藤井聡太四段の29連勝と将棋界の憂慮

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6月26日、藤井聡太四段が竜王戦決勝トーナメントの1回戦で増田康宏四段に勝利。難攻不落と思われた神谷八段の連勝記録を30年ぶりに更新して歴代単独1位となる29連勝を飾った。日本列島が「藤井フィーバー」に包まれた。私も大いに喜び、はしゃいだ。
 だが、一つどうしても見過ごせないことがある。増田四段も対戦前の意気込みとして言っていたが
・藤井四段が勝ちすぎている現状がある
・(上記のように勝ちすぎると)将棋界がぬるい世界だと思われてしまう
という点だ。藤井四段は千田六段、澤田六段等の実力レーティング10番台の棋士からの勝利も含む公式戦29連勝だけでなく、非公式戦とは言え羽生三冠や斎藤慎太郎七段等の実力レーティング10番以内の棋士からも勝利を掴み取っている。それも完勝と言っていい内容だった。藤井四段に対しての称賛コメントの中で、
「これからはトップ棋士達との対戦も増えるが彼らの技術を吸収して更なる実力を身につけてほしい」
といったものもいくつかあったが、彼らから吸収すべき要素というのはもう殆ど無いのかもしれない。正直な話ソフトで間に合ってしまっているのかもしれない。でなければ、現時点であんな勝ち方ができる訳がない。
藤井四段の才能は将棋の歴史の中でも1,2位を争うレベルであることは疑いようがない。しかし、だからと言って14歳の時点でこんなに勝てるものだろうか。この結果はまるで、他の先輩方の積み重ねてきたことがが全否定されているようなものではないか。増田四段の言いたかったことは恐らくそうしたことだろう。今後、『突出した才能を持った者がソフトを使って効率よく研究すれば、あっさり将棋界のトップに立ててしまう』
という方程式が確立してしまうような気がしてならない。恐らくは才能のある小学生達は藤井四段の辿った
・詰将棋をひたすら解きまくる
・ソフトを活用して研究しまくる
という道を全力で真似してくるだろう。藤井四段ですらソフトを活用し始めたのは三段リーグの途中からと言うから、これを小学生の時点からひたすらやり込んだらどういうことが起こるか。最早想像に難くないだろう。私もyoutubeで将棋実況をし始めた半年ほど前から主にソフトを使った研究、ソフト相手の実戦を毎日やったら昔将棋をやっていた時より強くなってしまい、レーティングが跳ね上がった。たった半年でだ。もう何年も将棋をやっておらず(詰将棋だけは詰パラでやっていたが)、ブランクがあったのにも関わらずそれをあっという間に取り返し、あっさりと追い抜いてしまった。嬉しくなる半面、本当に今までやってきたものは何だったのだろうと虚しい気持ちになる。全然レベルは違うが、プロ棋士の先生方の中にも藤井四段の活躍に似たものを感じている人がいるのではないかと想像している。
私のやっている序、中、終盤の鍛え方は
1、よく出てくる定跡形や指したい形からソフトと1分将棋(時間が無いときは20~30秒)で1局指す
2、当然負けるので、マイナス1000位劣勢になった局面からひっくり返して再度指す
をひたすら繰り返すというシンプルなものだ。そして、感心した構想や次の一手があれば画像をキャプチャして保存し、いつでも見返せるようにしておく。本当にたったこれだけのことだ。ソフトさえあれば人間との練習対局などいらない。指すのは本番の大会だけで十分だ。私はそう確信している。と言っても結果を出さないと「ハイ、ハイ」で済まされてしまうので、何とかアマ大会で結果を出せるように頑張りたいと思う。
ただ、残念ながら私はもういい大人だ。脳が衰えているので吸収率も小学生とは比較にならないし、すでに「残念な将棋脳」「不要な先入観」といったものも沁みついてしまっている。生きている限りはチャレンジし続けたいが、伸びしろは限られているだろう。もしこれを読んでいる学生の方がいたら、将棋に限らず努力できる時間は限られているので毎日を後悔しないように過ごして下さいーとありふれたセリフをプレゼントしたい。

 

 

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藤井聡太 デビューからの全勝敗表0627 (+わかる範囲で今後の予定)

