連勝中、藤井聡太四段が負かしてきた相手がいかに凄かったかをまとめてみる

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藤井聡太 デビューからの全記録(2017年0524版)
 
 【公式戦】

○:12・24:加藤一二三九段:竜王戦6組
・ご存じ「一分将棋の神様」「神武以来の天才」
タイトル獲得8期、名人1期、A級在籍36期。
盤外でも盤上でも伝説を刻み続けてきたレジェンド。

○:01・26:豊川孝弘  七段:棋王戦予選
最高B級1組、現在もB級2組で鎬を削る強豪。
解説中の軽妙なダジャレでファンのハートを鷲掴み。
人気投票なら藤井聡太四段と互角かそれ以上の戦いができそう。

○:02・09:浦野真彦  八段:竜王戦6組
ご存じ、「ジャパネット浦野」。ニコニコ生放送における
巧みなセールストークで自身の本の売り上げをアマゾンランキング1位に導く。
看寿賞受賞経験のある詰将棋制作とセールストークなら右に出る者はいないだろう。順位戦最高はB級1組。

○:02・23:浦野真彦  八段:NHK杯予選
同上。
○:02・23:北浜健介  八段:NHK杯予選
最高位はB級1組。現在もB級2組に在籍して昇級を伺う強豪。
詰将棋制作に定評がある。早稲田大卒。
○:02・23:竹内雄悟  四段:NHK杯予選
新進気鋭の若手棋士。加古川清流戦では藤井四段相手に
終盤まで一歩も引かぬ指し回しを見せ、あわやという激闘を演じた。

○:03・01:有森浩三  七段:王将戦予選
最高位はB2。病気に悩まされたものの、全盛期は十段リーグにて
中原誠、谷川浩司、村山聖、丸山忠久等錚々たるメンバーを次々撃破しているベテラン。

○:03・10:大橋貴洸  四段:新人王戦
藤井四段と同期で四段昇段。この対局は藤井四段が一番危なかった将棋。
終盤の悪手さえ無ければ連勝はここでストップしていたかもしれない。
今後も厄介な相手になりそうだ。

○:03・16:所司和晴  七段:竜王戦6組
下記のように錚々たるメンバーを弟子に持つ育成のスペシャリスト。
藤井四段との将棋では敗れはしたが最終盤まで気迫のこもった指し回しで素晴らしい戦いを見せた。

(以下Wikipediaから引用)
プロ入りした門下生に松尾歩渡辺明宮田敦史石田直裕石井健太郎近藤誠也大橋貴洸伊奈川愛菓(女流棋士)、渡辺弥生(女流棋士)ら
(引用終わり)

○:03・23:大橋貴洸  四段:棋王戦予選

○:04・04:小林裕士  七段:王将戦予選
2006年度銀河戦準優勝、2013年度竜王戦2組において豊島八段を破って優勝で本戦出場と、実績のある中堅棋士。

○:04・13:星野良生  四段:竜王戦6組
三段在籍中に中村太地六段を破るなどして新人王戦で準優勝という凄い実績を残す。ご存知ゴキゲン中飛車に対する超速の創始者。
藤井四段がゴキゲン中飛車で挑んでいたらやられていたかも・・?

○:04・17:千田翔太  六段:NHK杯1回戦
現在実力レーティングでは10位前後を推移。いつタイトルを奪取してもおかしくない若手強豪。挑戦した棋王戦では惜しくも渡辺棋王に2-3で敗れたがタイトル奪取は時間の問題だろう。ただし、今後は挑戦までの過程で藤井聡太が立ちはだかる可能性は高い。

○:04・26:平藤眞吾  七段:棋王戦予選
ご存じ若手キラー。藤井四段との対局では、卓越した構想力を見せつけて一時優位を築いた。

○:05・01:金井恒太  六段:竜王戦6組準決勝
郷田真隆 の大ファンであり、彼の対局の時に見ない日は無いらしい。
居飛車の本格派で、ブレイクする日も遠くないだろう。

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 ○:05・04:横山大樹  アマ:新人王戦
アマ棋界では知らない者のいない強豪。勇猛果敢な指し回しで、藤井四段を終盤付近まで苦しめた。

