藤井聡太 VS 竹内雄吾 デビュー18連勝なるか

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第7期加古川青流戦トーナメント戦
戦型:ゴキゲン中飛車 VS 角道不突型左美濃急戦
対局日:2017年5月18日

各道を開けずに右銀を繰り出していく形は「居合抜き超速」と言われていることを最近初めて知った。もちろん形自体は知っていましたが。いいネーミングセンスだと思う。さて第1図。先手のゴキゲン中飛車に対して後手は左美濃+超速といった構え。


第1図での評価値は後手プラス50位で僅かに後手寄り。藤井四段も当然知っていての採用だろう。要するにソフトは第1図で先手の得は既に消えている、と判断している。そんな事言ったら中飛車がそもそもダメってことになるじゃないか…本当に恐ろしい時代になったなぁ…。


進んで第2図。▲65歩~▲57銀と積極的に繰り出していった手に対し、後手は△14歩、△34歩、△44歩で端に角を活用する含みを持たせつつ▲54歩~▲44角の筋を消す無駄のない駒組み。あとは機を見て仕掛ければよい。と思っていたらここで早くも△64歩。良さを求めにいった。以下、▲68飛△62飛から妥協のない攻防で第3A図と進展した。


ここで△57桂成▲同金△73銀打!が恐るべきソフトの推奨手(第3図)。定跡になるかもしれない。


非常に指し辛い手だが、こうなれば後手やや良しだったようだ。以下▲65桂なら△94歩▲73桂成△同銀▲62飛成△同銀。後手の左美濃が固い。私事だが第3図の前後を指定局面にして何局か友人と指してみることになっている。藤井四段のことだから、まさかここまで研究していたのか!?と寒気がしたが本譜は第3A図から△63飛。なんだかちょっとホッとした(笑)ただ、形勢はここで先手に少し傾いたようだ。以下△13角▲69飛△14歩に▲68角とぶつけて先手好調。後手は角打ちのキズが多く交換しづらい。やむない△22角に▲67金が力強かった。(第4図)


放置すれば▲56金~▲59角~▲65銀と取られてしまう。竹内四段の実力、才能が発揮された金の使い方で藤井四段の18連勝に黄信号が灯ったか。第4図から△54歩▲同歩△45歩と勝負手を放つが・・・

第5図と進んで、はっきり先手がリードした格好になった。以下△52歩なら歩切れを突いて▲85桂!が絶妙手(かなり指しづらそうな手だが・・・)で先手プラス600点といったところ。。86角の活用が厳しい。本譜は△55歩と頑張って次の△54金を見せたがやはり▲85桂!が絶妙手※本譜は▲65桂(というか10年に1度くらいの絶妙手順と言われてもおかしくないレベルですね(笑))以下、次の▲86角が厳しいので△33角と上がり▲86角に△22玉と逃がすが、そこで▲73桂成!△同銀▲55銀!というスペクタクルな手順(第6図)があった。


△57桂打なら▲同金△55角に▲67金がピッタリ。放置すれば▲66歩から桂を取って完封ペース。ただ、85桂とソッポに跳ねて桂をタダ捨てするような絶妙手順を一体人類の誰が指せるというんだ・・とあまりのソフトの凄さに呆れてしまった。

ということで本譜に戻りたい。▲65桂 も自然な活用で、全然悪い手には見えない。▲85桂が人間が指したら「10年に一度級のミラクルな手」というだけだ。ここで先手のリードは無くなり局面は全くの五分に戻った。冷静に考えて、▲85桂はイレギュラーな手なので竹内四段がチャンスを逃したというよりは藤井四段の勝負術が功を奏したと捉えるべきだと思う。そこから互角に推移していって第7図。△66歩で後手リードしたかに見えるが、ここで先手も魅せる。


上図から▲77角が華麗な返し技。対して△65桂と打ったが、そこで▲63歩成!△77桂▲53桂!なら先手の攻めが1手早く有利だったようだ。ただ、早指しでそんな数時間考えて思いつくかどうかという手を指すのは酷というもの。むしろ追いつかれて焦りそうなところで粘り強く指していった竹内四段の強さをほめたたえるべきだと思った。局面は進んで第8図。厳しい角打ちだがここでまた竹内が根性を見せる。

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第8図から▲65飛!が好手。以下△46歩に▲66飛△同飛成▲44金!△同金▲53角△42飛▲44角成~▲53角△42飛▲54桂と華々しい攻防が続く。形勢はなんと、これだけやってもまだ互角。すばらしい熱戦になった。そして第9図。先手にビッグチャンスが訪れていたが・・・