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【公式戦】

○:12・24:加藤一二三九段:竜王戦6組

○:01・26:豊川孝弘  七段:棋王戦予選

○:02・09:浦野真彦  八段:竜王戦6組

○:02・23:浦野真彦  八段:NHK杯予選

○:02・23:北浜健介  八段:NHK杯予選

○:02・23:竹内雄悟  四段:NHK杯予選

○:03・01:有森浩三  七段:王将戦予選

○:03・10:大橋貴洸  四段:新人王戦

○:03・16:所司和晴  七段:竜王戦6組

○:03・23:大橋貴洸  四段:棋王戦予選

ーーーーーーここまでで10連勝ーーーーーーーーーー

○:04・04:小林裕士  七段:王将戦予選

○:04・13:星野良生  四段:竜王戦6組

○:04・17:千田翔太  六段(10番台):NHK杯1回戦

○:04・26:平藤眞吾  七段:棋王戦予選

○:05・01:金井恒太  六段:竜王戦6組準決勝

○:05・04:横山大樹  アマ:新人王戦

○:05・12:西川和宏  六段:王将戦1次予選

○:05・18:竹内雄悟  四段:加古川清流戦

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○:05・25:近藤誠也  五段:竜王戦6組決勝

○:06・02:澤田真吾  六段(10番台):第43期棋王戦予選決勝

ーーーーーーここまでで20連勝ーーーーーーーーーー
 
06・07:上洲YAMADAチャレンジ杯(トーナメント)
○1回戦 :都成竜馬 四段(50番台)
○2回戦 :阪口 悟 五段(90番台)
○3回戦 :宮本広志 五段(50番台)

06・10: 第3期叡王戦 段位別予選
○1回戦:梶浦宏孝四段(60番台)
○2回戦:都成竜馬四段(50番台)
  
○06・15:瀬川晶司五段(70番台) :C級2組1回戦

○06・17:藤岡アマ(??) :第11回朝日杯将棋オープン戦一次予選

○06・21:澤田真吾 六段(10番台) :王将戦一次予選
 
○0626:増田康宏四段(20番台) :竜王戦 決勝T1回戦 

ーーーここまでで29連勝(歴代単独1位記録を30年ぶりに更新)ーーーーーー

次の対局 カッコ内は記事作成時のおおよその実力レーティング
0702:佐々木勇気五段(10番台) :竜王戦 決勝T1回戦 
0706:C2順位戦 中田功七段(90番台)

 その他直近の対局日未定戦
NHK杯2回戦 森内俊之九段(40番台)
棋聖戦一次予選 西川慶二七段(100番台)
棋聖戦一次予選 阪口悟 五段(90番台)
 新人王戦4回戦 佐々木大地四段(50番台)

【非公式戦】

○:03・23:先崎学    九段:獅子王戦準決勝

●:03・23:羽生善治  三冠(10番以内) :獅子王戦決勝

○:03・13:増田康宏  四段(20番台) :藤井聡太炎の七番勝負 第1局

●:03・19:永瀬拓矢  六段(10番以内) :藤井聡太炎の七番勝負 第2局

○:03・26:斎藤慎太郎七段(10番以内) :藤井聡太炎の七番勝負 第3局

○:04・02:中村太地   六段(20番台) :藤井聡太炎の七番勝負 第4局

○:04・09:深浦康市  九段(10番台):藤井聡太炎の七番勝負 第5局

○:04・16:佐藤康光   九段(10番台):藤井聡太炎の七番勝負 第6局

○:04・23:羽生善治  三冠(10番以内):藤井聡太炎の七番勝負 第7局

●:05・07:豊島将之 八段(10番以内):第24回将棋まつり席上対局

デビュー29連勝なるか!? 藤井聡太四段 VS 増田康宏四段 10代対決!

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藤井四段の非公式戦・公式戦の全対局成績は こちら

第30期竜王戦決勝トーナメント
対局日:2017年06月26日
先手:藤井聡太四段
後手:増田康宏四段

【20時半~22時】
各所で報道されたのでご存じの方も多いと思うが、藤井聡太四段が見事に勝ち切って連勝記録の歴代単独1位となる29連勝を達成した。ここまで神谷八段と並んで歴代1位タイだったが、30年ぶりに記録を更新した。歴史的瞬間に立ち会えてとても幸せに思う。途中、角2枚と桂2枚だけで攻めつけるという滅多に見れない光景も見れて非常に面白い将棋だった。序盤は増田四段の雁木作戦が見事にハマり、藤井四段がピンチの局面もあったと思う。1局を通して引きしまった名局なので是非日本将棋連盟モバイルなどで観戦して欲しいと思う。基本有料、月額500円ですがこの1局だけは無料で見れます。
私の作った本局のハイライト動画は こちら

 
【19時半~20時半】
藤井四段が突如、角2枚、桂2枚を乱舞させる猛攻を開始。正確に受ければやや無理筋だったようだが増田四段が誤り、一気に藤井四段が勝勢に。前人未到の29連勝が大きく近づいてきた。この後、事件が起こらなければ歴史の変わる瞬間を目の当たりに出来そうだ。
 
【夕食休憩~19時半】
夕食
藤井四段:わんたんめん(紫金飯店)
増田四段:ヒレカツ定食ライト+肝吸い(ふじもと)

藤井四段は昼の豚キムチうどんに続く麺類、増田四段は昼に続いてカツとなった。
カツを食べることによって勝つというゲンをカツいだか。
局面は、増田四段はっきりリードという所から藤井四段が守りの桂馬を2段跳ねする気迫の勝負手を見せ、それに増田四段がやや対応を誤ったか後手のリードが吹き飛んだ模様。エルモ評価値は完全に互角に戻った。29連勝を応援する者としては嬉しいが、増田四段は終盤力にも定評がある。まだまだ胃の痛くなるような戦いは続きそうだ。
 