○:05・12:西川和宏  六段:王将戦1次予選
父は西川慶二プロ。第63回NHK杯では谷川、豊島を破るなどしてベスト4入りもした経験を持つ若手強豪。

○:05・18:竹内雄悟  四段:加古川清流戦

【非公式戦】

○:03・23:先崎学    九段:獅子王戦準決勝
「羽生世代」の天才棋士の一人。
NHK杯優勝やA級在位2期などの実績を誇る強豪。今でもB級2組で若手キラーとして活躍中。卓越した文章力が特徴。

●:03・23:羽生善治  三冠:獅子王戦決勝
ご存じ、長きにわたり棋界を代表するスーパースター。
この時は「流石に羽生先生にはまだ無理か・・・」という雰囲気が広がったが・・・

○:03・13:増田康宏  四段:藤井聡太炎の七番勝負 第1局
2016年度新人王。この記事を書いている2017年5月23日現在、竜王戦5組で優勝して本戦出場が決まった。まだ19歳。タイトルを期待される逸材である。藤井四段が5月25日の近藤誠也五段戦に勝利すれば本戦で激突することになる。

●:03・19:永瀬拓矢  六段:藤井聡太炎の七番勝負 第2局
実力レーティングでは10番台。新人王戦、加古川青流戦優勝、棋聖戦挑戦経験、18連勝記録など輝かしい実績を持つ。タイトルを獲るのも時間の問題と言われている若手強豪の筆頭。

○:03・26:斎藤慎太郎七段:藤井聡太炎の七番勝負 第3局
2016年度勝率1位賞。2017年5月に棋聖戦挑戦者に決定。順位戦もほぼノンストップでB1まで昇級しており、非常に強い。筆者はこの将棋を見て「まさか斎藤七段にこんな内容で勝つとは・・・」と藤井ファンになった。

○:04・02:中村太地   六段:藤井聡太炎の七番勝負 第4局
棋界1のイケメンと名高い。早稲田卒。実力レーティングも長く20位以内をキープしている。2011年に歴代2位の高勝率(40勝7敗、0.8511)を叩き出した。
2012年棋聖戦挑戦、2013年王座戦挑戦。2015年B級2組昇級。

○:04・09:深浦康市  九段:藤井聡太炎の七番勝負 第5局
王位3期、タイトル戦登場8期、棋戦優勝9回と輝かしい実績を誇る現役のA級棋士。羽生三冠と過ごした濃密な時間から「恋愛流」とも評される。

○:04・16:佐藤康光   九段:藤井聡太炎の七番勝負 第6局
タイトル獲得13期、登場37期。棋戦優勝12回。羽生世代の一人として一時代を築いた棋士。タイトル獲得数は歴代7位。永世棋聖の資格保持者。現将棋連盟会長。

○:04・23:羽生善治  三冠:藤井聡太炎の七番勝負 第7局
説明不要のスーパースター。歴史上唯一、七冠を独占したことのある棋士。
タイトル獲得97期と登場回数129回、一般棋戦優勝44回は歴代1位。
歴史を塗り替え、今なお歴史を創り続ける。

●:05・07:豊島将之 八段:第24回将棋まつり席上対局
「豊島?強いよね?」のセリフでおなじみ。
2010年王将戦、2014年王座戦、2015年棋聖戦に挑戦。
2016年日本シリーズ優勝。2017年A級昇級で八段昇段。
もはやいつタイトルを獲得しても誰も驚かないであろう俊英。

三浦九段、将棋連盟と和解 会見まとめ

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会見要旨

・将棋連盟と三浦九段は23日に和解で合意した
・連盟から三浦九段に休場の強要はなかった
・連盟から三浦九段に「竜王戦が中止になった」という趣旨の発言は無く、10月11日の聴取の際の会話の中で三浦九段の認識と連盟の認識にズレがあった。
・連盟から三浦九段に慰謝料(金額非公表)が支払われる
佐藤会長「将棋連盟の原資で(払う)と考えている。高額になるので色々議論する。」
・三浦九段は今後、民事刑事ともに訴訟を起こさない
・三浦九段の主張「不正の根拠はない」と将棋連盟の主張「処分はやむを得ない」は双方がこれを受け入れる
・佐藤康光会長と三浦九段が笑顔で握手
・渡辺竜王から直接三浦九段に謝罪があった

