後手ゴキ中対超速、銀対抗しない形。44角型と22角型 その①22角型の進行

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さて、前回記事では超速の銀対抗の形は居飛車がいいらしく消え始めていることを述べた。 前回記事は こちら
サラっと書いたがソフトが進歩する前だったらあと30年は指せたであろう形で、本当に恐ろしいことが起こっているなあと思う。
今回は超速の銀対抗しない形について調べていきたい。プロ間でも主流はこちらに移っているようだ。

初手からの指し手

▲76歩△34歩▲26歩△54歩▲25歩△52飛▲48銀△55歩▲68玉△33角
▲36歩△42銀▲37銀△62玉▲46銀△72玉▲78玉△82玉▲68銀△72銀
▲45銀(▲77銀から一歩交換させる指し方も有力か)△32金▲34銀(第1図)


第1図からの後手の指し手は2通りで、I、△44角とⅡ、△22角。
因みに藤井ー永瀬戦が22角で、藤井ー斎藤戦が44角だった。

参考棋譜

藤井聡太ー永瀬拓矢 藤井聡太炎の七番勝負第2局
藤井聡太ー斎藤慎太郎 藤井聡太炎の七番勝負第3局

Ⅱの△22角以下は
▲24歩△同歩▲同飛△54飛(第2図)が一般的。

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プロの実戦例はここから▲35歩△33歩▲23銀成△24飛▲同成銀△27飛▲25飛△同飛成▲同成銀△27飛▲26飛△47飛成▲59金左(第3図)
因みに▲35歩では▲28歩! ソフトの推奨手でそちらの実戦例もあったような気がする。意味は予め△28飛の打ち込みを消すというシンプルなもの。後手は△31銀と受ける手がほぼ必然で、以下一例は▲77銀△56歩▲同歩△27歩!▲35歩。評価値はやや居飛車良し。


さて第3図。ここからは△56歩がほぼ絶対手のようで、▲同歩に△45竜と竜を活用する。以下▲55歩と進んだのが藤井ー永瀬戦の進行。因みに▲55歩ではソフトは▲37桂!△65竜▲77桂!(第4図)という進行を推奨している。

ここから△74竜では▲24成銀で問題なく先手優勢になってしまうので
△76竜の一手。そこで▲24成銀と突っ込む。以下は進行の一例としては△75竜に▲25飛と際どく受け、後手は△34歩!と華麗にさばきにかかる。以下▲23成銀△77角成▲同角△31金▲89玉(第5図)


最後の▲89玉が凄い手で、△85桂を防ぎつつ69金~78金の余地も見せている。ここまでくるとやや先手良しか。

△22角型の進行は大体こんな感じになる。ソフトやVS相手との実戦でたくさん指して経験値を高めてまたブログや実況動画などで披露していきたい。
超速に限ったことではないがelmo同士で対戦させるなどして徹底的に突き詰めていったら、割とあっさり結論が出てしまいそうで怖い(というかもう出てるかも)・・・そんなこんなで、次回は△44角型を調べていきたい。

次回記事:△44角型は こちら 

 

デビュー17連勝なるか?藤井聡太四段 VS 西川和宏六段

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第67期王将戦一次予選
持ち時間各3時間
戦型:先手中飛車 VS  後手超速
先手:西川和宏六段
後手:藤井聡太四段

棋譜並べ動画は こちら 

第1図。角道も開けずにいきなり△75歩と開戦するのが後手超速のキモ。
元々はソフトの発案で、有力さに気づいたプロがこぞって採用するようになった。第1図では▲同歩、▲67銀ともに有力だが本譜は▲同歩。


仮に第1図▲67銀なら△64銀で、そこで更に1、▲75歩と2、▲65歩に分岐。この辺は変化も多いところで、動画の中で解説しているが1、▲75歩なら△同銀▲68角△86歩▲46角の要領でさばく。2、▲65歩なら△76歩▲同銀△75歩▲64歩△76歩▲95角△64歩▲73銀という要領で戦う。何れもソフト評価値は若干居飛車良し。
本譜は第1図から▲同歩△64銀▲65歩(同銀なら▲67銀)△75銀▲54歩△同歩▲同飛と進展して▲55角を狙っていった。これもソフトの評価値は恐ろしいことにわずかではあるが居飛車側に触れている。
進んで第2図。


西川六段の指し手に大きなミスがあったようには到底思えないが、第2図の△87歩の局面でソフト評価値は+300程度で大きく後手に振れた。以下は▲64歩△88歩成▲77銀成△同銀▲同桂に△45銀打と飛車角両取りがかかり、見た目にも後手ペースがはっきりしてきた。
そして第3図で▲63歩成に対して恰好いい手が出る。