  【15時~18時】
増田四段が巧みな反撃から飛角交換に持ち込んだ。飛車を持てば藤井陣のスカスカの右辺に打ち込む手が非常に厳しい。はっきり増田四段のリードと言ってよさそうだ。elmoの評価値は+400程度。ただ、終盤が藤井聡太タイム。今までも400程度の差を跳ね返して勝ったところを5回は見たことがある。プロデビュー以降、藤井四段相手に400程度の微差からそのまま押し切れたのは非公式戦ながら羽生三冠、豊島八段、永瀬六段の3名のみ。増田四段もそこに加われるか。
この局面からどちらが勝つか賭けろと言われたら、私は正直増田四段に賭けたい。もちろん藤井四段を心底応援してはいるものの、増田四段クラスの実力者がここから簡単に逆転を許してくれるとも思えない。

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【昼食~15時】
藤井四段が「スキ有り」と見て果敢に攻め立てたものの、
15時13分現在の局面は増田四段の反撃が的確で棒銀が立ち往生しそうなため微差ながらやや後手良しか。評価値は後手+150といったところ。とはいっても後手玉は居玉、先手玉は次に一手で囲いに入れる形ということで実戦的にはほぼ差が無いといっていいのかもしれない。とはいえ、現状は飛角交換が濃厚で、飛車を手に入れられそうな後手に不満は無いだろう。

 

先手:藤井聡太
後手:増田康宏
【昼食】
藤井聡太四段:豚キムチうどん(みろく庵)
増田康宏四段:ミニとんかつ丼(みろく庵)
  
【開始~11時まで】
藤井四段歴代単独1位の29連勝をかけた運命の一局は10代対決となった。(藤井:14歳 増田:19歳)藤井四段の活躍は今更言うまでもないが、増田四段も16歳でプロデビューして昨年新人王を獲得したり今季は竜王戦5組で優勝したりとその実力は疑いようが無い。
また、増田四段の森下九段直伝の勉強法(記事は こちら
も非常にためになるので強くなりたい方はぜひ真似てみるといいと思う。私も最近マネしています。
 〈対局開始〉
 角換わり調の出だしから、増田四段が角交換を拒否。雁木囲いに進展していきそうだ。藤井四段は右銀を早繰り銀の構えにして速攻していく姿勢を見せた。27連勝目の藤岡隼太アマとの将棋では華麗に雁木を粉砕して完勝したが、本局ではどうか。11時17分、早くも駒がぶつかった。大乱戦の予感だ。

藤井聡太四段、歴代1位タイ28連勝なるか?相手は難敵澤田真吾六段

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先手:藤井聡太四段
後手:澤田真吾六段
戦型:角換わり

澤田六段が工夫の早仕掛けを見せて、後手番ながら積極的に先攻する形になった。形勢は互角ながら、普通は攻めている後手が少し勝ちやすい流れか。しかし藤井四段は受けが非常に上手いので、むしろ先手ペースなのかもしれない。

さて28連勝と言えばご存じ神谷広志八段だが、私はこの人のことがずっと嫌いだった。理由は神谷八段が村山聖九段との対局時、盤外戦術として普段吸わないたばこを吸って気を散らそうとしたというエピソードを見たことがあるからだ。村山九段の死後、師匠の森信雄七段にそのことを謝罪したらしい。確か15年近く前の将棋世界誌だったと思う。
私はそもそもタバコが嫌いな人間の前でタバコを吸う人間は害悪だと考えている。ましてやそれを病気の対局相手に対する嫌がらせのツールとして意図的に使ったというのは本当に許せなかった。
だが今となっては少し考え方が違う。そもそも神谷八段が懺悔しなければこのエピソードは世に出なかった。これを言えばファンから一生叩かれることは分かっていたと思う。それでも敢えて自らの過ちを公表し贖罪しようとしたことは立派だ。そう考えるようになった。

さて、将棋は難解な攻防から澤田六段がややリードしたものの、藤井四段も上手く食らいついていって第5図となった。

上図で▲54桂!と打ったのがほぼ決め手。△同歩なら▲42馬△同玉▲43銀~▲32金~▲52銀成(第6図)と追い込んでおく。
 
上図では次の▲22銀が厳しいが適当な受けも無い。先手玉に駒を渡さずに詰めろの連続で迫れれば後手が勝てるがその手もない。ということで先手勝ち。
実戦は▲54桂に△41金▲62歩成となり、ほどなく藤井四段が28連勝を決めた。
これで前述の神谷八段の記録と並んだわけだが、次は歴代単独1位の懸かる対局を26日の竜王戦決勝トーナメントで増田康広四段と戦うことになる。こちらも非常に強敵だが、どうにか勝ち切ってほしい。