第9図は端をついたところだが、藤井四段の力を考えると信じられないミス。ここで▲41金△同銀▲52金△51歩▲41金△同玉▲22金(詰めろ)△31金▲63歩成△22金▲52とと龍を抜けば先手がはっきり優勢だった。本譜はそれを逃し、再逆転。先手の攻めが徐々に切れ模様になっていき、第10図。
※5月19日追記)△31金 では △54角!という受けの妙手があって互角でした。検討不足をお詫び致します。ソフトで30秒程度考えさせてようやく出てきた手でした。藤井四段には見えていたのでしょうか…。


ここで△42歩ではっきりした。32成香では届かないので▲52と△43銀▲51ととしたが、△55角と遊び角が急所に働いてきてどうしようもない。以下、第10図までと進んで竹内投了。

そして藤井のデビュー以来公式戦18連勝が決まった。
本局に関しては早指しいうこともあり、いつもの正確無比な指し回しではなく二転三転の末の怪勝という形だった。ただ、竹内四段の剛腕が一方的な勝利を許さなかったという点は大きいと思う。
見応え満載の素晴らしい将棋だった。

この将棋の棋譜並べ動画は こちら

 

 

 

第75期名人戦 佐藤天彦名人 VS 稲葉陽八段 第4局

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昨日の記事は こちら (2日目お昼まで)

さて、上の記事から△84桂に▲99玉とアナグマに囲いつつ△75歩▲同歩△76歩を避け、△34歩と打たれた局面。ここで角をどこにひくかな?と思ってみていたらなんと・・・


何と上図で▲44角!これにはびっくりした。ソフトで検討すると「最善手」と出るので二度びっくり。信じられないが△同銀▲同歩となった形が次の▲75歩~▲54角を狙っていたり先手玉がとても固かったりするのでそうなのか・・・と無理矢理自分を納得させた。といっても、駒得が大きく若干後手有利。先手としても、若干不利を承知の勝負手だったのだろう。

進んで第2図。名人が△76桂▲同銀△49角と思い切った攻めに出たところ。ここで先手に勝負手があったようだ。


本譜は▲48飛△76角成▲77銀△54馬と自然な進行だが名人の馬が手厚く、後手のリードが広がった格好になった。ここは▲58飛!と回る勝負手があったようだ。以下一例としては△57歩▲同金△69銀となって怖すぎる格好だが、そこで▲67銀打と頑張り、△58角成▲同金△78銀成▲同銀△79金▲87銀引△29飛▲88銀打・・・と永遠に受け続ける展開になる。こうなれば評価値はほぼ互角。先手もまだ十分戦えたようだ。ただ、とても恐ろしくて選び辛い順だと思う。本譜に戻って第4図。挑戦者が48の飛を▲47飛と移動し△59銀の筋を消しつつ飛を横に使う面白い手を指したところだが、名人の次の一手が素晴らしかった。


上図から△33桂。これが格調高い手だった。意味は次に△56銀~△45桂とさばくということ。本譜もこれが実現し、最終的には21の桂が57まで出世することになった。とても感動させられた手だった。続いて第5図。挑戦者の鋭い勝負手が飛んだところだったが、ここで名人が手厚い一着を放つ。

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上図から放置すると▲75歩△同歩▲83角のような筋が気になるが、
△84銀と埋めたのが好手。これで先手から思わしい手が無い。△33桂と言い、△84銀といい、名人が落ち着いた手でリードを広げていく。そして着実にリードを広げて第6図。名人が決めに出る。


ここから△同馬▲同銀△67銀!が鮮やかな寄り身。清算して△87銀と打てばほぼ必至だ。△67銀に▲87銀打と根性の受けを見せたが、いくばくもなく名人が寄せ切った。
これで名人戦は2勝2敗のタイ。ここからの「三番勝負」でどちらが勝つのか、目が離せない。

棋譜並べ動画は こちら

 

第75期名人戦第4局 佐藤天彦名人 VS 稲葉陽八段 2日目お昼まで

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本日から名人戦第4局の2日目が始まった。
さて、下の封じ手図では△59角と打って後手良し(+600程度)
と 昨日のブログ  で書いた。