上図で△47銀成!が流石の手だった。▲同玉は△74角でと金を抜かれて厳しいと見た西川六段は▲28玉と鬼辛抱だが、流石に角損ではまずそうだ。
それでも進んで第4図となってみると、先手陣は好形で駒損とはいえ攻めがつながりそうだが、またしても後手に好手があった。

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上図から△同金が正確な応手。この手以外では飛車の横利きが止まっておりまぎれるところだった。以下▲同金△同飛となって非常にスッキリした形になったうえ、遊んでいた飛車が活用できた。以下、右辺からと金ににじりよられながらも先手が必死に粘って第5図。▲63角が次の▲41角成~▲23飛成と▲52とを見せてうるさそうだが。


第5図で△31金がまたまた正確な手。以下▲54金△58と寄▲55金△49とで
はっきり後手の勝ちが見えてきた。そして第6図。華麗な詰みがある。


第6図から△88飛成▲58歩に△38金!!と打ち込んだところで先手の投了となった。以下、一、▲同銀なら△39銀▲同玉△48金▲28玉△38金▲18玉に△28金と押し売りして、▲同玉に△58竜で▲38銀(角)なら△39銀だし▲38金なら取って△47と以下簡単に詰む。二、▲同玉なら△47と▲28玉△39銀▲同玉△38金以下詰み。
圧倒的な内容で、これでデビュー以来公式戦17連勝となった。次の相手は澤田六段と強敵だが、ここであっさり勝つようなら王将リーグ入りも十分見えてくる。

棋譜並べ動画は こちら 

藤井聡太関連記事は こちらから 

 

将棋の結論が出るXデーはいつか

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最近、定跡の研究をしていて思うことがある。
「性能の良いPCと強い将棋ソフトがあれば、将棋に結論を出すことは可能なのではないか」と。現に今、プロの一線級で戦っている人たちの棋譜を見てほしい。明らかにソフトで研究しているであろう棋譜ばかりだ。
 一昨日(5月10日)、昨日と「後手ゴキゲン中飛車が消える?その1~3」という記事と動画をアップさせて頂いたが、早くも5000再生、高評価が3桁超えと反響が大きかった(ありがとうございます)。藤井聡太四段も後手ゴキ中に対してはほぼ全て超速で対抗しており、勝率も高い。

後手ゴキゲン中飛車が消える?その1
後手ゴキゲン中飛車が消える?その2

後手ゴキゲン中飛車が消える?その3

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元々これは自分の使う戦法の序盤の研究が一通り終わったら、満を持してアマ大会に出ようと思って始めた研究だった。個人的に後手番で指したい戦法No1だったゴキ中だったが、最新版の超速が非常に有力でいくら研究しても後手が互角に戦える変化すら出てこない。困ったな…と思い、動画やブログでUPして「そうじゃないよ、〇〇が有力で後手も戦えるんだよ」というコメントを密かに待っていた。実際に幾つかそうしたご意見も頂戴した。本当にありがとうございます。具体的に言うと、「後手は△72玉~△62銀型の早囲いで戦う順が有力で一時期永瀬六段がたくさん指していましたよ」や「5筋の位を取らない指し方で有力なものもありますよ」等。一つ一つ調査し、また動画やブログでまとめさせていただきたい。
炎の七番勝負であった藤井聡太ー永瀬拓矢戦や藤井聡太ー斎藤慎太郎戦の
進行も現在まとめ中で1~2週間位でまとめてまた記事を書きたい。
 さて、そうは言っても既に超速VSゴキ中でゴキ中側が銀対抗で美濃囲いにする順と穴熊にする順、プロ間で何百局も指されてきた形が何れも「居飛車やや良し」という恐ろしい研究結果がelmo+ハイスペックPCでやった結果出てしまった。もちろんこれが100パーセント正しいとは言わないし思っていない。しかし10年前ならトッププロ達が何十局、何百局指してやっと結論に辿り着くレベルの変化もソフトなら数秒でかなりの部分まで解析してしまうことは事実だ。既にノーマル四間飛車をはじめ絶滅しかかっている戦法も多い。この調子で行くと、個人的には5年以内には主要な戦法がすべて解析されてしまうのではないかと思っている。そうなったら、羽生さんがインタビュアーに「将棋の変化がすべて解析されたらどうしますか?」と聞かれて、「桂馬が後ろに飛べるようにとか、ルールを少し変えればいいんですよ」と(冗談めかしてかもしれないが)答えた世界が現実になるのかもしれない。

