自分で並べてみる(変化手順含めて)。「この手はよかったな」「これが疑問手だったんだよな」とか「ここで本当は凄い手があったんだよな」などと思いながら並べられるようになっていればOKでしょう。

1~4をこなせばバッチリでしょう。

昔は棋譜を探すのも面倒だし棋譜を並べても自分じゃよくわからないし強い人に聞くのも面倒だし・・・という感じで、将棋の勉強が嫌で嫌で仕方ありませんでした(笑)
でも、プロになれた人達はそこを才能や将棋に対する愛や根性で乗り越えたわけですから、心から尊敬しています。
今は将棋の勉強が楽しくて仕方ありません。ソフトを持ってあの頃に戻れたらなぁ。

【過去の棋譜並べがしたい方用将棋年鑑リンク】

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将棋強くなる方法 初心者から初段まで 初段から六段まで

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まず初段までは こちら です(おすすめ詰将棋本・次の一手本・必至問題本等の紹介もあります。)
参考記事 お子さんに将棋を教える方法

【強くなりたい場合の、対局における注意点】
「別に強くならなくてもいい、ただ楽しみたい」という方は読み飛ばして頂いてOKです。

・将棋ウォーズの3切れや将棋クエストの2切れはあまりやらないようにしましょう。
5日に1回くらいがいいと思います。やるとしても「悪手指すくらいなら時間切れ上等」くらいの気持ちでやりましょう。私は放送のために仕方なくやっていますが、本当はあまりやりたくないです。
・練習対局は将棋倶楽部24などの1手30秒以上のものが望ましいです。1手10秒だとやはり読みの量が足りないです。また、実戦において時間攻めは有力なやり方ですが、
強くなるための練習対局においてはやめましょう。当然の一手でもその後の展開を出来るだけ深く読んで指しましょう。
  
続いて初段~三段までは
・毎日3~7手詰めを10問は解く(できれば必至問題も)
・毎日次の一手を10問は解く
・得意戦法を決め、定跡を徹底的に覚える(出来れば、覚えることの比較的少ない振り飛車が良いでしょう)
定跡の覚え方に関しては、まずは本を買うのが一番でしょう。その上で、本に載っている変化をソフトで解析しながら間違っている部分は本に直接書き加えていきましょう。
・将棋ソフトと1日1局は対局する(ボナンザ、エルモ、浮かむ瀬、技巧・・何でもOKです。もし有料ソフトを買う余裕があればおすすめは
マイナビ 将棋レボリューション 激指14 です。フリーソフトと比べて難解な導入や設定も無く、秒読み機能や駒落ちや強さ設定、詰将棋や次の一手等が充実しています。7000円台で購入できます。参考記事:エルモと激指14の違い

私は1手30秒で対局しています。主に上に書いた覚えたい定跡の終点くらいまでを並べて、そこから対局します。
対局する際のコツとして
1、しっかり詰まされるまで1局指す(負ける前提ですみません)
2、終わったら評価値が例えばマイナス2000位のところまで戻して、優勢な側を持って対局を再開する。逆転負けしたら再び同じところまで戻す。ハンデが足りないと思ったら、3000や4000のところから再開。逆にハンデが大きすぎると思ったら1000くらいのところから再開。私は800位でやっています。強くなるにつれてこの数値が自然に下がっていきます。
3、少なくとも2~3日に1局は将棋倶楽部24で1手30秒以上の練習将棋を指しましょう。
人間は悪手を指しますので、実戦の短い時間の中で疑問手、悪手をとらえる技術を磨きます。また、自分が悪手を指さないよう気をつけましょう。
指したら、必ずソフトで指し手を解析して相手や自分の疑問手や悪手をチェックしましょう。
私が考える強くなることとは
1、悪手、疑問手の数が減っていくこと
2、序盤の知識が増えていくこと
3、妙手や詰み、必至が見えるようになっていくこと

だと思います。重要度順に並べました。やはり鑑賞する側としては3の派手な妙手や詰み、必至に目がいきがちになってしまいますがレベルが上がれば上がる程、地味な手で差をつけることが重要になってきます。

三段か四段に昇段したあたりで、余裕があれば居飛車の定跡も覚えていくといいかと思います。ソフトで厳密に検討していくと、居飛車対振り飛車は居飛車が良くなる変化が多いからです。一時代を築いてきたプロには居飛車党が非常に多いです。
勿論、藤井九段や久保王将、戸辺七段、中田コーヤン先生など生粋の振り飛車党もまだまだご活躍されていますので、振り飛車でいきたい!という方はそのままで大丈夫でしょう。
まとめると
1、詰将棋、次の一手(必至も)
2、定跡記憶 ソフトによる定跡解析
3、ソフトと対局
4、確認のために人間と対局