記者 「今後対戦したい棋士3人挙げてください」
三浦九段 「藤井聡太四段、渡辺竜王、橋本八段」

先ほどの会見をメモをとりながら聞いて、それをまとめました。
もし間違っている部分があればご指摘お願いします。

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(参考)
竜王戦  
優勝賞金4320万円
七番勝負敗者 1590万円

 

 

豊島八段の横歩取り青野流 VS 名人の迎撃策

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王位戦リーグ白組最終局 佐藤天彦名人(3-1) 対 豊島将之八段(2-2)の一戦。
名人は勝てばプレーオフ以上確定、豊島は勝てば残留負ければ陥落。
どちらも負けられない戦いだ。
戦型は第1図のように豊島の横歩取り青野流に対して名人が受けて立つ展開に。


第1図から▲77桂△55角▲22歩△同角▲37桂と進むと
以前私が調べたような進行になる。プロの実戦例も何局かある形だ。
何れも動画で申し訳ないが今度記事に起こそうかと思う。
青野流その1
青野流その2 52玉型

ソフト同士で青野流を戦わせた棋譜
その1
その2

上記の▲77桂も非常に有力ながら、動画に述べた変化だと、ソフトで調べると僅かに後手有利という展開が多かった。ということもあってか本譜、豊島は▲77角。対して第2図。△26歩。実戦例も20局程ある形だ。


実は第2図の△26歩では△77角成▲同金(▲同桂は△55角▲22歩には△33桂!と跳ねて後手やや良し。)△74飛で後手が若干有利と半年ほど前にソフトで検討していた。本譜の△26歩は前例はあるものの▲28歩と大人しく受けられておくと後々△26歩が負担になって先手がやや良しとなっていた。なので本譜の進行は意外だった。実戦は以下、第3図へと進行した。ここで豊島に好手順があった。


第3図以下▲14歩△同歩▲12歩と端を攻めて先手好調。△同香は▲56角△23角▲34歩(△同金なら23飛成、△同角なら▲同角同飛▲56角。)と抑え込んでいく要領だ。名人も△45角と切り返し、先手やや良しながらぎりぎりの攻防が続いて第5図。ここで豊島が誤った。


第5図ではいったん▲87香と打ち、△85歩に▲76金が勝ったようだ。本譜は単に▲76金なので△55金~△45金の千日手の筋が生じた。しかし名人はこの筋を嫌って△45金で△45桂としたため、放置して▲12成桂ではっきり先手良しに。


第6図で▲43角と打ったのがほぼ決め手。次の▲55飛~▲61金が厳しいので△52銀と受けたが、飛を取って▲31飛の第7図がそのまま投了図になった。

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次の▲51角が厳しいので何か受ける必要があるが、△53玉なら一旦▲39玉が冷静で何もできない形となっている。以下△56角のような手なら▲51飛成で受けなし。
本局は豊島が鋭く踏み込み優位を掴み、名人も粘って難しい形勢となったが最後は誤算があって形勢に差がついたところを豊島がスパっと決め切った一局だった。
これで豊島は王位戦リーグ残留確定、名人は挑戦の望みが断たれた。
横歩取りの青野流はソフトで検討すると後手が良くなる変化が多いものの、実戦的には攻勢をとれる先手が勝ちやすい戦法だと思う。私もまたやってみようと思った。

 

 

 

 

 

 

王位戦紅白リーグ最終局 素晴らしい名局 菅井-渡辺

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白組の菅井(3-1) VS 渡辺(1-3)戦が名局だったので振り返っていきたい。
菅井はこれに勝てば白組優勝、澤田六段との挑戦者決定戦進出が決まる。渡辺は消化試合だが竜王の意地を見せたい。第1図。ゴキゲン中飛車と思いきや、早くも面白い作戦だ。


対して渡辺は銀冠を作って無難に駒組を進めていって第2図。ここでソフト推奨の面白い構想があった。


第2図では▲48金!~▲29飛が角打ちの隙を作らない面白い構想で、それならごくわずかに先手リードとソフトの見解。この辺りは角換わりの最新定跡と通じるものがあるようだ。
とは言え先手が歩交換を果たした第3図は上手くやったように見えるが・・・。ここで反撃があった。


