藤井聡太四段、伝説の△15歩についてお詫び

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第1図は藤井聡太四段の公式戦デビュー18連勝目、
加古川清流戦の竹内雄悟四段戦の終盤。1分将棋にも関わらず、ここから「藤井マジック」ともいうべき手順が炸裂した。


金で取るか銀で取るかだがソフトはどちらかと言うと△同銀を支持。以下
I、▲54歩には△22玉と早逃げして難解ながらやや後手良し、
Ⅱ、▲44角成の詰めろ竜取りには△22角と切り返し、以下▲66馬△同角▲63歩成(第2図)に面白い手がある。


図から△84角打が好打。次の△58金等の攻めを狙う。ただし先手も▲57歩が「大駒は近づけて受けよ」の好手で局面は難解。
この変化も十分考えられたところだが、藤井四段は第1図から△同金を選んだ。(第3図)


これも角を44に成らせない意味で有力な手。先手は空いた後手玉の脇腹に向かって▲61飛と打ち込み、後手はがっちり△41金打。そこで角を逃げても仕方ないので▲42角成と切り△同銀に▲52金打と食らいついて第4図。ここが一番のハイライトだった。


上図からは△51歩が自然で、大盤解説の屋敷九段と深浦九段も基本的にその線で解説を進めていた。が、なんと藤井四段はここで△15歩!(第5図)これには解説の二人の先生もかなり驚いていた。別所で井上九段も「勢いがあるけど危険だなあ」と否定的なニュアンス。ソフト評価値も瞬間的に先手に大きく振れた。私自身1分将棋ということもあり、「藤井四段が珍しく終盤で悪手を指してしまった」ということで10秒程度検討して片づけてしまった。これがいけなかった。60秒程度しっかり読ませると、ちゃんと「難解」という評価に戻った。


上図から▲41金△同銀▲52金△51歩▲41金△同玉▲22金(第6図)で先手良し、というのが当初のソフトの読みだった。

第6図は▲32銀~▲63飛成の詰めろなので何か受ける一手だが、△31金だと▲63歩成△22金に▲52とと竜を抜いて、これは先手優勢。私は動画内でそう解説して打ち切ってしまった。ところが、△31金のところで△54角(第7図)という絶妙手があって難解だった。これについては心からお詫びしたい。


以下
A:▲63歩成△同角▲53歩には△43銀で難解ながら僅かに後手持ち
B:▲53歩△同銀▲63歩成△16歩!(詰めろ)▲18歩△63竜▲43銀(第8図)


と進み、一見決まったようだが以下△72竜がぎりぎりの受けで
やはり難解(僅かに後手持ち)なようだ。

1分将棋の中、藤井四段がどこまで読み切って△15歩を指したのかは分からない。しかし恐ろしい量の読みが入っていたこと、解説のA級棋士二人だけでなくソフトまで驚かせた手だったことは間違いない。これからは藤井四段の手はたとえ秒読みの最中の手でも「パっと見悪手」と決めつけて短時間で検討を打ち切ってはいけない、と肝に銘じたい。

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藤井四段 VS 竹内四段の 対局棋譜並べ動画はこちら

 

 

 

 

 

 

“藤井聡太四段、伝説の△15歩についてお詫び” への1件の返信

  1. 僕の中では、自玉の安全さえわかれば、15歩がそこまで優先させたい手だというのが意外でした。
    確実で早いんですね。

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