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本局の動画でのハイライトは こちら

 

藤井聡太フィーバーのこれからを予想

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※あくまで私の妄想ですので気楽に見て下さい。記事は6月19日月曜日に書いています。

28戦目:難敵澤田六段に快勝。連勝記録で歴代1位タイに並ぶ。
澤田六段終局後コメント「前回戦ってからまだ3週間も経っていないのに更に強くなっていた」
29戦目:これまた難敵の増田四段に快勝。連勝記録で歴代単独1位に。
増田四段終局後コメント「来季は藤井竜王にタイトル戦でリベンジします」

その後も順調に連勝記録を更新するものの、早指し棋戦でまさかの凡ミスから敗戦。ここから一般人を巻き込んだ第1次藤井フィーバーは緩やかに収束へ向かう。

数か月後、「藤井聡太四段、タイトル挑戦へ。初の中学生タイトルホルダーなるか」の見出しが各紙の紙面に踊る。第2次藤井フィーバーが始まる。あっさりと奪取し初タイトルを決め、熱狂は最高潮へ達する。
その後も当然のようにタイトルを奪取し続けていくが、勝ち続けることが当然となったせいか熱狂も序々に落ち着き、第2次フィーバーは収束へ。この頃結成された追っかけの中年、熟年女性ファングループは解散せず、ますますその活動をエスカレートさせる。余りの熱狂的な応援に一部から批判を浴びる。
 
数年後、当然のように名人を除く七冠王になるがまだA級まで到達していないため名人挑戦が出来ず、「七冠王が名人戦に出れないのはおかしい」と連盟に一部の方(前述の女性グループ?)から抗議の電話が入り、それが各所でニュースになる。第3次藤井フィーバーの兆候が始まる。
 以降はノンストップでA級昇級し、当然のように初参加での挑戦を決め、「藤井七冠王、人類初の八冠へ」と名人挑戦が決まる。
第3次藤井フィーバーが始まる。チェス界や囲碁界等も藤井人気にあやかろうとコラボ開始。藤井人気は世界へー

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つづく(?)

駄文失礼しました。記事は全てフィクション、妄想です。

 

藤井聡太四段デビュー26連勝!ハイライトと今後の予定等 VS 瀬川晶司五段  順位戦C2

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藤井聡太四段のこれまでの公式戦・非公式戦における
対戦成績は こちら

先手:瀬川晶司五段(24位)
後手:藤井聡太四段(45位)

本局のハイライト動画は こちら

【22時53分】
互角の素晴らしい競り合いが続いていたが、1分将棋に入った瀬川五段の一失を捉えた藤井四段が優位に立つと、持ち前の圧倒的な終盤力で一気に突き離しにかかる。瀬川五段も粘ろうとするが藤井四段の指し手は正確無比であっという間に勝勢を掴んでしまった。そして互角~瀬川五段持ちと思われた局面から僅か1時間。気がつけば当然のように藤井四段が勝利を手にしていた。その姿は最早貫禄すら感じさせる。
これで26連勝。歴代1位がハッキリと見えてきた。ただし、
次の相手:藤岡隼太アマ(東大1年)
28戦目:澤田真吾六段(プロ間実力レーティング10番台)
29戦目:増田康宏四段(昨年新人王。プロ間実力レーティングは間もなく10番台)
と強敵が続く。特に澤田六段は前局、リードしながら終盤の一失を捉えられて敗勢まで追い込まれた難敵だ。増田四段もまだ19歳の急成長中の若手。新人王戦優勝、竜王戦5組優勝と既に実績は申し分ない。勝つのは容易ではないだろう。また、藤岡アマも不気味だ。最近ではアマもソフトにより非常に深いところまで研究が出来るので、トップアマになると中堅プロと互角かそれ以上レベルと考えた方が良いだろう。茨の道になると思うが、何とか歴代単独1位までたどり着いて欲しいと心から願う。

【21時20分】
残り時間
先手:34分
後手:1時間30分
ソフトに読ませると藤井四段に鋭く踏み込む決め手級の手順があったが、実戦心理としてそれを指すのはかなり難しかったようだ。形勢は依然として微差で藤井四段が有利ながら変化が多く、何が起こってもおかしくない状況が続いている。瀬川五段が上手く粘っている印象だ。
21時26分、藤井四段にとうとう疑問手が出たようだ。評価値が一気に後手持ちから先手に振れた。瀬川五段がこのチャンスを生かせれば、26連勝に黄信号となりそうだ。

【22時47分】
残り時間
先手:なし(1分将棋)
後手:41分
形勢は後手勝勢。藤井四段が26連勝に大きく近づいている。

【20時】
残り時間
先手:1時間40分
後手:1時間49分
藤井四段がこのまますんなり押し切るかと思われたが、瀬川五段の壮絶な粘りにより差が縮まった模様。瀬川五段は奨励会三段で無念の退会をし、アマチュアに戻っても諦めずに這い上がってプロの座を掴み取った執念の男。いかに藤井聡太と言えども簡単には振り切れないようだ。どちらが勝つにせよ、決着までの道のりはまだまだ長そうだ。