第3図から△45桂が強烈な返し技。同桂△同桂▲同銀と進んで、空いた空間に△37角が入った。馬が出来て難解ながらやや後手リードといったところ。ただ、渡辺もさすがに竜王。しぶとく辛抱して巧みに反撃して第4図。


第4図では2枚目のと金を作った先手が逆転してややリードといったところだが、ここで△28歩が粘り強い一着。先に駒損はするが、飛を捕獲されて先手も非常に嫌な形になった。そして第5図。渡辺が両取りを放ったところで菅井に最大の見せ場が訪れる。


第5図では△53金とかわす手が本命とみられていた。それならやや先手良しながらまだまだ長い戦いが続く。ところが、ここで△31飛!が凄い手。この手を見れただけでも本局を並べて良かったと思った。以下▲43角成△39飛成(第6図)と進行し厳密には先手良しながらかなりの迫力になった。

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第6図では▲61馬(本譜)が第一感ながら▲54馬か▲79金打が有力だったようだ。本譜は以下△18と▲62金△69飛▲79桂(第7図)と進んだが後手に凄い手があった。

上図から△68馬!がほぼ決め手。▲同金なら△79飛成から決めるだけ決めて△71桂と埋めれば勝ち。本譜は▲97玉と早逃げしたが△79飛成が厳しく、以下数手で菅井の勝ちとなった。

これで王位戦の挑戦者決定戦は 菅井七段 VS 澤田六段の顔合わせとなった。どちらが挑戦しても初タイトル戦となる。
どちらも十分タイトルを狙えるレベルの実力者だが、菅井七段の独特の間合いは羽生王位にとってもかなり嫌なのではないだろうか。まあまずは挑戦者決定戦。すっかり菅井ファンになってしまった私としては、本局のような素晴らしい戦いを王位戦の舞台でも見せて頂きたい。ただし小さい頃から羽生三冠の大ファンなので、そうなった場合どちらを応援すればよいのかは非常に難しいところ。

 

 

チャンネル登録者6000人突破記念感謝企画 例のアレの歌詞

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動画は こちら (5月22日18時アップ)

HEY GIRL !

HEY BOY !

将棋キッズもヘッズも熱狂!
よい子のみんなここで勉強!

知りたいか俺のプライバシー?まあ待てよまずは美濃崩し
美濃の急所なら脇コビン端  ここ攻めりゃいつもだいたい勝ち
持ち駒に歩三枚と桂ならば キングに待ってる悲惨な処刑
香で歩を吊り上げ 桂で仕留める
恐怖のショータイムの 幕が上がる
なったか少しは君のため? ok、次はコビン攻め

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角のラインに入った玉ならば74桂で華麗に処刑
持ち駒の金が肝心要 がんじがらめな三手詰
端コビンラストは脇責め(♡) 変なプレイのことではねえ

下段飛車便りに金発射 金で取りゃ銀をさらに連射
いうまでもない これは崩壊 もはや原型をとどめてない

YEAH調子どう?3つの指導
忘れないようにどんな時も
君に教えちゃう秘密の呪文 それじゃあいまからい・く・よ?
「美濃囲い?弱いよね?端・コビン・脇・スキがあると思うよ?
だから、オイラ崩しちゃうよ?
駒G、駒たちが躍動するおいらの美濃崩しを
ベイビー達に見せたいね おいで」

 

 

電王戦2番勝負第2局 佐藤天彦名人 VS PONANZA 

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対局日:2017年05月20日
先手:佐藤天彦名人
後手:Ponanza 
持ち時間:各5時間

初手▲26歩に△42玉!とコンピュータにはよくある出だしになった。(未だに見慣れないが・・)そして第1図。飛先交換のチャンスだが・・・。


名人の指し手は▲76歩。ここでは飛先交換すると、1歩手にして飛先が軽くなる得よりも1手損するデメリットが大きいのかもしれない。実際、飛先交換させてから後手が早繰り銀にする指し方は今季の佐藤ー稲葉の名人戦でも登場し、後手が勝ってしまった。ということもあってか、先手は飛先交換を見送り、局面は普通の各換わりに進展していった。そして第2図。凄い形になった。


