藤井聡太 VS 竹内雄吾 デビュー18連勝なるか

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第7期加古川青流戦トーナメント戦
戦型:ゴキゲン中飛車 VS 角道不突型左美濃急戦
対局日:2017年5月18日

各道を開けずに右銀を繰り出していく形は「居合抜き超速」と言われていることを最近初めて知った。もちろん形自体は知っていましたが。いいネーミングセンスだと思う。さて第1図。先手のゴキゲン中飛車に対して後手は左美濃+超速といった構え。


第1図での評価値は後手プラス50位で僅かに後手寄り。藤井四段も当然知っていての採用だろう。要するにソフトは第1図で先手の得は既に消えている、と判断している。そんな事言ったら中飛車がそもそもダメってことになるじゃないか…本当に恐ろしい時代になったなぁ…。


進んで第2図。▲65歩~▲57銀と積極的に繰り出していった手に対し、後手は△14歩、△34歩、△44歩で端に角を活用する含みを持たせつつ▲54歩~▲44角の筋を消す無駄のない駒組み。あとは機を見て仕掛ければよい。と思っていたらここで早くも△64歩。良さを求めにいった。以下、▲68飛△62飛から妥協のない攻防で第3A図と進展した。


ここで△57桂成▲同金△73銀打!が恐るべきソフトの推奨手(第3図)。定跡になるかもしれない。


非常に指し辛い手だが、こうなれば後手やや良しだったようだ。以下▲65桂なら△94歩▲73桂成△同銀▲62飛成△同銀。後手の左美濃が固い。私事だが第3図の前後を指定局面にして何局か友人と指してみることになっている。藤井四段のことだから、まさかここまで研究していたのか!?と寒気がしたが本譜は第3A図から△63飛。なんだかちょっとホッとした(笑)ただ、形勢はここで先手に少し傾いたようだ。以下△13角▲69飛△14歩に▲68角とぶつけて先手好調。後手は角打ちのキズが多く交換しづらい。やむない△22角に▲67金が力強かった。(第4図)


放置すれば▲56金~▲59角~▲65銀と取られてしまう。竹内四段の実力、才能が発揮された金の使い方で藤井四段の18連勝に黄信号が灯ったか。第4図から△54歩▲同歩△45歩と勝負手を放つが・・・

第5図と進んで、はっきり先手がリードした格好になった。以下△52歩なら歩切れを突いて▲85桂!が絶妙手(かなり指しづらそうな手だが・・・)で先手プラス600点といったところ。。86角の活用が厳しい。本譜は△55歩と頑張って次の△54金を見せたがやはり▲85桂!が絶妙手※本譜は▲65桂(というか10年に1度くらいの絶妙手順と言われてもおかしくないレベルですね(笑))以下、次の▲86角が厳しいので△33角と上がり▲86角に△22玉と逃がすが、そこで▲73桂成!△同銀▲55銀!というスペクタクルな手順(第6図)があった。


△57桂打なら▲同金△55角に▲67金がピッタリ。放置すれば▲66歩から桂を取って完封ペース。ただ、85桂とソッポに跳ねて桂をタダ捨てするような絶妙手順を一体人類の誰が指せるというんだ・・とあまりのソフトの凄さに呆れてしまった。

ということで本譜に戻りたい。▲65桂 も自然な活用で、全然悪い手には見えない。▲85桂が人間が指したら「10年に一度級のミラクルな手」というだけだ。ここで先手のリードは無くなり局面は全くの五分に戻った。冷静に考えて、▲85桂はイレギュラーな手なので竹内四段がチャンスを逃したというよりは藤井四段の勝負術が功を奏したと捉えるべきだと思う。そこから互角に推移していって第7図。△66歩で後手リードしたかに見えるが、ここで先手も魅せる。


上図から▲77角が華麗な返し技。対して△65桂と打ったが、そこで▲63歩成!△77桂▲53桂!なら先手の攻めが1手早く有利だったようだ。ただ、早指しでそんな数時間考えて思いつくかどうかという手を指すのは酷というもの。むしろ追いつかれて焦りそうなところで粘り強く指していった竹内四段の強さをほめたたえるべきだと思った。局面は進んで第8図。厳しい角打ちだがここでまた竹内が根性を見せる。

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第8図から▲65飛!が好手。以下△46歩に▲66飛△同飛成▲44金!△同金▲53角△42飛▲44角成~▲53角△42飛▲54桂と華々しい攻防が続く。形勢はなんと、これだけやってもまだ互角。すばらしい熱戦になった。そして第9図。先手にビッグチャンスが訪れていたが・・・


第9図は端をついたところだが、藤井四段の力を考えると信じられないミス。ここで▲41金△同銀▲52金△51歩▲41金△同玉▲22金(詰めろ)△31金▲63歩成△22金▲52とと龍を抜けば先手がはっきり優勢だった。本譜はそれを逃し、再逆転。先手の攻めが徐々に切れ模様になっていき、第10図。
※5月19日追記)△31金 では △54角!という受けの妙手があって互角でした。検討不足をお詫び致します。ソフトで30秒程度考えさせてようやく出てきた手でした。藤井四段には見えていたのでしょうか…。


ここで△42歩ではっきりした。32成香では届かないので▲52と△43銀▲51ととしたが、△55角と遊び角が急所に働いてきてどうしようもない。以下、第10図までと進んで竹内投了。

そして藤井のデビュー以来公式戦18連勝が決まった。
本局に関しては早指しいうこともあり、いつもの正確無比な指し回しではなく二転三転の末の怪勝という形だった。ただ、竹内四段の剛腕が一方的な勝利を許さなかったという点は大きいと思う。
見応え満載の素晴らしい将棋だった。

この将棋の棋譜並べ動画は こちら

 

 

 

先手中飛車対策・後手超速2

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第7図は初手から▲76歩△84歩▲56歩△62銀▲68銀△42玉▲55歩△73銀▲66歩△75歩と進行した局面。75歩で△64銀は▲65歩△同銀▲67銀で、ソフト的にはいい勝負なようだがあまりやる気がしない。


ここからソフトの実戦例は▲67銀△32玉▲75歩△64銀▲76銀△72飛▲48玉△86歩▲同角△34歩 と進んだ。(第8図) ▲67銀では▲同歩もあり、後程調べたい。


第8図まで進むと居飛車も面白そうだ。
続いて第7図から▲同歩だが、△64銀▲67銀△32玉・・・と進むと上の変化に合流する。この変化は個人的には今後主力で使う予定なので、ソフトやプロ、私の実戦棋譜を今後とも随時追記していきたい。

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