 

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【当日17時半時点での観戦記】
難解な中盤から藤井四段が抜けだし、現局面でははっきり優勢になった。
26連勝が大きく近づいてきた。時間もまだまだある。
残り時間は
先手:2時間35分
後手:2時間41分

【当日15時までの観戦記】
戦型:角換わり
先手の瀬川五段がまさにこの日のために用意してきたような速攻を見せた。
それに対しては藤井四段が思わず大長考に沈み、応手にプロ入り後最長となる1時間16分を費やした。指したのは先手の歩突きを取らずに自陣角を打つという受けの好手。この手以外なら一気にもっていかれそうというところで出た、流石の一着だった。対して瀬川五段も41分の長考に入り、残り時間も形勢もがっぷり四つのいい勝負が続いている。

【勝敗予想】
実力レーティング的には瀬川五段は90位程度、藤井四段は低く見積もっても10番以内ということで藤井四段の期待勝率は数学的な面だけを考慮すると90%超えか。持ち時間の長い長丁場ということも藤井四段に有利に作用しそうだ。
ただ、瀬川五段としてもこのまま26連勝の踏み台になる気はさらさら無いだろう。アマチュア時代には当時現役A級だった久保利明王将(当時は八段)を撃破している。プロ入りしてからも実力レーティング10番台の強豪を度々破るなど
藤井四段としても全く気は抜けない相手だと思う。ましてやもともと先後の決まっている順位戦。瀬川五段が対藤井四段用の特別な作戦を用意してきてもおかしくない。
 

 

 

 

20連勝なるか?藤井聡太四段 VS 澤田真吾六段

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大型連勝中ということもあり、タイトル戦以上に注目されるこの将棋は千日手を挟んで第4図の局面になった。千日手局はまた後で並べていきたい。


第4図から▲45歩△同歩▲同銀と先手が仕掛ける。▲同銀では▲同桂と桂損覚悟で踏み込む手や、▲35歩を絡める手など色々あったところ。
対して△44歩だと作戦負けになる後手は△86歩▲同歩(▲同銀△65歩▲57角という展開もあった)△85歩▲同歩△95歩と強く反撃して第5図。


上図以下は▲同歩に
1、単に△85桂で変化を許さず一本道へ
2、△75歩を入れて攻め味を広げる
に分岐して、ソフトは何れも「ほぼ互角ながら後手がややリード」という見解。
澤田六段としても、後手番で攻勢をとれているのでここまでは上手くやったという感じか。後手は2の△75歩を選択。本筋の一着だ。藤井四段は形勢はともかくしばらく辛抱が続きそうだ。

 66手目(△75歩)まで残り時間
藤井聡太:2時間40分
澤田真吾:1時間18分

局面は△75歩▲同歩から△65歩と後手がもう一回リズミカルな突きを入れて第6図。後手好調の流れに見えたが、ここで天才が信じられない手を放つ。


上図から▲76角!が凄まじい手。実はエルモの検討で第一候補に挙がった手だったが、まさか指さないだろうと思っていた。恐らくは▲86銀か▲76銀(それでも後手ペースながらいい勝負)と進行していくのだろうと。
実際、棋士室の誰もが予想しておらず、更にこの手を見た澤田六段が残り時間が少ないにも関わらず長考に入ったところを見ると、完全に意表を突かれたのではないだろうか。恐ろしい、恐ろしすぎる。藤井聡太。
▲76角に対しては△85桂▲86銀△47歩▲58金△38角というこれまた人間が選ばなそうな手順で「ほぼ互角」とエルモは示していたが、少なくとも実戦でこの順をじっくり読み、「ほぼ互角」になるという結論に辿り着くのは至難の業だと思う。実戦は▲76角に△52金▲86銀△66歩(第7図)と進んだが

角筋が通ったため▲68歩と受けておけば先手十分なようだ。
と思っていたら実戦は▲77桂。更に手厚くした手だが、これは果たしてどうなるのか。後手の選択肢としては
1、△44歩でいったん銀を追い払う
2、△67角とカチ込んでいく
といったところ。ソフト評価値はほぼ互角に戻った。

実戦は△44歩▲56銀△35歩▲同歩△85桂▲同桂(ソフトによると▲同角△36歩▲45桂△同歩▲87玉!という変態的手順も有力だったようだが流石にほとんどの人は指さないだろう)△36歩(第8図)と澤田の猛攻が始まった。次に桂を取って△64桂があるがおしゃれな受けがあった。

ここで▲45桂!△同歩▲64歩としたのが洒落た手順。45に捨てることによってのちの▲45銀を可能にしている。ここで澤田は△72桂(第9図)と打つ手に本局の命運を託した。先手の指し手はほぼ2択。1、▲63歩成か2、▲65銀か。


