藤井聡太 VS 金井恒太 デビュー15連勝なるか

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今回は、藤井聡太四段 VS 金井恒太六段の
竜王戦6組準決勝の模様をお伝えしたい。
戦型は後手左美濃急戦 vs 先手矢倉で第1図のようになった。一見とても自然な進行だが、実はソフト評価値は後手+200と既に差のついた局面で、最近は先手がこの局面を避ける傾向にある。


第1図から先手は玉を深く囲いつつ桂を活用、後手は金を繰り出していって第2図、△75歩まで。先手玉はいかにも愚形だがどこかで▲68銀左が頻出手筋で、角筋も通って反撃に適した形となる。ただしこの場合は△64金が非常に手厚い形で攻めが厳しく、後手がリードを奪っている。


実戦は第2図から▲同歩△同金▲76歩に△86歩▲同歩△66歩と猛攻開始。▲同銀右△同金▲同銀の第3図で教科書通りの厳しい攻めがあった。


第3図から薄くなった8筋めがけて△86歩~△85歩~△86歩の継ぎ歩から垂れ歩が急所(第4図)。瞬く間に後手が微差を優勢に持って行った。


第4図から▲97角!と金井六段も勝負手を見せる。以下△81飛に▲77桂!(第5図)と飛を追撃し、薄い53の地点を睨んで反撃に転じようとするが…。実はここで決め手があった。


実戦は△81飛と逃げたが、実は第5図で△65銀!が凄い手で決まっていた。対して
1、▲85桂なら△66銀だし
2、▲同銀なら△同桂▲85桂△77歩▲88金△78銀で後手勝勢。
ただ、もちろん81飛も悪手という類の手でないので局面は依然後手優勢。△81飛以下は▲85歩で次の86角に期待したが△65歩が好手。▲57銀△85桂▲86角には構わず△77桂成があるのでやむなく▲75銀としたが▲53角成が消えてしまった。以下、後手がじりじりと差を広げて第6図。得意の詰将棋のような派手な決め手ばかりではなく、大きな悪手を指さずにゴールへ向かっていく「地味な好手」を積み重ねられるのも藤井聡太四段の大きな特徴の一つ。とにかく間違えない。そして第6図で好手がある。


上手から△64角!が好手だった。桂取りと△97歩成▲同歩△85飛▲同歩△97角成の筋がいっぺんには受からない。金井も▲46桂と「一石二鳥」の手で返すが、凄い手順があった。(第7図)


第7図から単に△85飛!が強手。▲34桂ならいったん△33銀で桂取りが残ってどうしようもなくなるので▲同銀だが、△97歩成▲同歩△同香成▲79玉△46角▲同歩△87桂と、桂を払って自陣を安全にしながら猛攻を続けた。以下▲同金寄△同と▲同金(第8図)にまた目の覚めるような手が飛ぶ。

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第8図から△86桂!!が凄い手。代えて△86歩だと▲26桂の反撃があり、以下△87歩成なら▲22角△42玉に▲62飛と打たれて後手玉がとん死する筋がある。▲26桂に△68銀▲89玉を決めてから△42桂が正確な受けで厳密には後手勝ちだが、二代目七冠王候補としては先手に反撃の一手を与えることすら気に入らなかったと見える。

第8図以下は、▲88玉に△78金から精算して△38飛まで、金井六段の投了となった。以下は▲77玉△37飛成▲86玉に△95銀~△87竜でどうしようもない。

寒気のするような強さで、とうとう6組優勝、本戦進出まであと1勝と迫った。このまま挑戦者に駆け上がり、タイトルを獲得したとしても私は全く驚かない。既に竜王を獲得するのに十分な棋力は備わっているはずだ。