 

後手ゴキゲン中飛車が消える?その3

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今回は 最新版の超速 VS 穴熊 の戦いを見ていきたい。
elmoで解析した結論から言うと、穴熊は「間に合わない」ので居飛車良しになる。

後手ゴキゲン中飛車が消える?その1は こちら 
後手ゴキゲン中飛車が消える?その2は こちら 

さて、前回記事の後手ゴキゲン中飛車が消える?その2で
美濃に組んで持久戦になる場合の戦い方を述べたが、どの変化も居飛車が有利になっていた。そこで第1図。△72銀に代えて穴熊にしたらどうか?という実戦だ。三段リーグの 藤井聡太 VS 西山朋佳 戦でも指されている。


第1図からいったん▲58金右と固め、△91玉の瞬間に▲24歩が急所。
超速側にまともに穴熊に囲わせる気はさらさら無い。以下、△同歩に▲37桂と跳ねて第2図。既に後手の指し方が難しい。
候補手は
A、△51飛 と B、△82銀(西山三段が指した手)に分かれる。


因みに第1図で△35歩は▲45桂△42角▲35歩で、△36歩には▲38飛だし
△32金なら▲55銀左で先手良し。
まずは B、△82銀から見ていきたい。
△82銀には▲45銀(実戦通り)とぶつけてしまう。 △同銀なら▲同桂△42角に▲53銀と放り込んで△同角▲同桂成△同飛▲24飛△31金に▲96歩(第2B図)が落ち着いた手で良し。次の▲97角に△64銀と投資するのでは後手辛い。


実戦は△同銀ではなく△35歩(最善手)▲同歩△51角と進行したが、▲44銀△同歩▲26飛で次の▲55銀や▲96歩~▲97角を見せ先手良しとなった。
△51角で△51飛(最善手と表示される手)ならじっと▲36銀が好手。放置すると▲46歩~▲45歩で完封になるので△56歩と暴れてくるよりないが▲同歩△同飛に▲46歩が好手。以下△55銀▲47金△66飛△同歩△56銀打に▲58歩!(第2C図)が好手で先手良し。

ということで、第2図から△51飛の変化を見ていきたい。
対しては▲96歩といったん待つ手も非常に有力だが、▲45銀(第3図)とぶつける方が分かりやすいか。


第3図で△同銀▲同桂△42角はやはり▲53銀で悪いので、
1,△32金か
2、△35歩
に分岐するが
1、の△32金は▲34銀△42角に▲23歩(第4図)が好手。


次の▲22歩成から▲43銀成があるので△33銀と受けるか
以下▲同銀成△同角に▲96歩が好手。以下△82銀に▲45桂~▲53銀から精算して▲55銀(第4Å図)で先手良し。
以下△51飛ならじっと▲46銀と引いて△33桂に▲22歩成△同金▲42角△52飛▲31角成。

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ということで第3図から△35歩▲同歩を入れて△36歩を見せて先手の銀に制約を与えてから受けに回ることになりそうだがそこから△32金には
▲36銀(第5図)がやはり好手で先手良し。▲37桂~▲36銀は攻めの理想形。

第5図から進行の一例は△82銀▲46歩△71金▲96歩△42角▲34歩△74歩▲29飛(第6図)
評価値は先手+200~300程度といったところ。後手としてはここまで最善を尽くしてこの形勢では辛そうだ。しかもこの変化に至る手順中、一手でもミスをすれば形勢は大きく傾いて二度と挽回できなくなる。


第6図は先手良しと思うが、穴熊の固さを生かして後手もチャンスはありそうだ。藤井聡三段ー西山三段戦も西山三段がそうした進行を狙っていたと思うが藤井三段の完璧な指し回しの前にリードを広げられ、完敗した。超速は玉が薄いので良くなってから勝ち切るまでがなかなか大変だが藤井三段は見事にそれをやってのけた。次回はその棋譜並べをやっていきたいと思う。

 

 

 

 

 

 

 

後手ゴキゲン中飛車が消える?その2

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後手ゴキゲン中飛車が消える?その1は こちら
後手ゴキゲン中飛車が消える?その3は こちら 


第1図から△72銀~△64歩~△65歩と▲66銀型を迎撃していく指し方は
前回記事参照(前回記事:後手ゴキゲン中飛車が消える?その1)
その1は こちら

今回は第1図から△72玉と穏やかに囲っていく順を調べていきたい。プロの実戦例も多い形だ。

△72玉以下は▲66銀△82玉▲78玉△72銀▲58金△94歩▲96歩△32金▲37桂(第2図)

