19連勝なるか!?藤井聡太 VS近藤誠也五段  竜王戦6組決勝

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藤井聡太 デビューからの全記録(随時更新中) は こちら

対局日:2017年05月25日
竜王戦6組決勝(勝った方が本戦出場)
先手:近藤誠也五段
後手:藤井聡太四段
 
第1図。近藤五段が先手で相掛かり棒銀の恰好になった。
 
個人的には後手を持って結構イヤな戦法だなあ、と認識している。
先手の攻撃力が高く、受けの力が要求される上に
先手陣は▲66歩~▲58金~▲69玉~79玉と結構固くなる。
そして第2図。


 やはり先手は角道を止めた。攻守に優れた形だ。
さてどう対抗するのかな、と思って見ていると・・・
第3図。凄い手が出た。


藤井四段、△24歩!初心者が指したら「ダメだよ、ダメ」と言われて
23に戻されてしまいそうな一着だ。▲25歩と合わせたらどうするのか。
ここで近藤五段が長考に沈み、昼食休憩に入った。
プロ間では知られている一着なのかな?と思ったが、「独特だなぁ」という声が中継室から上がったようなので少しほっとした。藤井四段が先を行き過ぎているだけのようだ。第3図から▲25歩と合わせた局面は、ソフト解析によれば恐ろしいことに後手が+200くらいでリード。以下進行の一例は
△同歩▲同銀△75歩▲24銀△44角▲23歩△31銀▲46歩△33桂(第3変化図)


以下▲75歩なら△86歩▲同歩△同飛▲87歩に△76飛と滑り込んで後手良し。
75の歩が受け辛い。
かといって第3図から▲25歩と行けないようでは△23銀と銀冠を作られてしまう。それは後手がやや作戦勝ちになりそうだ。
まだまだ難しい局面だが、序盤はまず一歩藤井四段が先行したようだ。

実戦は第3図から▲25歩△同歩▲同銀△75歩に▲同銀と取り、△35歩▲46歩(第4図)と進行したが、ここで後手に決め手級の手があった。
 
 
第4図から△14歩なら技ありだった。▲16銀なら△26歩!と垂らし、▲同飛なら△15歩▲27銀(25銀は24歩で銀が詰む)△28歩で後手良し。放置すれば△15歩で銀が死ぬ。▲24歩は△23歩▲同歩成△同銀に▲24歩から清算するしか無いが、飛車交換になれば陣形の差で後手優勢。△14歩なら評価値は+600を超えており、はっきり優勢と言ってよいだろう。
実戦は第4図から△24歩▲16銀△23銀と穏やかに銀冠を完成させた。
これでも
・銀冠が固い
・後手から攻めのバリエーションが豊富で歩損がクローズアップされない
・先手の銀が僻地で使いづらい。
等の理由から、ソフト評価値は+300オーバーで後手良し。
局面は進んで第5図。銀冠に入っていくかと思いきやここで藤井、仕掛ける。
 
上図から△65歩▲同歩△36歩!と突っかけていよいよ本格開戦。
36歩は深い読みの入った手で将来の46飛~36飛等を見せている。
また、何かの折に46に角が出たときに飛車取りになるメリットもある。
以下近藤五段も粘るが藤井四段が快調にリードを広げて第6図。


ここで▲18飛が執念を見せた手。近藤五段の気持ちが入っている。
以下△34飛に▲56角と反撃開始で第7図。先手にも希望が出てきたかと思われた
が、後手の返し技が素晴らしかった。

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第7図から△36歩▲同歩△同飛▲37歩△56飛▲同銀△54角!
(第8図)

上図からは飛車を逃げるしかなさそうだが、そこで△45桂が気持ちのいい活用だ。藤井四段が19連勝&竜王戦本戦進出に近づいてきている。
実戦は上図から▲36歩△45桂とやはり二枚桂が炸裂して藤井四段がはっきり優勢になった。


以下、先手陣の89の桂をもぎ取って更に桂を足していく。
これには羽生三冠、豊島八段を負かしたこともある強豪の近藤五段も
粘りが利かない。▲69桂も△77歩成で、同桂に△57桂右成で崩壊だ。
以下両者ペースアップしながら淡々と指し手が進み、第10図。△45角に先手の指し手がパタリと止まった。


そして、近藤が頭を下げた。竜王戦のトーナメント入りも決まった。このまま竜王を獲得しても何ら不思議ではない。以下▲56桂と打っても△66歩が急所。
▲68金に△77歩で崩壊だ。△36角の筋まである。
これで19連勝。現時点で既に歴代6位の大記録だ。
デビューからの連勝記録ということでは当然ぶっちぎりの歴代1位である。
恐らく、今後はタイトル争いに常に絡み続けることになるので相手がきつくなりあまり大型連勝は狙えなくなってくると思う。28連勝更新は今回が最初で最後のチャンスだろう。是非とも更新してほしい。

 

 

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