1、の▲63歩成は以下A、△同金なら▲43角成△同金▲52銀で変化はあるものの先手やや良しか。B、△84桂▲65角△63金も▲34桂と攻めあって、これも先手がいけそうな感じだ。

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2、の▲65銀には△46角!と打つのが好手で、次の△37歩成と△55角~△67歩成の筋を見せてこれは後手がやや指せるようだ。
藤井四段の選択やいかに。18時24分。
持ち時間
藤井聡太:2時間10分
澤田真吾:0時間08分
 
藤井四段、ここから果敢に▲63歩成。対して1のAの変化になっていくわけだが、▲52銀打に澤田六段渾身の勝負手が襲い掛かる。それが第10図。


この△76角が藤井四段の思考回路を狂わせたか。まだたっぷり時間が残っていたが、▲77金と指した手が致命傷になりかねない悪手で、△87歩▲同金(▲78玉なら△67角打▲同銀△同歩成▲同金△88歩成▲68玉△87角成で後手良し。第11H図)


△67角打!(第11図)が渾身の逆転打。一気に後手が優勢を掴み取った。第10図では▲68桂と受けておけば、以下△62金と引くくらいしかなく、▲76桂△52金に▲74角!が好打(△63銀なら取って52銀だし42金なら▲63角成)で先手が良かった。▲77金は△87歩と打たれる厳しさを見落としたのだろうか。藤井四段らしからぬミスだったが、△76角と打った澤田六段がそれだけ凄かったということだろう。

本譜は以下▲67銀△87角成▲同玉△67歩成と一気に後手が優勢~勝勢の局面を築いていく。第12図までとなって鮮やかな一手があった。

上図から△67銀!が決め手級の一着。流石に万事休したと思われたが
藤井四段も▲同角から▲33成銀△同玉▲34銀△44玉▲22角と劣勢ながらも鋭く迫る。そして第13図。とうとう後手が逃げ切ったかに見えたが。


上図から▲76桂!が魔手。澤田六段も頭が真っ白になったことだろう。△75玉と逃げれば勝ちだった(澤田六段は▲77角成△同と▲66銀△同玉▲67銀△75玉・・・と追われて詰まされると思ったとのこと。実際はそんなことはなかった。藤井四段の終盤力や▲76桂の魔力、1分将棋という状況が澤田六段を狂わせたのかもしれない・・・)
本譜は△同金▲67歩(第14図)となって、

上図で△85飛ならまだ後手が良かった(▲65銀~▲66金で76の金を取りつつ馬を作ることは出来るが、駒が足りない)ようだが、△46角と攻防風に打った手が致命的な悪手となってしまった。▲57銀と受けられ、△85飛には▲46銀△同歩▲65銀!△同玉▲66金で先手が勝つ。以下、第15図となって先手はっきり優勢だが、澤田六段が最後の勝負手を放つ。


上図から△78銀!が最後の勝負手。以下▲同玉△67桂成▲同銀△87飛成と大迫力の追い込みだが、▲79玉△67金(第16図)で藤井が決め手を放つ。


上図から▲55角成△75玉▲65金△85玉に▲77桂!(△同金なら▲96銀△同竜▲77馬)△76玉に▲75金!△同玉▲65馬から竜を抜いて先手勝勢に。
以下、第18図となって華麗な即詰みがあった。


上図から▲81飛△83桂▲85歩△73玉に▲74歩までで後手投了。
以下は△同玉なら▲56角で詰みだし、△同金も▲82角△62玉▲63歩△同玉▲61飛成~▲52銀で詰む。
澤田六段にしては非常に珍しい大逆転劇だったが、上に書いた藤井四段の「魔力」がそうさせた可能性は高い。
ともあれこれで20連勝。何とかあと9つ勝って、連勝数歴代1位を獲得してほしい。今後は毎回のようにタイトルホルダーやタイトル戦の常連組レベルと当たるようになるため、29連勝は今回が最初で最後のチャンスになるだろう。

 

 

藤井聡太四段、伝説の△15歩についてお詫び

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第1図は藤井聡太四段の公式戦デビュー18連勝目、
加古川清流戦の竹内雄悟四段戦の終盤。1分将棋にも関わらず、ここから「藤井マジック」ともいうべき手順が炸裂した。


金で取るか銀で取るかだがソフトはどちらかと言うと△同銀を支持。以下
I、▲54歩には△22玉と早逃げして難解ながらやや後手良し、
Ⅱ、▲44角成の詰めろ竜取りには△22角と切り返し、以下▲66馬△同角▲63歩成(第2図)に面白い手がある。


図から△84角打が好打。次の△58金等の攻めを狙う。ただし先手も▲57歩が「大駒は近づけて受けよ」の好手で局面は難解。
この変化も十分考えられたところだが、藤井四段は第1図から△同金を選んだ。(第3図)


