藤井聡太 炎の七番勝負第7局 VS 羽生善治三冠戦

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今回は藤井聡太 炎の七番勝負 第七局 ラスボス 羽生善治三冠戦
を見ていきたい。
私はこの戦いを、初代七冠王 対 二代目七冠王候補最有力者 
の戦いとしてずっと注目していた。

戦型は淡々とノーマル角換わりに進んでいったが第1図。藤井四段が決意の仕掛けを放った。「桂の高跳び歩のえじき」ということでひと昔前にやったら怒られそうな手だが、ソフト将棋界隈では有名な手でプロの実戦例も既に何局か出ている。ソフト評価値はなんと先手プラス500といったところ。


第1図から本譜は△22銀だが△42銀なら▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲34飛△44歩▲同飛△43銀の飛車捕獲に▲同飛成△同金右▲71角△52飛車▲44銀!(第2図)が一例でここまでくれば先手必勝。

なお、△44銀は▲24歩から飛先を交換して問題なく先手良し。

ということで△22銀と引いて以下、▲24歩△同歩▲同飛△42角▲34飛△23銀▲35飛(▲32飛成も実戦例があるが無理筋)△44歩に▲71角(第3図)と進む。
ここで△83飛(愚形だがのちの▲66銀~▲77桂~▲85飛に△84歩の含みを持たせた手)と△84飛と△72飛に分岐するが・・・

、羽生三冠の選択は△72飛。▲85飛の筋があるので怖い手だ。以下、▲53桂成△同金▲同角成△同角▲85飛△82歩▲25飛(第4図)と進展した。角桂と金の交換で先手が大きな駒損だが、3歩得と後手の歩切れが先手の主張点。さて、次の▲43金をどう受けるかが後手の喫緊の課題だが。


羽生三冠の選択は△43角。攻防に利く味のよい一着だ。以下▲29飛に△33金と上がって2~3筋方面手厚くした。藤井四段も駒損ながら落ち着いて陣形を整備しながら待機して第5図。この▲35金と持ち駒を投資したのが素晴らしい一着。

以下、△75歩と歩を手にいれようと動くが▲24歩が先に入った。△12銀とへこませてから▲56銀~▲66銀と繰り出し、先手絶好調の流れとなった。羽生三冠も歩頭飛車という珍しい形から反撃して第6図。次の△87桂成が受け辛そうだがうまい手があった。


第6図から▲86歩が好手。△同飛なら▲88歩と受けて受かっている。△87歩が二歩で打てないのだ。以下も藤井四段は正確な指し手を続けていく。ソフトで解析してもほとんど悪手が見当たらない。読みの質、量ともに既にトッププロの領域にあることが客観的に示されている。そして第7図。羽生三冠、必死の反撃だが先手に決め手級の手順があった。

第7図から▲23歩成△同銀▲43銀△22玉▲31角!!!△12玉に▲24歩 
で第8図。24歩も何気ないようで大事な手。単に飛を切るのに比べて後手の銀の位置を悪くさせている。


第8図以下、△28銀不成▲23歩成△同玉▲34銀△24玉▲22角成 で第9図。
勝負あった・・・と思えるような局面だが、ここから歴史を作り続けてきた男の猛反撃が始まる。


第9図から△69金!▲同玉△39飛▲49歩△47角!!▲79玉△69金▲88玉△36飛成 で第10図。形作りすらできなさそうな局面から、詰めろ逃れの詰めろをかけてしまった。先手が次の一手を正しく指せなければ、そのまま後手の大逆転勝ちになるところだが果たして・・・

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第10図から
▲25金! が鮮やかな返し技。この手が無ければ後手の勝ちになるところだった。以下△同竜に▲47金が「詰めろ逃れの詰めろ逃れの詰めろ(ややこしいですね)」という返し技になった。以下△86飛に▲87歩で第11図。


ここで羽生三冠はしばし考えた後、静かに投了を告げた。

これで藤井聡太炎の七番勝負は

1回戦:増田康宏四段戦:〇 
2回戦:永瀬拓矢六段戦:●
3回戦:斎藤慎太郎六段:〇 
4回戦:中村太地六段:〇
5回戦:深浦康市九段:〇
6回戦:佐藤康光九段:〇
7回戦:羽生善治三冠:〇

と、藤井四段がタイトル争いができるレベルの若手プロ~元・現役のタイトルホルダーを相手に6勝1敗という圧倒的な戦績で終了した。

このまま複数冠に向けて突っ走ってしまいそうな藤井四段だが、あえて弱点を挙げるとすれば「振り飛車対策」か。2回戦の永瀬戦も永瀬六段のゴキゲン中飛車に敗北を喫していたし、師子王戦の決勝では羽生三冠の先手藤井システムに敗れている。久保王将や藤井猛九段のような振り飛車のスペシャリスト相手にどれだけ戦えるかも今後注目される。

なお、動画で棋譜並べしたものはこちらになります。
45桂跳ね定跡の部分などできるだけ細かく解説していますので、よかったら見てください。

動画で見る 羽生善治 vs 藤井聡太 炎の七番勝負第七局

 

 

 

 

 

 

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