△59角に▲58金と角を殺す手は以下、△77角成▲同金△86歩▲同歩△85歩で後手優勢。だが、上図からは△36歩という有力な手が見え見えなだけに△59角は盲点に入りやすい手だったのかもしれない。人間はソフトと違って一瞬でその局面にある全ての手を候補に挙げて比較するなどということは出来ないので、一度盲点に入ってしまえば再びその手が候補に挙がることは少ない。結果として最善を逃すことだってたくさんある。だが、だからこそ人間同士で指す将棋は未だに沢山のファンがいるのだと思う。人間同士がお互いの名誉やプライドや大金をかけて悩んだり、苦しんだりしながら一手一手ひねりだしていく姿にこそ人々が求めるものがあるのだろう。
ということで本譜は上図から△36歩▲同飛△38角と進行した。


第2図ではI、▲34歩△27角成▲35飛△42銀▲44歩△53銀▲45銀という進行も有力(後手やや良し、+200程度)だったが、稲葉八段の選択は▲28歩!あくまで飛車のタテ利きを通したまま戦おうという強い意志の感じられる手だ。名人も読んでいなかったのではないだろうか。対しては△43金と抑え込む手も有力だった。以下▲25桂なら△56角成▲33桂成△同金▲56歩△47銀ではっきり後手良し。代えて▲35角と出るのがふわっとした好手で以下△34歩▲26角△55歩▲同銀△47角成▲56飛(第3図)は後手やや良しながら先手の駒もめいっぱい働いていい勝負か。

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本譜は▲28歩に△35歩▲同角△55歩と名人が攻め合いに出て第4図。ここで先手に鋭い手が出て形勢の針は互角に戻った。


第4図から▲25桂!が好手。△同歩▲38飛△56歩▲同歩△84桂と進んで第5図。12時05分現在の局面だ。形勢は全くの互角(後手+50)

この後は▲44歩△34歩▲17角△15歩という進展が予想されており、火の出るような攻め合いになりそうだ。また夜にまとめを書いていきたい。

後手ゴキ中対超速、銀対抗しない形。44角型と22角型 その②44角型の進行

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前回記事では△44角型でなく△22角型を調べた。記事は こちら 

今回は▲34銀に△44角と上がる形を見ていきたい。以下、飛車先を交換して△22歩と謝って第1図。凹まされて苦しいようだが、非常に反発力の強い形だ。


この形の参考棋譜
藤井聡太ー斎藤慎太郎 藤井聡太炎の七番勝負第3局

藤井ー斎藤戦ではここから▲28飛と引いた。一見当然のように見えるが、
第1図では以下の4通りがあり、実はどれも有力。
A、▲23歩
B、▲25飛
C、▲27飛
D、▲28飛
ゴキ中をやる側からみると「え、4つ全部おぼえないとダメなの?」とゲンナリさせられる(笑)。残念ながら覚えていないと一発でやられる変化ばかりだ。ただ、深く追求しだすとキリがないのでAから順ににざっと見ていきたい。
Aの▲23歩に対しては1、△33銀と2、△同歩!▲同銀成△31金に分かれる。

1、△33銀以下は▲22歩成△同銀(△24銀▲32と△56歩は▲44角△同歩▲43銀成で若干先手良し)▲96歩△94歩▲48金!△71角▲28飛△26歩▲37金!(第2図)が進行の一例。後手の狙い筋△26歩を金でむしり取りにいって、elmoはやや居飛車持ち。個人的には薄いので居飛車を持ってやりたくない(笑)


2、△同歩▲同銀成△31金も何かの時に応用できそうな面白い手筋。
以下▲22歩△33銀▲同成銀△同角▲28飛△22角▲23飛成で竜は作られるが△56歩と捌く(第3図)


評価値はほぼ互角。Aの▲23歩は有力ながらあまりやる人は居なさそうだ。

ということで、Bの▲25飛車に移る。意味は2筋の歩が切れたときに後手から△26歩で飛車を封じこめられないの意。見ればなるほどと思うが私の自力ではとても発見できそうにない手でちょっと感動した。以下、進行の一例は△51飛▲96歩△94歩▲79金!△33銀▲45銀△71角▲35歩(第4図)


第4図以下は△44銀▲同銀△同角▲26飛△35角▲36飛△34歩▲59金右が一例で、そうなればやや先手持ち。ただ△51飛では△31銀!▲23歩△同歩▲同銀成△33桂!(第5図)というような進行もあるようで


以下はおとなしく▲28飛と引いて△26歩なら▲32成銀~▲35金を狙うか、▲24飛と抑え込まれないように頑張るか。難解ながらソフト評価値は何れも先手若干良し。Aの▲23歩よりはBの▲25歩の方が個人的には好み。