これも角を44に成らせない意味で有力な手。先手は空いた後手玉の脇腹に向かって▲61飛と打ち込み、後手はがっちり△41金打。そこで角を逃げても仕方ないので▲42角成と切り△同銀に▲52金打と食らいついて第4図。ここが一番のハイライトだった。


上図からは△51歩が自然で、大盤解説の屋敷九段と深浦九段も基本的にその線で解説を進めていた。が、なんと藤井四段はここで△15歩!(第5図)これには解説の二人の先生もかなり驚いていた。別所で井上九段も「勢いがあるけど危険だなあ」と否定的なニュアンス。ソフト評価値も瞬間的に先手に大きく振れた。私自身1分将棋ということもあり、「藤井四段が珍しく終盤で悪手を指してしまった」ということで10秒程度検討して片づけてしまった。これがいけなかった。60秒程度しっかり読ませると、ちゃんと「難解」という評価に戻った。


上図から▲41金△同銀▲52金△51歩▲41金△同玉▲22金(第6図)で先手良し、というのが当初のソフトの読みだった。

第6図は▲32銀~▲63飛成の詰めろなので何か受ける一手だが、△31金だと▲63歩成△22金に▲52とと竜を抜いて、これは先手優勢。私は動画内でそう解説して打ち切ってしまった。ところが、△31金のところで△54角(第7図)という絶妙手があって難解だった。これについては心からお詫びしたい。


以下
A:▲63歩成△同角▲53歩には△43銀で難解ながら僅かに後手持ち
B:▲53歩△同銀▲63歩成△16歩!(詰めろ)▲18歩△63竜▲43銀(第8図)


と進み、一見決まったようだが以下△72竜がぎりぎりの受けで
やはり難解(僅かに後手持ち)なようだ。

1分将棋の中、藤井四段がどこまで読み切って△15歩を指したのかは分からない。しかし恐ろしい量の読みが入っていたこと、解説のA級棋士二人だけでなくソフトまで驚かせた手だったことは間違いない。これからは藤井四段の手はたとえ秒読みの最中の手でも「パっと見悪手」と決めつけて短時間で検討を打ち切ってはいけない、と肝に銘じたい。

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藤井四段 VS 竹内四段の 対局棋譜並べ動画はこちら

 

 

 

 

 

 

藤井聡太四段が対局時に食べた食事まとめ(5月26日版、随時更新)

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藤井聡太 デビューからの全記録(随時更新中) は こちら

この記事の動画版は こちら

最近、「長手数の詰将棋とソフトでの将棋研究を頑張れば自分も藤井聡太に近づけるのではないか?」という夢を見ながら楽しく頑張っているが、やはり人間の細胞を形成するものは何と言っても勉強よりもメシだ。藤井聡太に近づきたければ、同じものを食べることだ。
ということで、「藤井メシ」をわかる範囲で全部調べてみました。

12・24:加藤一二三九段
竜王戦6組
昼飯
加藤:特上寿司(千寿司)
藤井:味噌煮込みうどん(みろく庵) 
おやつ:チョコレート、レモンティ

01・26:豊川孝弘  七段
棋王戦予選
豊川:ごまみそうどんとサラダ
藤井:肉ぶっかけそば

○:02・09:浦野真彦  八段:竜王戦6組
浦野:あんかけそば(きざみあげトッピング)
藤井:黒毛和牛カレーうどん 
※両者とも小雀弥

○:03・10:大橋貴洸  四段:新人王戦
大橋:きつねうどん
藤井:カレーうどん

○:03・16:所司和晴  七段:竜王戦6組
所司:たぬきうどん
藤井:つけとろろそば

○:03・23:大橋貴洸  四段:棋王戦予選
大橋:きつねそば
藤井:天盛りそば

○:04・04:小林裕士  七段:王将戦予選
小林:なし
藤井:天丼

○:04・13:星野良生  四段:竜王戦6組
星野:中華弁当
藤井:汁なし坦々麺(からそう・・)

○:04・26:平藤眞吾  七段:棋王戦予選
平藤:なし
藤井:エビフライ&クリームコロッケの盛り合わせ
(サービスランチ)

○:05・01:金井恒太  六段:竜王戦6組準決勝
昼食
金井:うな重・梅(ふじもと)
藤井:カレーライス(ほそ島や)

夕食
金井:ヒレカツ定食・ライト(ふじもと)
備考:金井、夕食を食べられなかった
藤井:若鳥唐揚定食(みろく庵)

○:05・04:横山大樹  アマ:新人王戦
横山アマ:ハイカラうどん
藤井:冷たいぶっかけそば

○:05・12:西川和宏  六段:王将戦1次予選
西川:そば定食 やまがそば
藤井:うどん定食(特製たまごかけご飯) 小雀弥

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○:05・25:近藤誠也  五段:竜王戦6組決勝
昼飯
近藤:冷中華・大(ほそ島や)
藤井:五目やきそば(紫金飯店)

夕食
近藤:つけとろろそば(みろく庵)
藤井:チャーシューメン(ほそ島や)