△62の銀を△51に引いた局面だが、個人的には初めてみた手。意味は52銀~43銀の銀矢倉を作ろうということだが通常は△54銀~△43銀というルートなのでこれは斬新だった。ただし形勢がここからやや先手に触れ始めたことを考えると、疑問の構想だった可能性はある。第2図以下、名人は一直線に棒銀を繰り出して2筋の歩交換を果たした。これが大きかったようだ。第3図と進展して、やや先手作戦勝ちか。評価値はプラス200程度。


第3図で▲96歩と突いてバランスをとっていけば、後手は徐々に手詰まりに陥っていくので先手がやれていたようだ。本譜は先手が穴熊の構想を見せていった。これを見て私は、名人は恐らく「いつも通り(人間相手のように)指そう」と決めていたのではないだろうかと思った。確かに人間相手なら非常に実戦的に好着想となりそうなところだが、相手はPonanza。右四間が先手陣のバランスの悪さを咎めており、第4図まで進んで後手作戦勝ち模様になった。


第4図で放置すると△65歩~△39角や△73桂 が来るので、先手から▲55歩と果敢に攻めていった。Ponanza相手に先に仕掛けるのは非常に勇気がいるところだが、名人は怯まなかった。対して△同歩なら▲54歩と垂らして先手も面白そうだが・・・△56角!が強烈な切り返しだった。この手を境に一気にPonanzaが差を広げていく。そして第5図。気が付けば端桂で守りの銀をソッポに行かせ、飛角は急所に利き、△86歩と穴熊の急所に歩が突き刺さっている。あっという間の大差だ。

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名人もここで▲45桂!とさすがの強烈な勝負手で切り返す。第6図となり
穴熊は解体されてしまったが・・・・


第6図から▲78角!が根性を見せた粘り。後手も間違えると▲53歩成が間に合ってきて大変だが、△63竜と引いたのが非情なまでに正確な受け。以下、桂と香を奪い合って第7図。天王山に馬を引き付けて王手!だが・・


上図から△44金と馬に当てたところで名人の投了となった。馬が逃げるようでは△46歩で絶望だし馬を切ってしまえば先手陣は持たない。1局を通して、名人の積極的な姿勢が目立っていた。変に腰が引けた指し方ではなく、あくまでも己の将棋を貫き通した将棋で敗戦とは言えとても立派だったと思う。さわやかな気分で観戦することができた。PONANZAは相変わらず悪魔のように強かった。

佐藤名人が僅差ではあるが優位に立つ場面もあり、非常に見応えのある対局だった。今後もまた人間対ソフトの対局を見てみたいと思う。

この将棋の棋譜並べ動画は こちら 

 

藤井聡太四段の連勝はどこまで続くのか 今後の相手を徹底検証

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レーティングは こちら のサイトを参考にさせて頂きました。
対局者が不明な棋戦は、(未定)と注釈をつけてレーティングが一番上の相手が出てくると仮定して調査しました。

※対戦相手の推定レーティングは5月18日現在です。
藤井四段のレーティングはまだ対局数が少ないため参考にできませんが、実力レーティングは既に10位以内と推定しています。

次戦:5月25日 近藤誠也五段 竜王戦6組決勝(持ち時間5時間)
現在レーティングは30位程度。
寸評:デビューからの通算勝率は7割超え。王将リーグ入りして豊島、羽生を破った実績も。かなり厄介な相手であるのは間違いない。

対局日未定:森内俊之九段 NHK杯(持ち時間10分)
現在レーティングは40位程度。
寸評:永世名人資格保持者。突然のフリークラス転出宣言は将棋界にとって大サプライズだったが、実力は未だにAクラスか。森内九段にトーナメントプロとしてのモチベーションがどれだけ残っているかも重要な要素かもしれない。
また、早指しなので不確定要素が多く、勝敗がどちらに転ぶか全く読めない。

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対局日未定:都成竜馬四段(未定) 加古川清流戦(持ち時間1時間)
現在レーティングは50位程度。
寸評:新人王獲得経験あり。持ち時間も短く、非常に危険な相手。
ゴキ中超急戦における「都成新手」の発案者でもある。
 