続いてC、▲27飛を見ていきたい。意味は将来の△55角が両取りにならないようにということ。対して後手には△31銀、△51飛、△33桂など様々な有力手があるが一例として△31銀▲79金△71角▲77角!△56歩▲46歩!(第6図)

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△56歩のさばきを飛車の横利きで受けるというまさかの展開だが、変な形ながら先手陣はしっかりしており、以下一例として△57歩成▲同銀△54飛▲45銀△74飛▲56銀引。これは指せば指すほど先手陣が引き締まっていくような感じで、人間にも優しい将棋(笑)だ。27飛型は2筋の歩が切れると△26歩が一発で飛車取りになるので、2筋には触らずこういう感じで指すのが良さそうだ。

最後にD,▲28飛を見ていきたい。藤井聡太四段も指した手で、トリッキーな上の3つの候補手に比べてやはり本命といえる。因みにソフトは▲27飛と▲28飛でかなり迷っていたのでどちらも有力なのだろう。
対して後手は 一、△56歩と軽くさばく手(先手有利になる)
二、△51飛(本筋) 三、△31銀などがあるがまずは 一から見ていきたい。

一、△56歩以下▲44角△同歩(△57歩成は▲77角)▲56歩に△64角は▲18飛△31金(▲65角をあらかじめ受ける)▲57銀△33桂▲46歩(第7図)
これは先手やや良し。以下△45歩に▲77角と据え、△32金に▲45歩で次の▲44歩を狙っていく。後手も△23金▲同銀△同歩▲55金に△同飛▲同歩△45桂と暴れてくるが、▲46銀△56歩▲45銀△57歩成に▲27飛(第8図)と受ける。
第8図は評価値でいうと先手+300なものの人間同士でやると先手が受け間違えて負ける可能性も十分ありそう。ただし、現代ではここからelmo同士で何度も指させて最終盤あたりまで暗記するという裏技があるため恐らくこの図は後手の選択肢から消えていくのだろう。

ということで二、△51飛を見ていきたい。以下は▲24歩と垂らすのがソフトの推奨手で+200程度(先手やや良し)。以下、進行の一例は△94歩▲37桂△95歩▲77角△14歩▲79金△15歩▲23歩成△同歩▲同銀不成△33金▲45桂(第9図)


こうなればはっきり先手良し。14歩~15歩はばからしい手待ちだが、△94歩にかえて△56歩と突いても▲44角△同歩▲56歩で取れば▲65角があって先手良し。
本筋と書いた△51飛がなぜか先手良しになってしまい戸惑っているが、上に調べた結果からざっくりと結論を述べると
第1図ではDの▲28飛が最有力で、ソフト(elmo)の評価値は先手やや良し。

となった。「やや良し」となった局面から最新ソフト同士で指させて徹底的に研究し、「ここからなら勝てそう」というところまで暗記しておけば理論上はどんな人間相手にも勝てそうだがどうか。流石に無理か(笑)

それでは今回はこの辺で。御覧いただいてありがとうございました!またいろいろな戦法を研究して記事にしていきたい。

前回記事では△44角型でなく△22角型を調べた。記事は こちら 

 

後手ゴキ中対超速、銀対抗しない形。44角型と22角型 その①22角型の進行

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さて、前回記事では超速の銀対抗の形は居飛車がいいらしく消え始めていることを述べた。 前回記事は こちら
サラっと書いたがソフトが進歩する前だったらあと30年は指せたであろう形で、本当に恐ろしいことが起こっているなあと思う。
今回は超速の銀対抗しない形について調べていきたい。プロ間でも主流はこちらに移っているようだ。

初手からの指し手

▲76歩△34歩▲26歩△54歩▲25歩△52飛▲48銀△55歩▲68玉△33角
▲36歩△42銀▲37銀△62玉▲46銀△72玉▲78玉△82玉▲68銀△72銀
▲45銀(▲77銀から一歩交換させる指し方も有力か)△32金▲34銀(第1図)