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19連勝なるか!?藤井聡太 VS近藤誠也五段  竜王戦6組決勝

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藤井聡太 デビューからの全記録(随時更新中) は こちら

対局日:2017年05月25日
竜王戦6組決勝(勝った方が本戦出場)
先手:近藤誠也五段
後手:藤井聡太四段
 
第1図。近藤五段が先手で相掛かり棒銀の恰好になった。
 
個人的には後手を持って結構イヤな戦法だなあ、と認識している。
先手の攻撃力が高く、受けの力が要求される上に
先手陣は▲66歩~▲58金~▲69玉~79玉と結構固くなる。
そして第2図。


 やはり先手は角道を止めた。攻守に優れた形だ。
さてどう対抗するのかな、と思って見ていると・・・
第3図。凄い手が出た。


藤井四段、△24歩!初心者が指したら「ダメだよ、ダメ」と言われて
23に戻されてしまいそうな一着だ。▲25歩と合わせたらどうするのか。
ここで近藤五段が長考に沈み、昼食休憩に入った。
プロ間では知られている一着なのかな?と思ったが、「独特だなぁ」という声が中継室から上がったようなので少しほっとした。藤井四段が先を行き過ぎているだけのようだ。第3図から▲25歩と合わせた局面は、ソフト解析によれば恐ろしいことに後手が+200くらいでリード。以下進行の一例は
△同歩▲同銀△75歩▲24銀△44角▲23歩△31銀▲46歩△33桂(第3変化図)


以下▲75歩なら△86歩▲同歩△同飛▲87歩に△76飛と滑り込んで後手良し。
75の歩が受け辛い。
かといって第3図から▲25歩と行けないようでは△23銀と銀冠を作られてしまう。それは後手がやや作戦勝ちになりそうだ。
まだまだ難しい局面だが、序盤はまず一歩藤井四段が先行したようだ。

実戦は第3図から▲25歩△同歩▲同銀△75歩に▲同銀と取り、△35歩▲46歩(第4図)と進行したが、ここで後手に決め手級の手があった。
 
 
第4図から△14歩なら技ありだった。▲16銀なら△26歩!と垂らし、▲同飛なら△15歩▲27銀(25銀は24歩で銀が詰む)△28歩で後手良し。放置すれば△15歩で銀が死ぬ。▲24歩は△23歩▲同歩成△同銀に▲24歩から清算するしか無いが、飛車交換になれば陣形の差で後手優勢。△14歩なら評価値は+600を超えており、はっきり優勢と言ってよいだろう。
実戦は第4図から△24歩▲16銀△23銀と穏やかに銀冠を完成させた。
これでも
・銀冠が固い
・後手から攻めのバリエーションが豊富で歩損がクローズアップされない
・先手の銀が僻地で使いづらい。
等の理由から、ソフト評価値は+300オーバーで後手良し。
局面は進んで第5図。銀冠に入っていくかと思いきやここで藤井、仕掛ける。
 
上図から△65歩▲同歩△36歩!と突っかけていよいよ本格開戦。
36歩は深い読みの入った手で将来の46飛~36飛等を見せている。
また、何かの折に46に角が出たときに飛車取りになるメリットもある。
以下近藤五段も粘るが藤井四段が快調にリードを広げて第6図。


ここで▲18飛が執念を見せた手。近藤五段の気持ちが入っている。
以下△34飛に▲56角と反撃開始で第7図。先手にも希望が出てきたかと思われた
が、後手の返し技が素晴らしかった。

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第7図から△36歩▲同歩△同飛▲37歩△56飛▲同銀△54角!
(第8図)

上図からは飛車を逃げるしかなさそうだが、そこで△45桂が気持ちのいい活用だ。藤井四段が19連勝&竜王戦本戦進出に近づいてきている。
実戦は上図から▲36歩△45桂とやはり二枚桂が炸裂して藤井四段がはっきり優勢になった。


以下、先手陣の89の桂をもぎ取って更に桂を足していく。
これには羽生三冠、豊島八段を負かしたこともある強豪の近藤五段も
粘りが利かない。▲69桂も△77歩成で、同桂に△57桂右成で崩壊だ。
以下両者ペースアップしながら淡々と指し手が進み、第10図。△45角に先手の指し手がパタリと止まった。


そして、近藤が頭を下げた。竜王戦のトーナメント入りも決まった。このまま竜王を獲得しても何ら不思議ではない。以下▲56桂と打っても△66歩が急所。
▲68金に△77歩で崩壊だ。△36角の筋まである。
これで19連勝。現時点で既に歴代6位の大記録だ。
デビューからの連勝記録ということでは当然ぶっちぎりの歴代1位である。
恐らく、今後はタイトル争いに常に絡み続けることになるので相手がきつくなりあまり大型連勝は狙えなくなってくると思う。28連勝更新は今回が最初で最後のチャンスだろう。是非とも更新してほしい。