20連勝なるか?藤井聡太四段 VS 澤田真吾六段

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大型連勝中ということもあり、タイトル戦以上に注目されるこの将棋は千日手を挟んで第4図の局面になった。千日手局はまた後で並べていきたい。


第4図から▲45歩△同歩▲同銀と先手が仕掛ける。▲同銀では▲同桂と桂損覚悟で踏み込む手や、▲35歩を絡める手など色々あったところ。
対して△44歩だと作戦負けになる後手は△86歩▲同歩(▲同銀△65歩▲57角という展開もあった)△85歩▲同歩△95歩と強く反撃して第5図。


上図以下は▲同歩に
1、単に△85桂で変化を許さず一本道へ
2、△75歩を入れて攻め味を広げる
に分岐して、ソフトは何れも「ほぼ互角ながら後手がややリード」という見解。
澤田六段としても、後手番で攻勢をとれているのでここまでは上手くやったという感じか。後手は2の△75歩を選択。本筋の一着だ。藤井四段は形勢はともかくしばらく辛抱が続きそうだ。

 66手目(△75歩)まで残り時間
藤井聡太:2時間40分
澤田真吾:1時間18分

局面は△75歩▲同歩から△65歩と後手がもう一回リズミカルな突きを入れて第6図。後手好調の流れに見えたが、ここで天才が信じられない手を放つ。


上図から▲76角!が凄まじい手。実はエルモの検討で第一候補に挙がった手だったが、まさか指さないだろうと思っていた。恐らくは▲86銀か▲76銀(それでも後手ペースながらいい勝負)と進行していくのだろうと。
実際、棋士室の誰もが予想しておらず、更にこの手を見た澤田六段が残り時間が少ないにも関わらず長考に入ったところを見ると、完全に意表を突かれたのではないだろうか。恐ろしい、恐ろしすぎる。藤井聡太。
▲76角に対しては△85桂▲86銀△47歩▲58金△38角というこれまた人間が選ばなそうな手順で「ほぼ互角」とエルモは示していたが、少なくとも実戦でこの順をじっくり読み、「ほぼ互角」になるという結論に辿り着くのは至難の業だと思う。実戦は▲76角に△52金▲86銀△66歩(第7図)と進んだが

角筋が通ったため▲68歩と受けておけば先手十分なようだ。
と思っていたら実戦は▲77桂。更に手厚くした手だが、これは果たしてどうなるのか。後手の選択肢としては
1、△44歩でいったん銀を追い払う
2、△67角とカチ込んでいく
といったところ。ソフト評価値はほぼ互角に戻った。

実戦は△44歩▲56銀△35歩▲同歩△85桂▲同桂(ソフトによると▲同角△36歩▲45桂△同歩▲87玉!という変態的手順も有力だったようだが流石にほとんどの人は指さないだろう)△36歩(第8図)と澤田の猛攻が始まった。次に桂を取って△64桂があるがおしゃれな受けがあった。

ここで▲45桂!△同歩▲64歩としたのが洒落た手順。45に捨てることによってのちの▲45銀を可能にしている。ここで澤田は△72桂(第9図)と打つ手に本局の命運を託した。先手の指し手はほぼ2択。1、▲63歩成か2、▲65銀か。


1、の▲63歩成は以下A、△同金なら▲43角成△同金▲52銀で変化はあるものの先手やや良しか。B、△84桂▲65角△63金も▲34桂と攻めあって、これも先手がいけそうな感じだ。

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2、の▲65銀には△46角!と打つのが好手で、次の△37歩成と△55角~△67歩成の筋を見せてこれは後手がやや指せるようだ。
藤井四段の選択やいかに。18時24分。
持ち時間
藤井聡太:2時間10分
澤田真吾:0時間08分
 
藤井四段、ここから果敢に▲63歩成。対して1のAの変化になっていくわけだが、▲52銀打に澤田六段渾身の勝負手が襲い掛かる。それが第10図。


この△76角が藤井四段の思考回路を狂わせたか。まだたっぷり時間が残っていたが、▲77金と指した手が致命傷になりかねない悪手で、△87歩▲同金(▲78玉なら△67角打▲同銀△同歩成▲同金△88歩成▲68玉△87角成で後手良し。第11H図)


△67角打!(第11図)が渾身の逆転打。一気に後手が優勢を掴み取った。第10図では▲68桂と受けておけば、以下△62金と引くくらいしかなく、▲76桂△52金に▲74角!が好打(△63銀なら取って52銀だし42金なら▲63角成)で先手が良かった。▲77金は△87歩と打たれる厳しさを見落としたのだろうか。藤井四段らしからぬミスだったが、△76角と打った澤田六段がそれだけ凄かったということだろう。

本譜は以下▲67銀△87角成▲同玉△67歩成と一気に後手が優勢~勝勢の局面を築いていく。第12図までとなって鮮やかな一手があった。

上図から△67銀!が決め手級の一着。流石に万事休したと思われたが
藤井四段も▲同角から▲33成銀△同玉▲34銀△44玉▲22角と劣勢ながらも鋭く迫る。そして第13図。とうとう後手が逃げ切ったかに見えたが。


上図から▲76桂!が魔手。澤田六段も頭が真っ白になったことだろう。△75玉と逃げれば勝ちだった(澤田六段は▲77角成△同と▲66銀△同玉▲67銀△75玉・・・と追われて詰まされると思ったとのこと。実際はそんなことはなかった。藤井四段の終盤力や▲76桂の魔力、1分将棋という状況が澤田六段を狂わせたのかもしれない・・・)
本譜は△同金▲67歩(第14図)となって、

上図で△85飛ならまだ後手が良かった(▲65銀~▲66金で76の金を取りつつ馬を作ることは出来るが、駒が足りない)ようだが、△46角と攻防風に打った手が致命的な悪手となってしまった。▲57銀と受けられ、△85飛には▲46銀△同歩▲65銀!△同玉▲66金で先手が勝つ。以下、第15図となって先手はっきり優勢だが、澤田六段が最後の勝負手を放つ。


上図から△78銀!が最後の勝負手。以下▲同玉△67桂成▲同銀△87飛成と大迫力の追い込みだが、▲79玉△67金(第16図)で藤井が決め手を放つ。


上図から▲55角成△75玉▲65金△85玉に▲77桂!(△同金なら▲96銀△同竜▲77馬)△76玉に▲75金!△同玉▲65馬から竜を抜いて先手勝勢に。
以下、第18図となって華麗な即詰みがあった。


上図から▲81飛△83桂▲85歩△73玉に▲74歩までで後手投了。
以下は△同玉なら▲56角で詰みだし、△同金も▲82角△62玉▲63歩△同玉▲61飛成~▲52銀で詰む。
澤田六段にしては非常に珍しい大逆転劇だったが、上に書いた藤井四段の「魔力」がそうさせた可能性は高い。
ともあれこれで20連勝。何とかあと9つ勝って、連勝数歴代1位を獲得してほしい。今後は毎回のようにタイトルホルダーやタイトル戦の常連組レベルと当たるようになるため、29連勝は今回が最初で最後のチャンスになるだろう。

 

 

“20連勝なるか?藤井聡太四段 VS 澤田真吾六段” への1件の返信

  1. 手に汗握るとはこのこと。藤井プロは本当に強そうだ。他の対局でもそうだけど、プロ高段者が気づかない手をあっさり指す。天才だろう。このまま竜王挑戦者、いや、竜王まで上り詰めて欲しい。15歳の竜王!!!

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