第1図からの後手の指し手は2通りで、I、△44角とⅡ、△22角。
因みに藤井ー永瀬戦が22角で、藤井ー斎藤戦が44角だった。

参考棋譜

藤井聡太ー永瀬拓矢 藤井聡太炎の七番勝負第2局
藤井聡太ー斎藤慎太郎 藤井聡太炎の七番勝負第3局

Ⅱの△22角以下は
▲24歩△同歩▲同飛△54飛(第2図)が一般的。

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プロの実戦例はここから▲35歩△33歩▲23銀成△24飛▲同成銀△27飛▲25飛△同飛成▲同成銀△27飛▲26飛△47飛成▲59金左(第3図)
因みに▲35歩では▲28歩! ソフトの推奨手でそちらの実戦例もあったような気がする。意味は予め△28飛の打ち込みを消すというシンプルなもの。後手は△31銀と受ける手がほぼ必然で、以下一例は▲77銀△56歩▲同歩△27歩!▲35歩。評価値はやや居飛車良し。


さて第3図。ここからは△56歩がほぼ絶対手のようで、▲同歩に△45竜と竜を活用する。以下▲55歩と進んだのが藤井ー永瀬戦の進行。因みに▲55歩ではソフトは▲37桂!△65竜▲77桂!(第4図)という進行を推奨している。

ここから△74竜では▲24成銀で問題なく先手優勢になってしまうので
△76竜の一手。そこで▲24成銀と突っ込む。以下は進行の一例としては△75竜に▲25飛と際どく受け、後手は△34歩!と華麗にさばきにかかる。以下▲23成銀△77角成▲同角△31金▲89玉(第5図)


最後の▲89玉が凄い手で、△85桂を防ぎつつ69金~78金の余地も見せている。ここまでくるとやや先手良しか。

△22角型の進行は大体こんな感じになる。ソフトやVS相手との実戦でたくさん指して経験値を高めてまたブログや実況動画などで披露していきたい。
超速に限ったことではないがelmo同士で対戦させるなどして徹底的に突き詰めていったら、割とあっさり結論が出てしまいそうで怖い(というかもう出てるかも)・・・そんなこんなで、次回は△44角型を調べていきたい。

次回記事:△44角型は こちら 

 

2017年5月現在、プロ間で流行している戦型と廃れた戦法

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2017年5月現在、プロ間で流行している戦法

・角換わり48金、29飛型と62金、81飛型の対抗形。
NHK杯の千田ー藤井戦でもあったが、後手が△44歩を突かないと▲45銀と仕掛けて若干先手良しか。
参考棋譜並べ
第67回NHK杯トーナメント 千田ー藤井戦

また、角換わり48金ー29飛型(62金ー81飛型)に対して後手が△52金(先手なら▲58金)と上がる形はソフトの評価値によれば48金(62金)と上がった側が少し良くなるので消え始めているようだ。
参考棋譜並べ
藤井聡太ー増田康宏 藤井聡太炎の七番勝負第1局

因みに、2016年の終わり頃からずっと話題になっていたこの上図▲25歩△33銀にいきなり▲45桂!と跳ねる手法は
藤井聡太ー羽生善治三冠(藤井聡太炎の七番勝負最終局)

で、先手良しがはっきりと証明されてしまった(元々ソフトはずっと先手+500位を示していた)。藤井四段があの羽生三冠にあの大舞台で▲45桂定跡で完勝してしまったことはアマプロ問わず強烈な印象として残っただろう。もう上図がプロの実戦で現れることは無いのかもしれない。

・矢倉、急戦左美濃
5手目▲66歩を絶滅させてしまうかも知れない恐ろしい戦法。
ソフトの評価値では後手が良くなる変化が殆ど。

参考棋譜並べ
金井ー藤井戦 竜王戦6組

そこで最近では5手目▲77銀と上がる形が復活してきている。ただ、元々これは後手の急戦に対応し辛いと言われて切り捨てられた形。後手の作戦にどこまで対応できるのか、今後が注目される。

・先手超速 VS 後手ゴキゲン中飛車

これはゴキ中側に、I、銀対抗と Ⅱ、銀対抗せずに早めに美濃に囲う
という2パターンがあり、Iの銀対抗はちょっとゴキゲン中飛車側が苦しそう、Ⅱの早めに囲うパターンはいい勝負という感じになっている。
参考棋譜並べ、I、銀対抗、後手穴熊に対して先手が速攻した棋譜
三段リーグ 藤井聡太ー西山朋佳

定跡講座(動画)
銀対抗、後手早めに△64歩で銀を追い返そうとするパターン
銀対抗、後手普通に美濃囲いに囲うパターン

参考棋譜並べ、Ⅱ、銀対抗せずに早めに美濃に囲う
藤井聡太ー永瀬拓矢 藤井聡太炎の七番勝負第2局
藤井聡太ー斎藤慎太郎 藤井聡太炎の七番勝負第3局

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・先手早石田
根強い人気。久保王将が筆頭となって盛り上げている印象。
どんどん棋譜並べもやっていきたい。

