豊島八段の横歩取り青野流 VS 名人の迎撃策

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王位戦リーグ白組最終局 佐藤天彦名人(3-1) 対 豊島将之八段(2-2)の一戦。
名人は勝てばプレーオフ以上確定、豊島は勝てば残留負ければ陥落。
どちらも負けられない戦いだ。
戦型は第1図のように豊島の横歩取り青野流に対して名人が受けて立つ展開に。


第1図から▲77桂△55角▲22歩△同角▲37桂と進むと
以前私が調べたような進行になる。プロの実戦例も何局かある形だ。
何れも動画で申し訳ないが今度記事に起こそうかと思う。
青野流その1
青野流その2 52玉型

ソフト同士で青野流を戦わせた棋譜
その1
その2

上記の▲77桂も非常に有力ながら、動画に述べた変化だと、ソフトで調べると僅かに後手有利という展開が多かった。ということもあってか本譜、豊島は▲77角。対して第2図。△26歩。実戦例も20局程ある形だ。


実は第2図の△26歩では△77角成▲同金(▲同桂は△55角▲22歩には△33桂!と跳ねて後手やや良し。)△74飛で後手が若干有利と半年ほど前にソフトで検討していた。本譜の△26歩は前例はあるものの▲28歩と大人しく受けられておくと後々△26歩が負担になって先手がやや良しとなっていた。なので本譜の進行は意外だった。実戦は以下、第3図へと進行した。ここで豊島に好手順があった。


第3図以下▲14歩△同歩▲12歩と端を攻めて先手好調。△同香は▲56角△23角▲34歩(△同金なら23飛成、△同角なら▲同角同飛▲56角。)と抑え込んでいく要領だ。名人も△45角と切り返し、先手やや良しながらぎりぎりの攻防が続いて第5図。ここで豊島が誤った。


第5図ではいったん▲87香と打ち、△85歩に▲76金が勝ったようだ。本譜は単に▲76金なので△55金~△45金の千日手の筋が生じた。しかし名人はこの筋を嫌って△45金で△45桂としたため、放置して▲12成桂ではっきり先手良しに。


第6図で▲43角と打ったのがほぼ決め手。次の▲55飛~▲61金が厳しいので△52銀と受けたが、飛を取って▲31飛の第7図がそのまま投了図になった。

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次の▲51角が厳しいので何か受ける必要があるが、△53玉なら一旦▲39玉が冷静で何もできない形となっている。以下△56角のような手なら▲51飛成で受けなし。
本局は豊島が鋭く踏み込み優位を掴み、名人も粘って難しい形勢となったが最後は誤算があって形勢に差がついたところを豊島がスパっと決め切った一局だった。
これで豊島は王位戦リーグ残留確定、名人は挑戦の望みが断たれた。
横歩取りの青野流はソフトで検討すると後手が良くなる変化が多いものの、実戦的には攻勢をとれる先手が勝ちやすい戦法だと思う。私もまたやってみようと思った。