第2図までは一本道といったところ。以下△51飛▲16歩△64歩▲29飛△14歩と進んで第3図。ここで▲45桂と仕掛ける手もあり、それも居飛車やや良しと思うがelmoの推奨手は更に上を行っていた。


第3図から▲68金寄!が面白い手。
後手も分岐点で、
A、△63銀
B、△42角
C、△22角に分かれる。

まずAの△63銀はすかさず▲45桂。△22角に▲24歩△同歩▲同飛と進め、
△23歩なら▲34飛△33角▲55銀左で先手優勢。よって△23歩とは打てず△33桂と跳ねるくらいだが▲同桂成△同角▲28飛と進めて、
△84桂にはいったん▲77銀と受けて次の▲86歩~▲85歩を見せて良し。
△23歩なら▲35歩△同歩▲38飛(第4図)と進めてこれも先手良し。

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第4図から△54桂には▲35銀。△42金ならいったん▲34歩を利かせて▲35銀で良し。

続いてBの△42角(▲55銀なら銀交換後に△38銀の狙い)ならいったん▲26飛と浮くのが好手。今度こそ▲55銀が来るので△33角しかないが、そこでいったん▲77角(第5図)と手を渡すのが好手。elmoの評価値は先手+300。


ここで後手は指し手に困る。△63銀なら▲35歩△同歩▲45桂で先手良し。△42角も▲55銀△同銀▲同銀△53角▲28飛で先手良し。
△22角も▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲26飛(第6図)で、


第6図から△33角、△63銀、△54飛などの候補手があるが何れも▲35歩△同歩▲45銀と仕掛けて先手良し。

という感じで、後手ゴキゲン中飛車が消える?その1、その2を解説させて頂いたが如何だっただろうか。
もし、後手の修正手順などがこざいましたらご教授いただければ幸いです。

後手ゴキゲン中飛車が消える?その3は こちら

 

後手ゴキゲン中飛車が消える?その1

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後手ゴキゲン中飛車が消える?その2の記事は こちらです

最近、玉形を68玉で留めて攻撃の形を作り、場合によってはそのまま攻めつぶしてしまうタイプの「超速68玉型」が猛威を振るっている。

初手からの指し手

▲76歩△34歩▲26歩△54歩▲25歩△52飛▲48銀△55歩▲68玉△33角▲36歩△53銀▲46銀△44銀▲78銀(第1図)

この▲78銀が新しい指し方で、美濃囲いにするわけではなく、このまま▲66銀型を作って場合によってはそのまま攻め潰そうという指し方。
以下、△62玉▲77銀(第2図)と進んだところが早くも後手の分岐点。


第2図から A、△72玉と B、△72銀に分岐する。
Aは穏やかに王様を囲う順、Bは▲66銀型超速を咎めようという指し方。
結論から言うとAが本筋だが、Bに対する指し方をまず見ていく。
△72銀以下、▲66銀△64歩 と、△65歩▲同銀△63銀の銀ハサミの筋を狙って動くがそこで▲24歩(第3図)が大事な一手。


以下、△同歩▲37桂で攻撃準備完了。対して△71玉の局面はelmoや浮かむ瀬によれば評価値先手プラス200超え。いったん駒組みを進めてから機を見て▲45桂で先手やや良し。
という訳で、後手が良さを求めるなら▲37桂に△65歩と突くしか無いが…
▲同銀△63銀に▲25歩(第4図)が一手早く決まる。


第4図以下は△同歩しかないが、▲同桂△22飛に▲38金!(第5図)がうまい手。


角を逃げれば▲55銀なので△64歩と打つくらいしかないが、▲33桂成△28飛成▲同金△33銀に▲82角(第6図)で、


以下七段の人に△92飛▲91角成△同飛▲22歩と進んで勝った実戦がある。実戦の動画は こちら です。

ちなみに▲82角には△65歩▲91角成△48飛▲58飛△49飛成もあるが、▲81馬と桂馬を取っておいてやはり先手が良さそう。勝ち切るまでは大変だとは思うが、ゴキ中側も悪くなると知っていてこの変化を指すのは辛いだろう。

次回は第2図から A、△72玉で穏やかに囲っている順を調べていきたい。結露からいうと、これも評価値的には居飛車やや良し。

次回、後手ゴキゲン中飛車が消える?その2の記事は こちらです

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