定跡講座(動画)
先手早石田徹底対策(5部作)
・端桂戦法対策
・石田流77角対策
・4手目14歩の世界
・石田流本組対策
・超急戦▲78飛ー△45角 の進展

・先手中飛車
こちらも根強い人気。対郷田流△52金右はソフトの評価値で見る限り若干先手良しのようだ。そこで・・・

・先手中飛車、後手超速
後手超速は斎藤慎太郎七段や糸谷八段の見解では当初「無理気味」とされていたがその後ソフトを用いた研究が進み、現在は「後手かなりやれる」という感じになっている。

参考棋譜並べ:西川和宏ー藤井聡太

とまあ、色々な参考棋譜を紹介していったが殆どが藤井聡太四段絡みになってしまったことに関してはとても反省している。藤井四段に限らず、毎日プロの棋譜並べをやってUPしていきたいと思う。

 

 

 

 

もし自分だけが将棋ソフトを使える世界があったら

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もし15年前に戻って、自分だけが将棋ソフトを使える世界があったとしたら
私はプロになれただろうか・・・
とたまに妄想してしまう。私の中での答えはYESだ。将棋ソフトを用いて毎日猛勉強すれば誰にどんな戦法をやられても互角以上に戦えるようにすることは理論上可能だと思っている(ものすごく時間はかかりますけどね・・・)。ましてや当時は誰もソフトを使った研究をしていなかった時代なので、おそらくはアッサリ優位を築けるだろう。問題はそこから勝ち切れるかどうかだが、これも毎日ソフトと対局していれば嫌でも中盤、終盤は強くなっていくので大丈夫だろう(ストレスはたまりますが(笑))。
当時指せば「歴史的妙手」と称えられるようなレベルの手が当たり前のようにポンポン繰り出されるので、自分だけがそれを日々吸収して強くなれる。少なくとも当時の奨励会レベルの対戦相手ではついてこれない領域まで容易に辿り着けたのではないか。そんなこんなで、プロになるところまでは可能だったと思う。
プロにはなれそうだ。じゃあタイトルは獲得できたか?七冠王にはなれたか?
という問いに関してはYESとはとても言い難い。全盛期の谷川先生の光速流の攻め、羽生先生の圧巻の勝負術(ソフトでの研究が主流になった今でも未だに三冠を堅持)、森内先生の正確無比の鉄板流の受け、渡辺先生(15年前じゃないですが)の竜王戦での鬼のような防衛力…
あのレベルと渡り合うのはいくらソフトで鍛えてもちょっと厳しいかなーと思ってしまう。
まあ、そんな妄想をしても始まらないので今日も私は仕事の合間にせっせと将棋ソフトで序盤の研究をし、一日一局はソフトと対局してボコボコにされるという生活を送っている。ちょっとは強くなれただろうか?今度大会に出て試してみたい。尤も今では他のアマ強豪もソフトをがんがん研究に使っていらっしゃるので、相対的にみんな強くなっちゃって代表にすらなれなかったよ、という残酷な結末が待っているような気がしないでもないが・・・(笑)

 

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カンタン!?「藤井聡太」の作り方レシピ

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藤井聡太四段は現在デビュー17連勝、炎の七番勝負でも棋聖戦に挑戦が決まった斎藤七段をはじめとする若手強豪達やタイトル戦経験豊富な現役A級の深浦九段、名人経験者の佐藤康光九段、果ては羽生善治三冠王まで倒してしまいました。既にこの14歳の時点で棋界トップクラスの実力を持っていると言い切って過言ではないでしょう。しかも未だに進化の余地を大いに残している。恐らくは将棋界に名を残す存在になっていくことでしょう。

さて、そんな藤井聡太四段を超える逸材は今後将棋界に出てくるのか。
私が思う答えは「YES」です。今回は「藤井聡太」の作り方レシピをご紹介していこうと思う。※私にはなれません(笑)

【カンタン!?藤井聡太の作り方】

一、まず将棋が大好きな小学生以下のお子さんを用意します(情熱があれば中学生以上でも可)

二、初段までは愛情を持ってマンツーマンで指導します。その際、将棋が嫌いにならないように褒めまくりましょう。負けても将棋が嫌いにならないように上手く指導しましょう。初段まで行く方法は下のリンクをご参考にして下さい。