対局日未定:佐々木大地四段(未定) 新人王戦(持ち時間3時間)
現在レーティングは50位程度。
寸評:好成績を修めてフリークラスを脱出し、C2昇級が決まった。NHK杯でも丸山九段を倒して非常に勢いに乗っている相手。全く油断はできない。

対局日未定:澤田真吾六段  王将戦(持ち時間3時間)
現在レーティング10位程度。
寸評:今期王位戦リーグ白組にて4勝0敗。挑戦者決定戦進出が濃厚。
言うまでもなく最強の相手。この壁を破れるかどうかで、連勝記録だけでなく
今後の棋士人生も決まってくるかもしれない。

対局日未定:澤田真吾六段 棋王戦(持ち時間3時間)
同上。澤田六段との2連戦は、28連勝の記録更新の大きなヤマ場になりそうだ。

以上、直近で当たる対戦相手についてまとめてみた。相手もかなり強敵揃いで、いつ誰に負けてもおかしくないような状況だ。ここまで来るのにかなり劣勢に追い込まれた将棋もいくつかあった。(大橋四段との新人王戦(評価値マイナス1000くらいまで追い込まれていた)、竹内四段との加古川清流戦(竹内四段に、指せれば形勢を決定付けられるレベルの妙手順があった)、千田六段とのNHK杯(途中は苦しかった)、などなど・・・。まあ、そうしたギリギリの状況で積み上げるからこそ連勝記録というのは価値がり、皆が注目するんだろうなとも思う。18連勝の現時点で既に将棋界歴代7位という大記録である。もうここまで来たら何とか連勝を29まで積み重ねてほしいと願うばかり。

藤井聡太 VS 竹内雄吾 デビュー18連勝なるか

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第7期加古川青流戦トーナメント戦
戦型:ゴキゲン中飛車 VS 角道不突型左美濃急戦
対局日:2017年5月18日

各道を開けずに右銀を繰り出していく形は「居合抜き超速」と言われていることを最近初めて知った。もちろん形自体は知っていましたが。いいネーミングセンスだと思う。さて第1図。先手のゴキゲン中飛車に対して後手は左美濃+超速といった構え。


第1図での評価値は後手プラス50位で僅かに後手寄り。藤井四段も当然知っていての採用だろう。要するにソフトは第1図で先手の得は既に消えている、と判断している。そんな事言ったら中飛車がそもそもダメってことになるじゃないか…本当に恐ろしい時代になったなぁ…。


進んで第2図。▲65歩~▲57銀と積極的に繰り出していった手に対し、後手は△14歩、△34歩、△44歩で端に角を活用する含みを持たせつつ▲54歩~▲44角の筋を消す無駄のない駒組み。あとは機を見て仕掛ければよい。と思っていたらここで早くも△64歩。良さを求めにいった。以下、▲68飛△62飛から妥協のない攻防で第3A図と進展した。


ここで△57桂成▲同金△73銀打!が恐るべきソフトの推奨手(第3図)。定跡になるかもしれない。


非常に指し辛い手だが、こうなれば後手やや良しだったようだ。以下▲65桂なら△94歩▲73桂成△同銀▲62飛成△同銀。後手の左美濃が固い。私事だが第3図の前後を指定局面にして何局か友人と指してみることになっている。藤井四段のことだから、まさかここまで研究していたのか!?と寒気がしたが本譜は第3A図から△63飛。なんだかちょっとホッとした(笑)ただ、形勢はここで先手に少し傾いたようだ。以下△13角▲69飛△14歩に▲68角とぶつけて先手好調。後手は角打ちのキズが多く交換しづらい。やむない△22角に▲67金が力強かった。(第4図)


放置すれば▲56金~▲59角~▲65銀と取られてしまう。竹内四段の実力、才能が発揮された金の使い方で藤井四段の18連勝に黄信号が灯ったか。第4図から△54歩▲同歩△45歩と勝負手を放つが・・・