という感じです。
   

振り飛車関連定跡本 

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中飛車系おすすめ (以下全て記事の一番下に本のリンクを置いてあります)

三間飛車おすすめ・コーヤン流

三間飛車・石田流おすすめ

四間飛車穴熊おすすめ

ノーマル四間おすすめ

 

 

名人戦第5局出た!佐藤名人の「横歩取り・勇気流」終局まで

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名人戦第5局
先手:佐藤天彦名人
後手:稲葉陽八段
戦型:横歩取り 勇気流


第1図からはプロの前例は主に△85飛と△22銀(本譜)に分岐。△82飛もある。
△85飛なら▲36歩と指し、△25飛なら▲28歩と受ける(第1変化図)

その変化は次の▲84飛や▲37桂があるため、ソフト評価値的には先手がやや指せるようだ。そこで、△25飛 とは指さずに△52玉と上がり、以下はほぼ互角(ソフトはやや先手持ち。+100程度)。
 本譜は△22銀以下先手は素早く右桂を活用し。後手は飛車を深く引いて角交換して飛車を追って迎撃の構えで第2図。激しいことになった。


第2図から▲83歩!△同飛▲84歩△82飛▲35飛△84飛▲75角(第3図)と激しい変化に突入。ここで昼食休憩。注文は両者とも「岡山県産黒毛和牛すき焼き丼」。おいしそうだ。


まだ前例はある。因みにソフトでは▲75角に代えて▲66角を推奨している。飛車がどこに逃げても▲45桂という感じで、確かに面白そうだ。今度深く調べてみたいと思う。
本譜は▲75角に△82飛と引いたが、△24飛の変化もあるようだ。変化の一例としては▲53角成△62金▲75馬△44角(下図)。


以下▲25歩と打って難解。変化はあまりにも多岐に渡るので省略するが、ソフト評価値はほぼ互角を示している。

本譜は△82飛に対して▲45桂が気持ち良い手で、以下第4図へと進展した。


第4図が15時20分現在の局面で、形勢は先手やや良しのようだ。次に▲44飛~▲65角の筋があるが、後手はどう受けるのだろうか。一例としては△55角とかわして、以下▲46銀△64角▲同角△同歩▲77角!という進行が予想されている。
15時のおやつは両者「モンブラン」と佐藤名人が「ピオネジュース」稲葉八段が「ホットコーヒー」

実戦は下図のように進行した。予想手順の▲同角にかえて▲66角だった。


後手はここで△42金右と寄って難解だったが、実戦は△44歩とひねった受けを見せた。対して▲55銀と出て先手優勢になった。
以下、第6図(18時30分現在)と進行した。ここで封じ手かもしれない。


以下、予想される進行は
1、▲24飛△23歩▲83歩成△同飛▲23飛成△同金▲65角(第7図。先手優勢。+1000以上) 
2、▲83歩成(1に合流)


因みに第7図で△32銀なら▲21飛!という鬼手がある。
△同銀なら▲43角成で終了。

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3、▲44飛 
これは先手優勢ながら、まだヤマ場もありそう。

ここで名人が封じ手の意志を示した。1か2なら早い終局が予想される。

封じ手はやはり▲24飛。対して稲葉八段は△22歩(第8図)とひねった受けを見せたが、これも7手1組の爽快な手順があった。


上図から▲83歩成△同飛▲65角△82飛▲22飛成△同金▲43角成!
が痛快な手順。形勢は+1300ほど先手に傾いた。
以下、稲葉八段も必死に反撃して△37歩で第9図。


上図から▲29銀が正確な受け。同銀なら△29飛が少しうるさかった。その後、リードを拡大して第10図。▲44馬と寄って次の▲65桂を見せたが後手の次の手が根性のある手だった。


上図から△74飛が執念の一着。以下▲64金には△同飛▲同角△84飛と横の田楽刺しが決まる。そこから▲55角△同桂▲同馬となれば次の桂打ちを見せて先手優勢ながら若干差が詰まる。ということで佐藤は▲26馬。これも正着。落ち着いた受けが光る。
以下丁寧に差を広げて第11図。次の手もまた渋かった。


上図から▲38銀が好手。37歩は二歩で打てない。
これで後手は万事休す。


上図が終局図になった。1局を通して、鋭い踏み込みで差をつけた後は渋い受けを連発して完勝だった。
これで名人戦は3勝2敗。挑戦者がタイに戻すか、名人が押し切るか。目が離せない。