初心者が最短で初段になるための方法

三、初段になったら将棋ソフトの使い方を教えましょう。PCのスペックはcorei7、7700k以上がいいでしょう(PCショップに入って、「この店にある一番性能のいいPCを下さい。金に糸目はつけません」といえば大丈夫です)。PCを購入したら、最強のソフト(現在ならelmo)を導入しましょう。「将棋倶楽部24」も将棋ソフトと一緒に始めて、一日3局位指すようにしましょう。

四、定跡書をたくさん買ってあげましょう。戦法は現状、振り飛車がソフトに苦戦を強いられていることを考えると居飛車党が有利だと思いますので
・向かい飛車対策本
・三間飛車対策本
・四間飛車対策本
・中飛車対策本
・横歩取り対策本
・角換わり対策本
・矢倉対策本
等々、居飛車党が相対すると思われるありとあらゆる戦法の本を買ってあげましょう。それをソフトで検討し、本に載っている手でおかしいところがあればすかさず正解手順を本に書き込みましょう。
多分そうした要領で50冊分くらいの知識を蓄えれば十分プロと渡り合えるようになると思います。あ、私には無理です(笑)

五、定跡を頭に叩き込んだら、次は詰将棋です。先に詰将棋でもいいかもしれません。とりあえずは「技巧」が解けるようになるまで訓練させましょう。毎日訓練していけばきっと解けるようになるでしょう。大丈夫、一番難しくてもほんの100手詰くらいです。変化手順合わせて300手分くらい読めるようになれば簡単に解けるようになります。 ※私は30手程度の詰将棋でも辛いです(笑)

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六、四~五の途中あたりで、将棋倶楽部24で五~八段レベルに達すると思います。そうしたら、奨励会を受験させてあげましょう。もし四~五がすべて完了していれば、他の受験生が可哀想になるくらいあっさり受かると思います(笑)

七、あとは自動的にプロになりますので暖かく見守りましょう。思春期の多感な時期に入るので、将棋に飽きたり嫌いになったりしないよう、家族全員で上手くバックアップしましょう。

八、三段リーグ卒業と同時に伝説が始まります。当然、ご家族もマスコミからのインタビュー攻勢にさらされたりTV出演に追われることが予想されます。予め受け答えの練習をしておくといいでしょう。上手くいけばあなたも人気者に・・・?

こんな感じです。如何でしたでしょうか?
小学生以下で将棋が好きなお子さんをお持ちの方は、明日から早速トライしてみましょう。

※本記事は何の根拠もないすべて筆者の妄想による記事です。決して参考にしないようにお願いします(笑)。「初心者が最短で初段になる方法」だけは私が実際にやった本物のやり方です。

 

 

 

デビュー17連勝なるか?藤井聡太四段 VS 西川和宏六段

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第67期王将戦一次予選
持ち時間各3時間
戦型:先手中飛車 VS  後手超速
先手:西川和宏六段
後手:藤井聡太四段

棋譜並べ動画は こちら 

第1図。角道も開けずにいきなり△75歩と開戦するのが後手超速のキモ。
元々はソフトの発案で、有力さに気づいたプロがこぞって採用するようになった。第1図では▲同歩、▲67銀ともに有力だが本譜は▲同歩。


仮に第1図▲67銀なら△64銀で、そこで更に1、▲75歩と2、▲65歩に分岐。この辺は変化も多いところで、動画の中で解説しているが1、▲75歩なら△同銀▲68角△86歩▲46角の要領でさばく。2、▲65歩なら△76歩▲同銀△75歩▲64歩△76歩▲95角△64歩▲73銀という要領で戦う。何れもソフト評価値は若干居飛車良し。
本譜は第1図から▲同歩△64銀▲65歩(同銀なら▲67銀)△75銀▲54歩△同歩▲同飛と進展して▲55角を狙っていった。これもソフトの評価値は恐ろしいことにわずかではあるが居飛車側に触れている。
進んで第2図。


西川六段の指し手に大きなミスがあったようには到底思えないが、第2図の△87歩の局面でソフト評価値は+300程度で大きく後手に振れた。以下は▲64歩△88歩成▲77銀成△同銀▲同桂に△45銀打と飛車角両取りがかかり、見た目にも後手ペースがはっきりしてきた。
そして第3図で▲63歩成に対して恰好いい手が出る。