第5図と進んで、はっきり先手がリードした格好になった。以下△52歩なら歩切れを突いて▲85桂!が絶妙手(かなり指しづらそうな手だが・・・)で先手プラス600点といったところ。。86角の活用が厳しい。本譜は△55歩と頑張って次の△54金を見せたがやはり▲85桂!が絶妙手※本譜は▲65桂(というか10年に1度くらいの絶妙手順と言われてもおかしくないレベルですね(笑))以下、次の▲86角が厳しいので△33角と上がり▲86角に△22玉と逃がすが、そこで▲73桂成!△同銀▲55銀!というスペクタクルな手順(第6図)があった。


△57桂打なら▲同金△55角に▲67金がピッタリ。放置すれば▲66歩から桂を取って完封ペース。ただ、85桂とソッポに跳ねて桂をタダ捨てするような絶妙手順を一体人類の誰が指せるというんだ・・とあまりのソフトの凄さに呆れてしまった。

ということで本譜に戻りたい。▲65桂 も自然な活用で、全然悪い手には見えない。▲85桂が人間が指したら「10年に一度級のミラクルな手」というだけだ。ここで先手のリードは無くなり局面は全くの五分に戻った。冷静に考えて、▲85桂はイレギュラーな手なので竹内四段がチャンスを逃したというよりは藤井四段の勝負術が功を奏したと捉えるべきだと思う。そこから互角に推移していって第7図。△66歩で後手リードしたかに見えるが、ここで先手も魅せる。


上図から▲77角が華麗な返し技。対して△65桂と打ったが、そこで▲63歩成!△77桂▲53桂!なら先手の攻めが1手早く有利だったようだ。ただ、早指しでそんな数時間考えて思いつくかどうかという手を指すのは酷というもの。むしろ追いつかれて焦りそうなところで粘り強く指していった竹内四段の強さをほめたたえるべきだと思った。局面は進んで第8図。厳しい角打ちだがここでまた竹内が根性を見せる。

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第8図から▲65飛!が好手。以下△46歩に▲66飛△同飛成▲44金!△同金▲53角△42飛▲44角成~▲53角△42飛▲54桂と華々しい攻防が続く。形勢はなんと、これだけやってもまだ互角。すばらしい熱戦になった。そして第9図。先手にビッグチャンスが訪れていたが・・・


第9図は端をついたところだが、藤井四段の力を考えると信じられないミス。ここで▲41金△同銀▲52金△51歩▲41金△同玉▲22金(詰めろ)△31金▲63歩成△22金▲52とと龍を抜けば先手がはっきり優勢だった。本譜はそれを逃し、再逆転。先手の攻めが徐々に切れ模様になっていき、第10図。
※5月19日追記)△31金 では △54角!という受けの妙手があって互角でした。検討不足をお詫び致します。ソフトで30秒程度考えさせてようやく出てきた手でした。藤井四段には見えていたのでしょうか…。


ここで△42歩ではっきりした。32成香では届かないので▲52と△43銀▲51ととしたが、△55角と遊び角が急所に働いてきてどうしようもない。以下、第10図までと進んで竹内投了。

そして藤井のデビュー以来公式戦18連勝が決まった。
本局に関しては早指しいうこともあり、いつもの正確無比な指し回しではなく二転三転の末の怪勝という形だった。ただ、竹内四段の剛腕が一方的な勝利を許さなかったという点は大きいと思う。
見応え満載の素晴らしい将棋だった。

この将棋の棋譜並べ動画は こちら

 

 

 

第75期名人戦 佐藤天彦名人 VS 稲葉陽八段 第4局

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昨日の記事は こちら (2日目お昼まで)

さて、上の記事から△84桂に▲99玉とアナグマに囲いつつ△75歩▲同歩△76歩を避け、△34歩と打たれた局面。ここで角をどこにひくかな?と思ってみていたらなんと・・・


何と上図で▲44角!これにはびっくりした。ソフトで検討すると「最善手」と出るので二度びっくり。信じられないが△同銀▲同歩となった形が次の▲75歩~▲54角を狙っていたり先手玉がとても固かったりするのでそうなのか・・・と無理矢理自分を納得させた。といっても、駒得が大きく若干後手有利。先手としても、若干不利を承知の勝負手だったのだろう。