上図で△47銀成!が流石の手だった。▲同玉は△74角でと金を抜かれて厳しいと見た西川六段は▲28玉と鬼辛抱だが、流石に角損ではまずそうだ。
それでも進んで第4図となってみると、先手陣は好形で駒損とはいえ攻めがつながりそうだが、またしても後手に好手があった。


上図から△同金が正確な応手。この手以外では飛車の横利きが止まっておりまぎれるところだった。以下▲同金△同飛となって非常にスッキリした形になったうえ、遊んでいた飛車が活用できた。以下、右辺からと金ににじりよられながらも先手が必死に粘って第5図。▲63角が次の▲41角成~▲23飛成と▲52とを見せてうるさそうだが。

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第5図で△31金がまたまた正確な手。以下▲54金△58と寄▲55金△49とで
はっきり後手の勝ちが見えてきた。そして第6図。華麗な詰みがある。


第6図から△88飛成▲58歩に△38金!!と打ち込んだところで先手の投了となった。以下、一、▲同銀なら△39銀▲同玉△48金▲28玉△38金▲18玉に△28金と押し売りして、▲同玉に△58竜で▲38銀(角)なら△39銀だし▲38金なら取って△47と以下簡単に詰む。二、▲同玉なら△47と▲28玉△39銀▲同玉△38金以下詰み。
圧倒的な内容で、これでデビュー以来公式戦17連勝となった。次の相手は澤田六段と強敵だが、ここであっさり勝つようなら王将リーグ入りも十分見えてくる。

棋譜並べ動画は こちら 

藤井聡太関連記事は こちらから 

 

将棋の結論が出るXデーはいつか

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最近、定跡の研究をしていて思うことがある。
「性能の良いPCと強い将棋ソフトがあれば、将棋に結論を出すことは可能なのではないか」と。現に今、プロの一線級で戦っている人たちの棋譜を見てほしい。明らかにソフトで研究しているであろう棋譜ばかりだ。
 一昨日(5月10日)、昨日と「後手ゴキゲン中飛車が消える?その1~3」という記事と動画をアップさせて頂いたが、早くも5000再生、高評価が3桁超えと反響が大きかった(ありがとうございます)。藤井聡太四段も後手ゴキ中に対してはほぼ全て超速で対抗しており、勝率も高い。

後手ゴキゲン中飛車が消える?その1
後手ゴキゲン中飛車が消える?その2

後手ゴキゲン中飛車が消える?その3

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元々これは自分の使う戦法の序盤の研究が一通り終わったら、満を持してアマ大会に出ようと思って始めた研究だった。個人的に後手番で指したい戦法No1だったゴキ中だったが、最新版の超速が非常に有力でいくら研究しても後手が互角に戦える変化すら出てこない。困ったな…と思い、動画やブログでUPして「そうじゃないよ、〇〇が有力で後手も戦えるんだよ」というコメントを密かに待っていた。実際に幾つかそうしたご意見も頂戴した。本当にありがとうございます。具体的に言うと、「後手は△72玉~△62銀型の早囲いで戦う順が有力で一時期永瀬六段がたくさん指していましたよ」や「5筋の位を取らない指し方で有力なものもありますよ」等。一つ一つ調査し、また動画やブログでまとめさせていただきたい。
炎の七番勝負であった藤井聡太ー永瀬拓矢戦や藤井聡太ー斎藤慎太郎戦の
進行も現在まとめ中で1~2週間位でまとめてまた記事を書きたい。
 さて、そうは言っても既に超速VSゴキ中でゴキ中側が銀対抗で美濃囲いにする順と穴熊にする順、プロ間で何百局も指されてきた形が何れも「居飛車やや良し」という恐ろしい研究結果がelmo+ハイスペックPCでやった結果出てしまった。もちろんこれが100パーセント正しいとは言わないし思っていない。しかし10年前ならトッププロ達が何十局、何百局指してやっと結論に辿り着くレベルの変化もソフトなら数秒でかなりの部分まで解析してしまうことは事実だ。既にノーマル四間飛車をはじめ絶滅しかかっている戦法も多い。この調子で行くと、個人的には5年以内には主要な戦法がすべて解析されてしまうのではないかと思っている。そうなったら、羽生さんがインタビュアーに「将棋の変化がすべて解析されたらどうしますか?」と聞かれて、「桂馬が後ろに飛べるようにとか、ルールを少し変えればいいんですよ」と(冗談めかしてかもしれないが)答えた世界が現実になるのかもしれない。