進んで第2図。名人が△76桂▲同銀△49角と思い切った攻めに出たところ。ここで先手に勝負手があったようだ。


本譜は▲48飛△76角成▲77銀△54馬と自然な進行だが名人の馬が手厚く、後手のリードが広がった格好になった。ここは▲58飛!と回る勝負手があったようだ。以下一例としては△57歩▲同金△69銀となって怖すぎる格好だが、そこで▲67銀打と頑張り、△58角成▲同金△78銀成▲同銀△79金▲87銀引△29飛▲88銀打・・・と永遠に受け続ける展開になる。こうなれば評価値はほぼ互角。先手もまだ十分戦えたようだ。ただ、とても恐ろしくて選び辛い順だと思う。本譜に戻って第4図。挑戦者が48の飛を▲47飛と移動し△59銀の筋を消しつつ飛を横に使う面白い手を指したところだが、名人の次の一手が素晴らしかった。

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上図から△33桂。これが格調高い手だった。意味は次に△56銀~△45桂とさばくということ。本譜もこれが実現し、最終的には21の桂が57まで出世することになった。とても感動させられた手だった。続いて第5図。挑戦者の鋭い勝負手が飛んだところだったが、ここで名人が手厚い一着を放つ。


上図から放置すると▲75歩△同歩▲83角のような筋が気になるが、
△84銀と埋めたのが好手。これで先手から思わしい手が無い。△33桂と言い、△84銀といい、名人が落ち着いた手でリードを広げていく。そして着実にリードを広げて第6図。名人が決めに出る。


ここから△同馬▲同銀△67銀!が鮮やかな寄り身。清算して△87銀と打てばほぼ必至だ。△67銀に▲87銀打と根性の受けを見せたが、いくばくもなく名人が寄せ切った。
これで名人戦は2勝2敗のタイ。ここからの「三番勝負」でどちらが勝つのか、目が離せない。

棋譜並べ動画は こちら

 

第75期名人戦第4局 佐藤天彦名人 VS 稲葉陽八段 2日目お昼まで

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本日から名人戦第4局の2日目が始まった。
さて、下の封じ手図では△59角と打って後手良し(+600程度)
と 昨日のブログ  で書いた。


△59角に▲58金と角を殺す手は以下、△77角成▲同金△86歩▲同歩△85歩で後手優勢。だが、上図からは△36歩という有力な手が見え見えなだけに△59角は盲点に入りやすい手だったのかもしれない。人間はソフトと違って一瞬でその局面にある全ての手を候補に挙げて比較するなどということは出来ないので、一度盲点に入ってしまえば再びその手が候補に挙がることは少ない。結果として最善を逃すことだってたくさんある。だが、だからこそ人間同士で指す将棋は未だに沢山のファンがいるのだと思う。人間同士がお互いの名誉やプライドや大金をかけて悩んだり、苦しんだりしながら一手一手ひねりだしていく姿にこそ人々が求めるものがあるのだろう。
ということで本譜は上図から△36歩▲同飛△38角と進行した。


第2図ではI、▲34歩△27角成▲35飛△42銀▲44歩△53銀▲45銀という進行も有力(後手やや良し、+200程度)だったが、稲葉八段の選択は▲28歩!あくまで飛車のタテ利きを通したまま戦おうという強い意志の感じられる手だ。名人も読んでいなかったのではないだろうか。対しては△43金と抑え込む手も有力だった。以下▲25桂なら△56角成▲33桂成△同金▲56歩△47銀ではっきり後手良し。代えて▲35角と出るのがふわっとした好手で以下△34歩▲26角△55歩▲同銀△47角成▲56飛(第3図)は後手やや良しながら先手の駒もめいっぱい働いていい勝負か。

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本譜は▲28歩に△35歩▲同角△55歩と名人が攻め合いに出て第4図。ここで先手に鋭い手が出て形勢の針は互角に戻った。


第4図から▲25桂!が好手。△同歩▲38飛△56歩▲同歩△84桂と進んで第5図。12時05分現在の局面だ。形勢は全くの互角(後手+50)

この後は▲44歩△34歩▲17角△15歩という進展が予想されており、火の出るような攻め合いになりそうだ。また夜にまとめを書いていきたい。